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カレー物価

2025.04.27

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カレー物価」 実感はいかに

皆さんはカレー物価という言葉をご存知ですか。不勉強で恐縮ですが、私は新聞でこの言葉を初めて知りました。

カレー物価とは、カレーライスを家庭で調理する際の一食当たりの費用を試算するもので、帝国データバンクが算出しているものだそうです。その、カレー物価の上昇が止まらないとある新聞が取り上げていました。

データによると、2月は前年同月と比べ88円高い407円になったと。2021年ごろまでは270円前後で推移していたということで、最近のコメや野菜の価格高騰が要因だとしています。

2月の内訳は、ご飯が77円高の169円。
具材は11円高の209円。
ルーは25円、水道光熱費は4円でいずれも横ばい。

皆さんの実感はいかがでしょうか。確かに、モノの値段は上がっています。いろいろな要因で家計負担が大きくなっているのは確かです。しかし、日本は長年のデフレを負の経済政策とし、インフレとなるよう最低賃金や給与を上げてきた経緯があることは全く触れられていない。このバランスの悪さが気になる情報です。

思い出してみると、これまでのデフレ時は仕事の効率化で対応できない分を賃金カットや人件費の低価なところへの外注で補ってきた。労働者への配分を少なくして"安値"合戦をして来た経緯があります。その時は、メディアも一斉にインフレ期待を記事にしていました。
そして、政府も、その悪循環を断つために賃金を上げるための賃金上昇政策を労働組合と共に企図してきた。もちろん、簡単に全職種が一斉に賃金が上昇するというのは難しいと思いますし、タイムラグもある。恩恵に与れない職種もあるでしょう。故に、政府は物価高騰対策として低所得の方に対して臨時給付などを行っています。

そのような政策的な検証を抜きに、ただ「物価高騰」として上がった数字を示すのは、いささかバランスが悪い報道だと私は感じます。

確かに物価上昇には良い上昇と悪い上昇があると思います。便乗値上げや賃金に反映しない物価(ただし、企業の将来投資は別)なのか、など、私たちが現状や世の中を知るに本当に必要な情報として、特に新聞にはもっと深掘りした情報を提供されることを期待したいと思う次第です。

♥世の中は複雑過ぎて、全てを知ることはできませんが、料理も情報も良質な素材の選択から。私も14年、主婦時代には見えなかった情報に触れる機会をいただきました。その経験から感じる今日の雑感でした。皆さまはいかがお考えでしょう。