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AIが監視 監視社会一考

2020.11.09

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オンライン入試に監視システム導入

新型コロナウイルスの影響で、オンライン入試を実施する大学が増える中、想定されるオンライン特有の不正を監視する人工知能(AI)を使った「試験監督システム」を導入する動きが出ているそうです。このブログでは日々の市政のこと、議会のこと、私の活動などとともに気になる時事問題について感じたことを掲載しています。今回はそんな時事問題から。

まず、アメリカ大統領選挙を例に、「不正」について考えます。バイデン候補の勝利宣言で幕を閉じる、ことはなく、トランプ大統領は「各地で不正が起きている」として法廷闘争を拡大する構え。不正はトランプ氏が証明しなければなりません。トランプ氏の行動を批判する人もたくさんいますが、しかし逆に、「不正がなかった」と言い切ることはできるのか。悪魔の証明はできないとの話もありますが、トランプ氏が主張する「郵便投票システム」の不完全さは部外者から見ても少し疑問を感じます。この度の郵便投票制度はコロナ拡大を受けて、今回、新たに導入した州もあり、開票作業のルールは州によって異なるそうです。疑い出せばキリがないとは言え、投票日の消印があれば数日後に届く郵便投票が有効となるなど驚きのシステムです。民主主義的に決めた、決められたシステムに従うべき、とはいかない時の法廷闘争です。人が作った法やシステムに"抜け道"があったとしたら是正は必要です。結果とは別に。

しかし、不正根絶は現実問題としてとても難しい命題です。限りなく"ゼロ"に近づける努力は必要ですが、法律を作って罰したとしても意図を持って従わない計画犯には無力です。もし、100%防御できるとしたら、それはよほどの監視社会でなければできないことでしょう。

そこで、今日話題にするオンライン入試。主に自宅などで自分のパソコンを使って面接やテストを受けるものですが、想定される不正は❶替え玉受験❷認められていないインターネット検索・参考書の閲覧(カンニング)❸他人からの助言ーなど。試験会場での試験監督でも決してゼロではなかった不正がさらに拡大することが想定されるわけです。

ある大学では受験者が事前登録した写真と同一人物かどうかや不審な動きの有無をAIが判断する監視システムを導入するとのこと。教育サービス提供事業者の複数が監視システムを開発をし、複数の大学が関心を寄せているというのですが、正直、そこまでやるかとの印象です。
それでもAIは万全ではなく、サービス導入を決めた大学の担当者は「不正と判断しづらい動作に関しては担当者等が確認しながら慎重に検討していく」と。受験生が考えるときに宙を見つめたり視線を落としたりという行為もAI判断では慎重検討の対象です。

対面を避ける、移動を避ける、密を避ける。コロナによる新しい生活様式の一環であるとしても、現行の入試選抜方式をそのままに、テクニカルな問題としてAIに試験を監視させることで満足すべき問題なのでしょうか。このような仕組みを導入しなければならない今の大学入試方式で良いのか。教育は国家100年の計です。子供たちの人格形成にも大きな影響を与えることからも、しっかりと議論をしていただきたい問題です。

♥一方で、犯罪抑止には「検挙率向上」が不可欠です。同様に、仮に監視システムを導入する場合、導入側はきちんと不正を見破ることができなければなりません。不正をしても見つからなかった。そんな経験を若い人にさせてはいけません。逆に、AIから不正ありと判断された受験者に対しての説明責任と、不服申し立てや学校側が訴えられる可能性も覚悟ですよ。「不正あり」を証明するのは大学です。
システムを考えるのも動かすのも人です。また、抜け道を探すのも人。時代の変化は激しいですが、"監視しきれない監視システムの導入"はより慎重さが求められます。

♥♥いつも長くなってすみません。