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環境対策一考 馬脚露呈

2021.12.20

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温室効果ガス削減の取り組みの成果を民間事業者間で売買するカーボンクレジット取引膨張 削減効果の最大3倍の規模で発行している疑いが浮上

日経新聞12月14日の一面記事です。環境問題は私たちのこれからの生き方にも影響することでもあり皆さまと共有したいと思いながら、なかなか考えをまとめるのに時間を要し、日にちが経ってしまいました。少し長いです。ご関心のあるところをお読みいただければ幸いです。さて、

日経新聞が「森林保護に由来する世界最大級の事業を調べると、削減効果の最大3倍の規模で発行している違いが浮上した。積極的な温暖化対策をアピールしたい企業が購入している。根拠不透明なクレジットが出回れば実効性を欠くカーボンゼロが氾濫しかねない」

という問題提起。この問題はすでに多くの人が薄々感じて来たことではないかと思います。私も排出量取引が抜け道になる可能性は以前から疑念を感じて来ました。環境問題に先急ぎは禁物。それが明らかにされたというのがこの記事の概要と受け止めます。

温暖化対策の国際枠組みパリ協定が採択された15年以降、脱炭素市場はバブルの形相だ。欧州連合の規制に基づく排出量取引制度で火がついた、と日経。そして、この世界最大級の事業では欧州企業だけでなく日系企業もクレジットを購入。
排出量取引も正直に運用されれば効果があるのかも知れませんが、しかし、このクレジットは発行量を実態以上に増やせるのが課題です。そして、操作性の高い取引もさりながら、そもそも環境問題は私たち 地球市民が今の生活をそのまま続けながら企業にだけ対策を押し付ける構図で解決するものではありません。しかし、一人ひとりの事情が違う中、Web会議を駆使しても、やっぱり観光には飛行機に乗りたい。近くの買い物はまだしも、重い荷物や遠方の買い物には自転車は難しい。太陽光パネルも廃棄時の問題など未解決…。さて、私たちにどんな選択ができるでしょう。

希少価値の鉱物や油などは戦略資源として世界の派遣争いの火種にもなり、国際社会の力学はそう簡単に変わらないし、SDG sという概念も「持続可能な発展」が目的で、よく、江戸時代のリサイクル社会??が模範とされますが、囲炉裏で暖を取り、籠や歩きで花見遊山、下肥や紙くずを身近に再利用する社会に戻れるかというと、これは世界の潮流とはなり得ない。私たちも試されますね。

しかし、今回のスクープが炙り出した“張りぼての脱炭素取引“に乗じて仮にも排出量取引を続けるのは蛮行であることが明らかにされた以上、欧州がリードする制度に追従するだけではなく、いかに国家として国際社会に対してイニシアチブをもってこの問題に向き合うか。まずはルールを作る側に。日本は国際社会に対して交渉力を発揮して欲しい。期待したいです。

♥ しかし、かく言う私もまだ、地球環境を守るための行動を実行できているかというとなかなかできていないのが現実です。偉そうなことは言えません 。理念ばかりが先行して申し訳ありません。便利さを追求して来た私たちが便利さや快適さを手放せるか。そんなことをフツフツ考えていた先日、TVで子どもたちが地球環境対策を考えるという番組がありました。一人のお子さんが「化粧品にはマイクロチップが含まれている。お母さんたちは化粧をしないこと」を提案。そうか…、とある意味合点 するとともに、日々日常における行動変容の難しさを改めて認識した次第です。

♥♥排出量取引の現場にある企業や携わる方々のご苦労は想像に難くありませんが、しかし、仮にもこのようなマヤカシの対策が横行しているなら、それはやはり と言わなくてはなりません。いろいろな政権が環境対策を進めていますが、私たち一人ひとりがよく勉強し、真に 地球に優しい正直な行動変容で新しい生活様式を考える時期は来ていると、改めてこの記事から実感させられた次第です。皆さまはいかがお考えですか?

?? 森林由来クレジットとは、
森林の温室化ガス吸収効果を重さに換算して売買できるようにしたカーボンクレジット発行事業は主に植林と森林保護のケースがある。放置すれば乱開発される恐れがある森林を保護すれば、将来の温室化ガス吸収量を維持できるため、伐採が進む森林の吸収量との差をクレジットとして発行する。乱開発リスクがない森林を保護してもクレジットは原則生まれない。(日経新聞)