記事一覧

一票の格差

2022.06.21

アイコン

区割り審 衆院小選挙区改定案 勧告

またまた後読み情報で恐縮です。17日の日経新聞、埼玉新聞より。この件については、15日には読売新聞が先んじて報じていましたが、17日は日経新聞、埼玉新聞がより詳しく報じていました。

埼玉県は1増で16議席となる区割り案が示されています。この改正が法制化された場合、私たち選挙民にどのような変化があるのかないのかは分かりませんが、幸手市も渦中にあることから、改めてこの改定案をみておきたいと思います。

さて、衆議院選挙でなぜ、区割りが変更となるのか。現在、全国には289の小選挙区があり、今回の改正案ではその区割りの半分近くが変更になるそうです。理由として挙げられているのは「一票の格差」です。「一票の格差」をめぐって最高裁は09年、12年、14年の衆院選を3回連続で「違憲状態」と判断。いずれの選挙も1票の格差が2倍以上だったという。区割り審は、今回の改定案作成にあたって2倍以上にならないことを基本とし、行政区画や交通といった事情も考慮。その結果、現在の区割りで格差2倍以上の選挙区が23区あったが、今回の改正で解消されることになるようです。

ただ、自民党内には10増10減をめぐり、都市部への議席偏在を疑問視する声も強く、改定案の法制化には曲折も予想されると両新聞。さらに、日経新聞は、今回の勧告と同じ方式で配分を続けると、人口流入する都市部で増え地方で減る傾向が強まると試算しています。国立社会保障人口問題研究所の将来人口推計に基づくと、2040年は現行の区割りから16増16減となり、増加幅は東京が8、神奈川3、愛知は2、埼玉、千葉、福岡が各1増になるそうです。首都圏の定数が増え都市部への集中が加速する。人口比に沿った区割り変更で民主主義の根幹である投票価値の平等を支える意義がある、と新聞はまとめていますが、皆様はどうお感じでしょうか。

もし、人口比に沿った区割りで合憲を目指すなら、私は、人口の偏在の是正は両輪ではと考えます。区割り審は区割りを合憲とすることが使命ですから、このような改定案が出されるのは仕方ないかも知れませんが、都市部への人口集中の是非を議論するのは政治の役割だと思うのです。

今般のコロナ禍により、大都市は集中する人口に対して安全や安心を提供できているかが炙り出されました。また、大地震も同じです。東京はじめ大都市が被災したら日本は停滞です。さらに、電力にしろ、食料にしろ、木材にしろ、都市部はその多くを地方の生産者に支えられています。その地方の支え手を減少させたまま、一票の格差のみを論じることに私は疑問を感じます。埼玉県は1増だからいいじゃないか、とは行かない。万遍に人が住める国づくり。これは少子化も含め、国の最大の課題です。

同じ埼玉県でも人口の流入が続いている市町と人口流出が止まらない市町村はあり。二地域居住なども奨励されていますが、これはいわゆる「別荘」と同じで、地方の土地利用や経済などには影響すれど、住民票の移動がなければ投票権は居住地に残ります。選挙権と地域経済の活性化とは別の話しで、人口のみを基準にした平等で本当に事は足るのか。国会議員の先生方には国民生活のありよう、エネルギーや食料安全保障の観点も加味して、この改正案を議論していただきたいと思います。

さて、1増が示されている埼玉県。改正案では幸手市も区割りが変更になります。埼玉新聞をみると、これまで「14区」とされていた幸手市を含む選挙区は13区と14区と16区に分断されるようです。
新しい区割りは、
13区=久喜市、蓮田市、幸手市、白岡市、北足立郡、南埼玉郡、北葛飾郡(杉戸町)
14区=草加市、八潮市、三郷市
16区=さいたま市岩槻区、春日部市、吉川市、北葛飾郡(松伏町)

♥どんなことも“変わる“というのは大変なことです。しかし、これを“化学変化“の起爆剤として、新しい日本をカタチ作る。国会議員の先生方には、今回の改正案を契機に、改めて、都市間の人口偏在問題も含めて、区割りについて議論をしていただきたいですし、私も今後の議論を注目していきたいと思う次第です。