記事一覧

全国民生委員1万5千人 欠員

2023.01.15

アイコン

民生委員の実態 定数約24万人に対し欠員1万5千人 なり手不足深刻化にどう対応するか

昨日の埼玉新聞。一面に民生委員のなり手不足が戦後最多となったと報じていました。

改めて民生委員とは。埼玉新聞によると
『1917年に岡山県で誕生した「済世顧問制度」が始まりで、戦後の1946年に現在の名称になった。厚労相が委嘱する非常勤の特別職地方公務員で守秘義務がある。定年退職した人や専業主婦らが努めていることが多い。独居高齢者や障害者、ひとり親世帯を訪問したり相談に乗って支援機関に繋いだりする』
役割を担う方たちです。住民の身近な見守り役として、課題を抱えた地域住民の相談に乗ったり訪問したりしながら、行政や福祉サービスに橋渡しする。町内会等が住民から候補者を選び都道府県知事等の推薦に基づき厚労相が委嘱します。任期は3年ごとに12月1日に改選されます。再任も可能です。

改めて、制度の歴史を見てみると、岡山県で済世顧問制度が始まった1917年(大正6年)は、第一次世界大戦が始まった年でした。当時の日本は、第一次世界大戦に参戦、勝利国となり、さらなる近代化路線を歩むこととなるも、産業の振興を優先した結果、国民の生活は不安定になり生活困窮者が増加。多くの都市労働者は劣悪な労働環境のもと厳しい生活を強いられるようになった。このような時期に始まった制度です。そして、1946年は太平洋戦争終戦から1年。時代と共に国民生活の困難さは変化していますが、今も昔も地域で生活をする住民同士の支え合いが遠方の親族と同じくらい大切なことは変わりません。

因みに、幸手市報1月号に幸手市の民生委員・児童委員さんの名簿が掲載されていましたね。当市の民生委員定数は81地区81人。うち、12月末現在でまだなり手が決まらず調整中となっているのは12地区12名。充足率は約74%。新聞によると、12月改選時の全国の充足率平均は93.7%。都道府県別(政令指定都市と中核市は除く)に見ると、充足率が最も低いのは沖縄県で74.4%。東京都88%、大阪府89.6%。埼玉県は90.5%で、最高は富山県の99.8%だそうです。単純に数値だけを比較をすれば、ちょっと衝撃的な状況です。

もちろん、民生委員さんの充足率だけが地域の見守り指数ではありませんし、今後の引き受け手の出現が未知数な中で拙速な判断は禁物ですが、しかし、地域の担い手の高齢化、働くシニア層の増加、専業主婦の減少は20年前から指摘されていたことであり。今、幸手市が全国最低レベルまで充足率が落ち込んでいる現状や背景はやはり検証が必要です。私も議員になる前の6年間、民生委員を努めさせていただきましたが、充足率は今より高かったと記憶しますし、今回の低い充足率を制度運用を考えるきっかけにしなければと感じる次第です。

♥困ったことを口にできる相手がいる。問題を抱えた方を孤立させない。そんな地域の見守り人材の必要性は時代を超えて普遍です。今まだ調整中となっている地域にお住まいの方で民生委員にご協力をいただける方がおられましたら、是非、社会福祉課にご連絡を。皆んなで住み良い地域を作って行きましょう。よろしくお願いいたします✨