記事一覧

県教育委員会よ、お前もか・・・

2018.08.25

アイコン

とても残念 埼玉県教委 障害者雇用水増しか 

 8月22日の埼玉新聞。一面に「障害者雇用 県教委 確認せず算定」との見出しが。今、テレビなどでも話題となっている問題ですね。

 埼玉新聞によると、中央省庁や地方自治体が障害者雇用数を水増ししていた問題で、県教育委員会が障がい者手帳を確認せず、実際より多く雇用率を算出していたことが21日に分かった。今後、何人分多く算出していたのか調査を進める、ということであります。

 問題を整理すると、厚労省のガイドラインでは、手帳や診断書などを確認することになっているが、県教委は2012年度から公立小中学校や県行政職員ら全職員に対し、障害の有無を書面で自己申告させているが、手帳などの確認は行っていなかったということのようです。県教育局総務課は「なかなか雇用率が向上しない中、なるべく幅広く掘り起こそうという意識だった。職場で手帳を見せて申告しづらいという人もいて、許容してしなった」と。

 いやいや、なんか間違っていませんか。確かに、そのような声もあるかもしれませんが、しかし、障害者手帳の申請は、生活保障も含めた権利を得ることと同義のはずです。それを「職場で申告しづらい」ではなく、当たり前に提示できる職場の空気を造って行かなくちゃ。民間以上に行政は。まあ、実態は今後の調査ということですのでこれ以上のことは言えませんが。

 同課によると、県教委の障害者雇用率は16,17年度はともに2.21%で、法廷雇用率の2.2%を達成。今年6月現在の雇用率は2.21%で、該当者は492人。今年4月からの法廷雇用率2.4%は達成していない、とのこと。そして、492人のうち少なくとも126人は、採用した時に手帳などを確認できているという。県教委は、今後、確認できていない職員について手帳の有無を調査し、何人分多く雇用率を算定していたのかを9月初旬にも明らかにするとしているようです。

 なお、市長部局での水増しはなかったということで、上田知事は中央省庁などの水増し問題に対して「共生社会を実現しようという大きな目的に対しての背信行為」とバッサリ批判。これが教育局という分野で起きているのは本当に残念なことです。さらに知事は、ガイドラインそのものにも実情とあわないところがあるのではないかと、ガイドラインの是正を示唆したということです。あっても無きが如しのガイドラインは要らないです。ガイドラインが実情に合わないなら是非見直しをを。

 さて別の観点から。実は私は、先日、障害者に関わる仕事をされている地域の方から、「障害者が学校を卒業した後の居場所や雇用が難しい」というお話を聞いたばかりでした。確かに、幸手市でも小中学校共に特別支援学級が設置され、毎年複数のお子さんがそこで学んでおられますが、地域の作業施設などが新しくどんどん設置されている訳でもなく、受け入れ定員は変わっていません。「一体、毎年学校を卒業した後、子どもたちの雇用はどうしてなっているのか」と以前より疑問を持っていたところでしたが、今回の件で、数千人規模の雇用機会が偽られていた可能性もあり。障害者団体が「障害者の雇用の機会が奪われた」と反発されるのも理解できます。

 障害を持った方がその個性に合わせて一生仕事をしていける環境を作ることは大事なことです。県教委については9月初旬の結果を待ちたいと思いますが、さて、幸手市はどうか。週明けにでも確認したいと思います。