記事一覧

終戦の日近く

2021.08.13

アイコン

戦争とどう向き合うか

8月15日、太平洋戦争の終戦の日が近づいて来ました。8月15日を終戦ではなく敗戦と考える方もあると思います。私の母方の祖父は当時の兵隊としては高齢で満州に行き、終戦後はシベリア抑留を経験。終戦から2年後に帰って来たと母から聞いています。

祖父はとても温厚な人で、死ぬまで、私たちに一言も戦争の話しをしたことはありませんでした。一兵卒としてどんな修羅場を見てきたのか、体験して来たのか。

また、私は数年前まで、市内の学校で子どもたちに戦争体験者に体験を語っていただく活動をしていました。その活動の中で、何人かの方のオーラルヒストリーをまとめた経験があります。戦地に出向いた方、空襲の中を生き延びた方、戦後復興のドサクサやひもじさの中でもみんな、善良な国民であり、苦難を受け止めて必死に生きてきた先人ばかりです。

明治以降、日本が歩んで来た道の最後に起きた太平洋戦争。どう総括するかは難しい判断ですが、私は庶民の立場からは終戦、政を考える立場からは敗戦であったと思っています。そして、戦中世代が少なくなる中、歴史を後付けの知識で断罪してはいけないと感じています。
同じ戦後世代の若者に、この総括をどう引き継いで行くか。これは私たち世代の宿題でもあります。

今も世界の至るところで争いが起きています。いろいろな国や地域の事情や背景を全て知ることはできませんし、庶民の立場、為政者のあり方なども、誰かの情報を妄信して現象を判断するのは危険な行為です。太平洋戦争下で新聞各社が伝えた情報が国民に何をもたらしたか。皆さまもよくご存知と思います。

これから15日まで、いろいろなメディアや情報媒体によるいろいろな報道を目や耳にすると思います。悲惨、賛美…、いろいろあるでしょう。伝えられる情報は自分なりに真偽をしっかり判断しながら、明日の日本のあり方を考えるきっかけにしたいですね。これから、終戦後のパラダイムが大きく変わっていきます。温故知新、歴史に学び、剥き出しの覇権主義に負けない“東洋の真珠“のような清らかな日本人でありたいですね。

終戦の日を前に、戦争で亡くなられたご英霊と全ての戦死者のご冥福を心からお祈り申し上げます。