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タコが自分の足を食らう構図

2020.01.11

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ロス食品 お得に おしゃれに

今日の 日経夕刊より

食品ロスを楽しみながら減らすサービスや商品が各地で広がっている。企業が販売するのは売れ残りや規格外などの訳あり品だが、若者が集まるマルシェに出店したり自動販売機やアプリで購入できるようにしたりと工夫を重ねる。消費者は廃棄を減らすための義務感よりも新たな食の選択肢として「ロス食品」に魅力を感じている。

という記事です。全国の売れ残ったパンを取り寄せるサイトもあるそうで、購入した人は、「今日焼いたと言われても納得のおいしさ。ロスとか古いとかは全く気にしない」と購入したパンを笑顔で頬張る。このサイトには全国のパン店約230店が登録、個人会員は運用開始から約1年で2万3千人を超えるという。
天然酵母や国産小麦にこだわる名店のパンも約2〜3割安く購入できる。都内の登録店などで売れ残った約150個のロスパンをマルシェで3時間ほどで完売した。同社の代表は「売れ残ったパンにも価値があることを多くの人に知ってもらいたい」と話す。今後も全国のイベントに出展する予定だと言う。
都内で住民が行列を作る人気店の店主は「このサイトに登録してから1日あたりの廃棄が4分の1の約25個に減った」と話す。週に2〜3回、冷凍したロスパンを全国へ出荷している。見栄えよく焼きたてのパンを常に並べ、売れ残った1部のパンを翌日販売しないためロスが出てしまう。利用者からはおいしいなど好意的な反応が多いと言う。

その他にもいろいろな形で食品ロスの低価格売買実例が掲載されていますが、何かおかしいと思うのは私だけでしょうか。そもそも、廃棄やロスを前提とする生産、消費構造に問題はないのか。規格品や賞味期限や消費期限のあり様に問題はないのか。焼きたてにこだわり、売れ残りパンを翌日販売しないというビジネスモデルに改善の余地はないのか。作っている人は「少しでも美味しいものを」と頑張っているのだと思いますし、当然、閉店前に売れ残りが出ることはある程度仕方ないことです。仮にもロス食品にも価値があるなら低価格でなくても売ればいいわけです。まあ、私には分からないイロイロがあるのでしょうからこれ以上は申しますまい。

ただ、子ども食堂などもそうですが、廃棄前の食品がいたるところに溢れていて、無料配布されるという"ビジネス"が成り立つ金満、飽食の国ニッポン。でも、これらの商品がタダで流通しているのではありませんよ。ヒト、モノが動くときはお金もいっしょに動きます。これだって、立派なビジネスです。最後にもう一度。私たちはもっと「食」に対して慎ましくなるべきだと思えてなりません。

そして、すぐに安売り合戦が起きる日本。本来なら価値が下がるから安値になる。しかし、価値が下がらずに価格が下がる。待てば安くなる。こんなビジネスが世の中を席捲すると、ホンモノはこの安売り商品と競争することに。タコが自分の足を食うような構図に見えてなりません。
ふるさと納税でとことん上質にこだわる人、ロス食品に価値を見出す人。いろいろな価値観なのでしょうが、何だか、何か問題がすり替えられているような感じを受けるのは私だけでしょうか。また、おしゃれとかお得とかとは別次元で、これで本当に景気はよくなるのか。詳しい方は是非、教えて下さい。

♥私たちの前提はまず、ロスを生まない。廃棄をしないスタイルの希求です。大量生産、大量ロスモデルとはおさらばです。棄てることやロスに寛容すぎる日本ゆえの新ビジネスか。はたまた「モッタイナイ」の具現化か。私にはまだこの仕組みの良さが理解できていないということか。皆さまはどうお感じになりますか?