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来年3月完成に向けて
本日、議会では幸手駅の工事の進捗が説明され、完成予想図が配布されました。その後、現場の視察に。完成は本年度末の3月を予定。工事は粛々進められ、今は自由通路が架設され、9月中には西口に階段が降ろされる予定とか。ちょっと見にくいですが、以下は今日配布された完成予想図です。
外観・・・市民の皆さまへのアンケートで決まったアクセントカラーの「ピンク」は駅舎東口の壁面(写真中央の茶色いゲート板=タイル仕様)に「桜吹雪」としてあしらわれます。また、エレベーターの昇降部分には透明のアクリル板を使用。中の照明は色彩を変えることができるそうです。駅舎上部には壁面緑化として植物を植栽。建物中央の上の緑っぽい部分です。分かるでしょうか。ここは完成後の管理は東武鉄道が行います。
なんだかんだ、当初の計画よりかなりデザインがグレードアップしている印象です。画面の上でクリックすると写真が拡大されますよ。
内装・・・埼玉県産の木材を使ったレトロ&温かみのある色調です。改札前のスペースが広いのでベンチを置いたり、市民の文化作品を飾る展示スペースがあったり。通路床には日本橋から日光までの宿場名を刻んだ瓦をタイルの間に配置します。その宿場名には天井からスポット・ライトが当たる仕掛けです。
コンセプトは「日光街道の宿場町」。完成図をみると、まるで劇場か、そのままホールにでもなりそうと思うほどの仕様です。インスタ映えするというか。そういう意味では、遊び心も含め、駅としては”突き抜けて”います。デザイナーもきっと楽しかったと思いますよ。近隣のどちらかというと無機質な駅の意匠と比べても、また、東武鉄道自慢の野田線大宮公園駅と比べてもかなり画期的&実験的。この贅沢感、これからの駅づくりのトレンドになるか?
まあ、5坪や10坪の土地でも意匠の限りを尽くした家を建てる例もありますから、28億4500万円をかけなければこの輝きがでなかったかというと、それはそうではないと思いますが、取り敢えず、経費の範囲内での工夫であり、職員の努力には敬意を表したいと思います。
しかし、ここでもう一度原点に戻って考えた時、駅舎とは本来、機能です。財政との兼ね合いで考えれば、自治体が手掛ける駅は機能重視=無機質とならざるを得ない。過去、「身の丈に合った」「財政支出の少ない」駅舎を求めて陳情や請願という市民運動が起きましたが、そこでの市民の主張は、市の財政を考えた時、機能重視でやるべきだというもので、会派先進も賛意を表し紹介議員になった経緯があります。
鶴の恩返しではありませんが、自分の羽を抜いて美しい布を織ったとしても、その影響で体力が続かないというのでは本末転倒。おカネが潤沢にあれば言う事もないことですが、市の財政の現状から見て身の丈以上とも見え、複雑な心境です。
後は、市がどこまで本気でこの28億4500万円をかけた駅の利用者を増やすことに執念を傾けるかということです。交流人口(観光客)もさることながら、定住人口を増やしてこの駅を使ってもらうことで、投資を回収する気概が必要です。