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勉強会の様子

2023.11.21
報告 地域の小さな勉強会  

先日来、ご連絡していた地域の小さな勉強会。11月18日、開催いたしました。「自治体庁舎建設の今様」をテーマに副題は〜共に築く未来 新庁舎建設における住民の役割〜。講師の豊かな現場経験に裏打ちされた興味深いお話しをたくさんお聞きすることができました。
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地方交付税の算定に使われる指標に「財政力指数」があります。この財政力指数が1を超えると、国が地方交付税で補てんする必要のない財政で自立した自治体ということになります。
全国でこの財政力指数が1を上回るのは約1割。9割の自治体が財政力指数1を切る=融通の効く予算を持たない。さらに、地方自治法で規定された自治体のシステム(公会計/単式簿記)が複雑(款・項・目・節・細)かつフレキシビリティがないため、弾力的な政策が打ち出せない課題を負っている。
そして、東京都や政令指定都市など以外に建築の専門職(技師)を置く自治体もほとんどなく、そのような中で、どの自治体も施設の統廃合には地域住民の反対が予測され、積極的な解決は行われていない。
このような全国の自治体に共通した課題のお話しから始まり、これからのまちづくりの課題は、
①成長社会のスクラップ&ビルドからより長く施設を持たせること(長寿命化)が重要になってきた
②公共施設の全数を維持することが困難になってくるため統廃合を実施せざるをえなくなってくる
③施設の統廃合に直面すると地域住民、議員、議会、商工会等様々なステークホルダー(利害の異なる関係者)との調整を余儀なくされる

➡️机上の理論は形式上の市民ワークショップ市民アンケート等では課題の解決が図れない
➡️課題の本質に向き合わないといけない
➡️これがまでの成長社会でのまちづくり(建設中心)とこれからのまちづくり(維持管理中心)は異なってきているため、根本的な課題の解決方法を考えていかなければいけない
➡️新庁舎建設は単に建物を建てること以上に、コミュニティの再形成、持続可能な未来への道を築き、地域社会を強化する機会 だと。

そして、それを達成するには、やりたいことだけの足し算ではなく、また、関係者を巻き込む際はメリットだけでなく制約要件、予算等も提示する。すると答えが変わってくると。
民間、他の自治体のお仕事も数多く請け負う講師の、行政の立場も市民の立場も知り尽くした現場の体験を通した見識がたくさん示されました。正に御意です。

参加下さった皆さまからも講師のお話しに賞賛のお声をたくさんいただきました。休日の午後、お忙しい中ご参加下さった皆さまありがとうございました。機会を見て、またテーマを変えてこの勉強会を続けて行く予定です。その節はご案内いたします。
次回は是非、皆さまもご一緒に。