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フィリピンの台風被害、その後

2013.11.15

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支援阻む、治安悪化

 超大型台風がフィリピンを直撃してから1週間。被災地は治安が悪化し、略奪やレイプなど、殺気立った状況下にあることが伝えられています。

 支援物資や援助の手がそこまで届いているのに、治安の悪化で地元まで届けることができない。政府と地元の確執といった特殊な事情もあるようですが、混迷を極めている状況であることは確かなようです。日本にもフィリピンを故郷とする方が多く住んでいらっしゃいます。在比のお身内をお持ちの皆さまのご心労、ご心配お察しいたします。

 災害などが起こると人心が殺気立つのは一面、仕方ないことです。そのようなときに比較的冷静に行動する日本人がよく比較されますが、心中を察するに、本来、同じような思いをお持ちになっていて当然なのです。

 しかし、同じ心理状態に置かれながら、なぜ、違う行動が生まれるのか。日本には何があって、何がないのか。災害政策を考える政治や行政は、さまざまな状況を科学的に究明し、どんなときも国民・住民が冷静な行動をとれるような文化、環境、システムを平常時から構築する。これが災害対策の大きな方向性だろうと思います。
 科学的に、というと冷徹な響きがありますが、科学的な根拠なくしての施策はつづら折り、行き当たりばったりとなり、「浪費・ムダ」を生みます。

 被災されたフィリピンの方々が早急に援助が受けられるよう、まずは政府によって治安が回復されることを祈ります。