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続々 令和7年度予算要望

2024.11.04

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前号の続きです

🔸教育投資について
デジタル教科書導入に伴い、現場からは電子黒板の配備拡充 を求める声が聞こえています。また、学校図書室は狭いスペース、古い蔵書の刷新など先生の司書兼務ではできる改善は限られます。「知の拠点」としての再整備 が必要です。学校図書室のミニ図書館化は未来投資として検討願いたい。また、ソフト面では、幸手市では、中学で学力が伸び悩む課題が続いています。現在、小学3〜6年生の希望者には、学力向上の張り出し的事業として「アフタースクール」を実施していますが、「中学での自学自習力の育成」 の課題は深刻です。「自学自習力」は人生の基盤となる力であり、年間約1千万円をかける事業ですから、市長部局として、自学自習力の育成にターゲットを絞ってさらに効果的な制度運用を求めてはどうかと提言しました。
最後に、教育投資の財源については、これは判断の分かれるところですが、特に、市長公約の給食費無償化は時代の趨勢ながら、子育て世代の負担軽減のための費用は教育費にあらず。私としましては、教育費は教育費として教育環境整備費に優先配分する 方が良いのではと伝えました。
尚、幸手市では、給食費は収入に関係なく第二子から無償で、就学援助や生活保護受給者にも補助が講じられ、多くのご家庭がカバーされています。

🔸高齢者が安心して住める環境整備について
ワンストップ・シルバーサポートセンターの設置検討を要望しました。
幸手市の65歳以上健康長寿の目標は、男性20年、女性22年です。また、65歳要介護期間は男性1.46年、女性3.36年です。65歳から介護保険利用まで約20年。この間に抱える問題も不安も多様化します。いろいろな相談窓口はありますが、そもそもどこに相談したら良いかわからない。そのような時に、まずは何に困っているのかを相談できる高齢者の総合的な相談窓口 として「ワンストップ・シルバーサポートセンター」(仮称)の設置を提案しました。センターの仕事は、高齢者と様々な制度や活動団体などをマッチングして繋ぐ こと。再任用職員等の配置ができれば信頼性が高く住民も安心です。

🔸新公共交通網形成 循環バスの利用対象・ルートの見直し拡充について
現在、幸手市では次期循環バスの契約更新に向け、「公共交通の在り方検討審議会」が設置され、現在の循環バスの見直しを含めた公共交通網形成の議論が進められています。私は、新循環バスは通勤・通学者も利用対象に含める ことを検討すべきと考えます。具体的には幸手駅、杉戸高野台駅、東鷲宮駅へのルート追加と朝夕便の増便 です。
幸手市では、循環バスを必要とする人は高齢者に限らず。誰のためにどんなサービスを提供できるのか。通勤通学者も利用対象とする事は、通勤通学者のいるご家庭の移住を後押し、空き家の円滑なローテーションにもつながります。学生や通勤者には定期券を発行 し、会社等の交通費支給の対象とする。

高齢者については、受益者負担の考えからは逸脱しますが、空で運行しても満員で運行しても経費が同じという前提に立って、「シルバー無料パス」 で利用促進を検討してはどうかと提案しました。乗降客数を増加させることが難しい。しかし明らかに公共交通を必要とする人が増える。このジレンマを解消して公共交通の市民満足度を向上させる。無料の対象は、75歳以上、免許を持たない方、運転免許証返納者、障がい者等。
65歳健康寿命は先に述べたように約20年、介護期間は女性で約4年、男性で約2年です。多くの方は免許返納まで自家用車を使われますので、無料となってもバスの台数を増やすほど対象者が劇的に増える事はないと思われます。循環バスの令和5年度1年間の運賃収入は3,472,100円で、収支率は約8%です。受益者負担は基本ながら、無料キャンペーン期間は利用者が増えていることを鑑みるとシルバーパスは利用促進の可能性は高い。駅へのルート追加と朝夕便の増便&高齢者の無料パスによる政策効果を分析検証 してみる価値はあるかと考えます。

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