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「幸手市橋梁長寿命化修繕計画」が示されました
先日27日の議員全員協議会(全協:議会会期前に開催され、議案配布、各種報告などがなされる会議)で建設経済部より「幸手市橋梁長寿命化計画」の概要が報告されましたので皆さまにお知らせをいたします。
近年は異常気象の多発、東日本大震災以降の大地震予測に加え、インフラ施設の耐震化・老朽化など、国民・市民生活の安心や安全への備えが急務となっています。特に高度経済成長時代に建設され、老朽化が進行する道路網の整備は、今や全国的な行政課題となっています。表記の「橋梁長寿命化計画」は、現在、全国では51%、埼玉県内では17%の自治体で策定済み。幸手市でも昨年度に点検が終了し、今後はこの計画に沿って事業期間10年、50年の長期計画として橋の修繕が進められていきます。
近年の傾向として、公共施設は「とことん使って建て替える=スクラップ&ビルド」という従来の考え方から、「予防的に修繕をして施設の延命化と恒久性を確保する」方向へと方針が転換されてきています。この計画でもその方針で管理していくことになり、「維持・補修にかかるトータルコストの縮減」や「財政負担の将来にわたる世代間の負担平準化」も重要な目的とされています。確かに、計画の中に記載されている試算によると、従来型の管理では50年間で72億円かかる費用が、この計画で長寿命化しながら修繕していくと23億円で済むという。なんと、52億円もコストが圧縮されるとなっています。思わず「ほんまかいな~」と思ってみたりしますが、専門家の試算ですから間違いないでしょう・・・。
幸手市が管理している橋は現在、196橋あります。そのうち、建設後50年が経過した橋は約12%(24橋)で、20年後にはこの割合が約76%(150橋)となり、急速に老朽化が進行します。特に、市の中央部を横断して流れる中川に架かる5つの橋はどれもたいへん古く、また、崩落すると市民生活への多大な影響(集落の孤立化など)が懸念されることから、修繕計画では「緊急度・重要度」の高い橋となっています。3月議会では地元の皆さまから「早期架け替えを望む陳情書」が提出されておりました。これら5橋については地元でのご説明を行い、一部架け替えも含め、早急に工事に着手していく予定となっています。
その他の191の橋梁も、昨年度の全橋点検の結果をもとに様々な指標を加えて「緊急度」と「重要度」がランキングされ、来年度(H26)から修繕費として毎年4000万円程度の事業費をかけて順次、工事が行われていきます。また、5年ごとに計画の見直し(ローリング)を行うことで、より無駄のない管理を進めていくとのことでした。
この計画の詳細情報は、地元の皆さまへの説明が終った後に、市のホームページに掲載される予定です。なお、この計画で対象の橋梁は、幸手市が管理する道路橋(車が走行する道路)で、国道や県道、その他の主体が管理するものは含まれません。