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備忘録方 深掘り 年収の壁引き上げ
高市首相と国民民主玉木代表は18日、所得税が生じる「年収の壁」を現行の160万円から178万円まで引き上げることに合意。物価高対策の減税を中間層に拡大し、納税者の8割に恩恵があるようにした、との新聞記事より。
与党は19日に決める26年度税制改正大綱に反映させる方針とのことで、首相は合意に対し「所得を増やして消費マインドを改善し、事業収益が上がるという好循環を実現するために最終的な判断を下した」と強調。
給与表で天引きされている税を詳しく知っている方は若しかしたら少ないかも知れません。私も含めて。税制のひだは深く、どこでどんな根っこが絡んでいるかはなかなか把握しにくいです。しかし、納税者の8割に恩恵がある税制は一度しっかり詳細を知る必要がありますね。改めて、私なりに勉強し少し?一気に?まとめてみたいと思いますよ。ついて来てくださいね。
【まず、所得税とは】
所得税とは、個人が1年間に得た「所得」に対して国が課す税金です。日本の税制の中核をなす税で、担税力(支払能力)に応じて負担する仕組みになっています。
ポイントは「収入」ではなく所得です。
所得 = 収入 − 必要経費 会社員の場合は経費の代わりに給与所得控除が自動的に差し引かれます。所得税の最大の特徴は累進課税です。
課税所税 税率
195万円以下 5%
195~330万円 10%
330~695万円 20%
695~900万円 23%
900~1,800万円 33%
1,800~4,000万円40%
4,000万円超 45%
※「所得全体に高税率がかかる」わけではなく、超えた部分だけに高い税率がかかります。
【控除の仕組み】
所得税はさまざまな控除で調整されます。
主な控除
・基礎控除
・配偶者控除・配偶者特別控除
・扶養控除
・社会保険料控除
・医療費控除
・生命保険料控除
・寄附金控除(ふるさと納税など)
▶ 控除が多いほど、課税所得が減り税額が下がる仕組みです。
【この度の年収の壁引き上げイメージとは】
現行 基礎控除58万円
➕基礎控除特例37万円
➕給与所得控除の最低額65万円=160万円
引き上げ 基礎控除65万円
➕基礎控除特例42万円
➕給与所得控除の最低額69万円= 178万円
幅広い国民に適用される「基礎控除」と、会社員やアルバイトらの経費に当たる「給与所得控除」の2種類の非課税枠を足し合わせて算出されます。生活に最低限必要な所得には課税すべきではないとの観点から控除枠が設けられています。
【年収の壁が178万円になるとどんな恩恵が想定されるのか】
年収475万円から665万円の人→基礎控除が大きく引き上げられるため、減税額が大きい。シンクタンク調べでは年収500万〜600万円程度の中間層では約3万円前後の減税になる見込みとか。
単身世帯や共稼ぎ家庭の夫や妻(子供はいないか中学生以下)で本人の年収が600万円の場合、現行制度と比べて1人当たり3万7千円の減税となり、500万円では2万8千円の効果があるそうです。
年収200万円では給与所得控除も増額され、負担は1万円軽減される。
年収300万円では8千円、
年収800万円や1千万円でも8千円軽くなる見込み(大和総研試算)
さて、年収の壁引き上げで人手不足の緩和が期待されるところ、所得税の課税最低限が178万円に引き上げられても一定額から住民税が課せられるため、働き控えにつながる可能性もあるとして、効果は限定的とする他のシンクタンクエコノミストも。
いやはや、難しいですね。
因みに、住民税と所得税の違いは、
項目 所得税 住民税
課税主体 国 都道府県・市町村
税率 累進 原則一律10%
課税時期 当年 翌年
です。
また、年収の壁との双璧の社会保険の壁をそのままにして働き控えは抑制されるのかという問題も残りますね。
106万円(一定規模の企業で社会保険加入)
130万円(扶養から外れる)
例(概算)
年収130万円 → 保険料ゼロ
年収131万円 → 年20万円前後の負担
👉1万円多く働いたら、手取りが大きく減る
=合理的に「働かない選択」を生む。
こんなことも国民実感として気になるところです。
年収の壁引き上げは、短期的には社会保障費の財源を圧迫するが、中長期では“支える人”を増やし、制度を持続可能にする。特に重要なのは
👉 税の壁より、社会保険の壁の設計
106万円・130万円をどう一本化すべきか
第3号被保険者制度の扱い
自治体財政(国保・介護)への影響
などなど、年収の壁だけでなく、芋づる式に社会保険の壁など考えるべき次のステップもでてきますね🤔
♥税制については、これ以外にも年末調整や確定申告によって税の追加、及び還付という制度も。しかしここではこれ以上の勉強には進みません。もうお腹一杯ですよね😆😆また、今回の税制改革には26年から2年間限定で、給与所得控除の最低額を5万円、基礎控除は年収665万円を上限に年収によって5万円〜32万円をそれぞれ引き上げるというオマケも付くようで、ますます複雑です。これ以上は、ご自分の年収を見ながら、最善の働き方は個人の選択ということで。関心のある方は上記のキーワードから勉強をしてみてください。
♥♥一気にまとめました。2時間半かかりました😆
もし、間違っていたら🙇♀️