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3常任委員会合同行政視察で三条市、見附市に行ってきました
10月5日、6日は、常任委員会として、3年ぶりの宿泊を伴う合同行政視察を実施。バスで新潟県の2つの市にお邪魔してきました。雨、曇りの寒い2日間となりましたが、それぞれの市の先進的な取り組みを丁寧に説明いただき、有意義な視察となりました。以下はご報告です。
【三条市】
○廃校活用の取り組みについて(三条ものづくり学校)
今回の視察の主眼は「廃校活用」ノウハウの研修でした。幸手市でもこれまで統廃合で廃止となった学校施設が4校あり、東小学校➡︎日本保健医療大学に貸与、栄第一小学校➡︎売却、解体して住宅地として開発、栄中学校➡︎解体して東埼玉総合病院に土地貸与、香日向小学校➡︎幸手看護専門学校に貸与して現在に至っていますが、今後は市内小中学校の適正配置により廃止となる学校施設の出現も想定されることから視察のテーマを決めたものです。
三条市は、平成17年に旧三条市と2町村が合併して誕生。新潟県のほぼ中央に位置し、上越新幹線や北陸自動車道などのほか、交通網が集中する要衝です。市面積は431.97㎢、人口94,000人超で、産業構造としてはものつくりの盛んなまちです。しかし、三条市の課題の1つとして、製造業は従業者数が20人未満の小規模・零細企業の占める割合が69%と非常に高く、ハローワーク三条エリアの求人倍率を見ると、人材を求める動きは高いながら製造現場の人手不足が深刻になっていること、また、三条地域における若者層の流出が著しいなど、幸手市と同様の人口問題があり。そこで市の産業振興政策として、国内、海外販路の拡大や、古来から積み重ねられた鍛治職人の技の多様性、多様な加工技術を持つ企業の集積で多様な製品群の製造が可能となっている強みを活かしながら、"価格決定力の確保"という目標に向け、各種支援を展開しているとの職員さんの説明でした。
今回、視察した「三条市ものづくり学校」は、戦略的な小中一貫教育推進により廃校となった小学校をリノベーション。新たな価値創造をテーマとして、外部起業家集団によるスタートアップ支援、起業家人材育成を目指すプロジェクトです。平成25年から検討をはじめ、校舎改修費4.5億円をかけて施設を改修。平成27年度より、民間の株式会社ものづくり学校を指定管理者に指定し、年間約2600千円の指定管理料と指定管理者による貸オフィス、地域コミュニティへの貸館収入約1000万円で施設が運営されているとのお話しでした。
因みに、三条市では平成3年4月、三条市立大学を開校。工学知識と技術➕想像力➕テクノロジ・マネジメント能力を備えたテクノロジスト人材の育成に取り組むなど、教育分野を巻き込んだ産業政策が重層的かつ果敢に進められています。
なお、三条市の令和4年度一般会計規模は、461.4億円。市税収入122.9億円、地方交付税は109.5億円、市債発行45.6億円。歳出の商工費18.1億円、土木費48億円。維持補修費は13.2億円。投資的経費は30.1億円、公債費は94億円と、幸手市比ビッグサイズです。
♥ 幸手市でも今後、市内小中学校の適正配置の観点から、廃止となる学校施設の発現が想定されます。また、幸手市の公共施設は今後、40年かけて現在の床面積の30%削減が目標とされていることから、どの公共施設をどう継続使用していくか、今後、十分吟味をしていく必要があります。今回、三条市さんで学んだことも参考に、より良い幸手市の将来のあり方を皆さまと考えて行きたいと考えます。
♥♥長くなりますので次号で見附市さんの視察を取り上げます。