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未来のニッポン リニア新幹線

2013.08.29

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JR東海 リニア新幹線試験走行


 先ほど、7時のNHKニュースで、JR東海が「リニア新幹線」の試験走行を再開し、最高速度503㎞/hを記録したと報道していました。約40㎞を10分程度で走り抜けたそうです。成功すれば東京から大阪間まで1時間10分で到着するという”夢の新幹線”が誕生します。営業運転は平成38年(たしか)くらいになるとか。それまで実験を続けていくということ。
 私も東海道新幹線は年に2度程度利用しています。運賃がバカになりません。でも、運賃の中にこのような新技術の開発費も含んでいるのでしょうから、多少の負担は仕方ないな、頑張ってくださいという気になりますね。

 一方、昨日は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新型ロケット「イプシロン」が発射直前に打ち上げ中止に。「イプシロン」はロケットそのものがコンピューターで自動制御される新機能を搭載しているのだとか。これも技術の粋を極めた”科学の夢”ですよね。
 
 そんな華やかな技術革新の一方で気になるのは原発です。原子力発電にも輝かしい幕開けの時期はありました。しかし、幕開けから約50年。福島原発の事故で今やお荷物的存在となり、携わる技術者は「事故収束」「廃炉」という負の技術革新に臨んでいくことに。将来を見通せない暗黒の技術と化した今、しかし、投げ出すことはできません。原子力に携わる技術者の皆さんには長く苦しい忍耐が続くことになります。粘り強く取り組んでくださる技術者の方のお気持ちを考えると辛くなります。

 皆さんはジブリ映画「風立ちぬ」ご覧になりましたか?ゼロ戦の制作に打ち込んだ民間飛行機会社の技術者(主人公)が「美しい飛行機を作りたい」という一念で作った飛行機が、政治によって戦争に使われた。
 技術に罪はありません。その技術をどう使うか。これが政治なのです。政治の責任は重いです。映画の主人公に、記者対応をしている東電のスポークスマンの姿が重なって、涙が出ました。科学者をボロボロに扱う国に発展なし。
 
 リニア新幹線の試験走行をを見学した小学生が「とても早かった」と目を輝かせていました。「イプシロン」打ち上げ中止では発射の瞬間をこの目で見ようと、現地でカウントダウンをした小学生たちがインタビューで、無念さをにじませながらも次の打ち上げに期待する旨を答えていました。今の子どもたちが大人になる頃にはどんな世の中になっているのでしょうね。