記事一覧

公共交通一考

2019.07.03

アイコン

病院バス運行

6月議会の一般質問始め、先の選挙戦でも地域公共交通の充実・改善を多くの議員が取り上げていました。結構過激な議論もありました。公共交通の利便性向上は幸手市にとって大きな課題です。私もこれまで幾度が公共交通に対して改善を求めてきましたが、小手先で改善できるものではなく、市の答弁にいう今の運行業務委託契約の満期時に再調整するしか致し方ないのではないかと、残念ながら思う次第です。

そんな中、先日、私が住む地域の区長会さんから発行された「2019区長会だより」に近隣H病院の巡回バスについて情報が提供されていました。病院の無料送迎バスです。ドアツードアとはいきませんが、1日に4便が地域を巡回しているようです。このほか、最近よく見かけるのが市内Mクリニックの名前のついたバスです。ずいぶん頻繁に見かけます。病院に通う方たちにとって、通院時の交通費の出費は生活を脅かすものとなっていますから、このような巡回バスは重宝されているものと推測します。

先日、ある方が、栗橋の病院に通うのに一旦自転車で幸手駅まで出て、電車で通っているとおっしゃっていました。タクシーだと片道2500円はかかる。とても行き帰り5000円は厳しいと。しかし、病気だから通院されている方が、駅まで10分以上かけて自転車を漕いで電車に乗っていくというのもなかなか厳しいものがあります。そして、S病院は数年後に加須市に移転することになっていますからさらに通院は大変です。
然りとて、幸手市の現状のデマンド交通の場合は市内限定運行ですから、今の地域限定の運行のままでは利便性が向上したとしても市外のH病院にもS病院にも行くことはできません。

上記の病院の巡回バス情報をもとに、ネットで調べていて、平成28年3月に国土交通省九州運輸局が発行した「地域公共交通に関する法律や制度」に関するこんな資料が見つかりました。
【スクールバス福祉バス患者送迎バスを無償で運行する場合における道路運送法上の許可の必要性について】
■許可届出は不要・・・以前はスクールバス、福祉バス、患者送迎バスを無償で運行する場合は国土交通省大臣への届け出が必要でしたが、平成14年の規制緩和により道路後運送法の届出を含めた手続きは必要なくなりました。
■協力金や寄付金の扱いには注意・・・運行と言わずに協力金や寄付金名目で車内でお金を受け取ることも有償とみなしますので、その場合は道路運送法第4条の許可が必要となります。
■安全の確保が最優先・・・使用する車両は自家用自動車でも構いませんが旅客運送にあたっては安全の確保が最優先であることから自動車の提供も含めて既存の旅客自動車運送事業者に運行委託することを考えましょう。

これを見ると、病院の巡回バスは無償なら道路交通法等の届け出なく運行ができるとなっています。国費等の補助の有無は不明(多分ない?)ですので、まさに経営判断が必要ですが、それぞれの病院で検討いただけると患者さんとしては本当に助かりますね。幸手市で公共交通と言えば、路線バス、タクシー、デマンド交通です。路線バスについては幸手駅西口が開設したことにより、現在、幸手駅⇄久喜駅間の路線バスの運行が協議中です。どれだけの利用者が見込めるのか。路線バス会社の判断が待たれています。今後、運転免許証自主返納を余儀なくされる方が増える中で、少しでも公共交通の利便性が向上することが必要ですが、どこまで代替できるのか。全てを公共が担うのは難しい中、少なくとも病院の巡回バスは通院の足として貴重ですね。

さて、病院の巡回バスは横に置いて、幸手市では来年の秋にデマンド交通の業務委託が満期となります。それまでに有効な交通体系をきちんと作り上げること。これが使命です。それに必要なことは、まず、「弱者」の選定です。一体、どのような方を弱者と認定するかによって求められるサービスは変わります。今のデマンド交通は取り敢えずの実証実験から始まり、これまで皆さまにご不便をおかけしながら運行してきましたが、次の切り替えでは同じ轍は踏めません。そのための調査をきちんとして臨むよう、私もこれからさらに勉強して提言をしていきたいと思います。

なんでも無料とはいかないかもしれません。さらに民間事業者さんの営業努力もお願いしていかなければならないのではないかと思います。今、幸手市にお住いの皆さまの多くが車を所有されていますが、この維持費も決して安いものではありません。車で移動できる自由は車の維持費と引き換えです。そんなことも考えながら、最良の方策を考えましょう。皆さまの中にこのような公共交通事情に詳しい方がいらっしゃいましたら是非、お知恵をお貸しください。