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自治体の許認可 追記

2021.07.07

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「非線引き」の都市計画区域

先のブログを掲載した後、さらにネットを検索して、以下のことがわかりましたので追記いたします。

「熱海市は全域が市街化区域と市街化調整区域の分類がなされていない「非線引き」の都市計画区域で、3000平方メートル未満の開発行為は許可も不要のため、開発が進みやすい環境。現場周辺は土砂災害警戒区域(土石流)に指定されていたが、決して特殊なケースではない」。

「非線引き区域」あまり馴染みのない言葉です。
改めて、国交省の「都市計画のこれまでの歩み」を紐解いてみると、
昭和43(1968)年 ◎新都市計画法の策定
・決定主体(都道府県知事又は市町村)
・市街化区域と市街化調整区域の区分の創設
・開発許可制度の創設

非線引き区域に指定されるエリアは、人家や森林、田畑などが混在し、この先の急激な市街化開発の可能性が低いと想定されている場所が多い特徴があり。都市計画区域内を市街化区域と市街化調整区域に線引きすることは無秩序な市街化開発を抑制する効果がありますが、一方、線引きを行う際には市街化区域とも市街化調整区域とも判断しがたいグレーゾーンがどうしても出てきます。このグレーゾーンエリアが非線引き区域で、熱海市では全域が非線引き区域だと。これは今回の事象の注目すべき要素かも知れないと私は感じます。

市街化区域では住宅地の建築ができ、市街化調整区域では許可を得た場合を除いて建築ができません。一方、非線引き区域での建築は可能で、定められた用途地域の範囲内であれば特に建築制限が設けられていません。
不動産売買を手がける多くの不動産会社が線引き区域のメリットとデメリットをまとめています。その多くが、メリットとして、不動産の売却を考えている場合、非線引き区域では比較的自由に土地を利用することができることをあげています。非線引き区域は都市計画区域内でありながら、区域区分の外にあるため、土地利用に関する規制が緩やかだと。
一方、デメリットとして、建築に際しての制限が緩いということは、周辺の環境が変化しやすいということでもあり、将来的にも現在の環境が続くとは限らないため思いもよらないトラブルが起こるかもしれないことを示唆。以下は不動産業者のHPから。

「市街化区域では1000平方メートル以上の建物を建てようと思えば
自治体からの許可を取る必要がありますが線引き区域では3000平方
メートルまでは許可を取らずに建築することができます」。

魅力的な誘導ですね。
土地は財産です。所有者が利活用を考えることは当然のことですし、売買の最終形として今の所有者がいます。許認可が時代を作るのか。時代の要請が許認可を変えるのか…。都市計画は時代そのものです。都市計画はこれまで様々な改定が行われて来ましたが、基本は昭和43年に見直された新都市計画法です。非線引き区域の有効性の時代的評価・検証に私は注目しています。

冒頭に記した新都市計画法。決定主体は都道府県知事若しくは市町村となっています。幸手市は近隣の杉戸町、宮代町とともに「幸手都市計画区域」と定められ、埼玉県が定めた区域区分に従って用途地域指定や都市計画を推進しています。
静岡県川勝知事というとJRリニア開発でトンネルの掘削に待ったをかけていることが最近の話題となっていましたね。静岡県は富士山を背負い、水脈も豊富な県と推測します。伊豆や熱海という観光地もあり、山間地の利用も県の重要な産業を支えています。地域の事情は複雑です。断定的なことはまだまだ言えませんが、土地利用についての国や県、専門家の今後の検証に注目したいと思います。