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ワースト4

2013.11.15

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香日向小学校で行われたタウンミーティングのなかで

 先日、香日向地区の皆さまに、「香日向小学校住民説明会」が改めて開催されることを、議会活動報告書の「臨時号」としてご案内させていただきましたところ、掲載内容についてお問い合わせがありましたので、この場を使って皆さまにもご説明をさせていただきます(メールでのご質問たったのですが、なぜがご本人様宛に返信ができなくて、このような場でのご回答をご容赦ください)。

 さて、ご質問は先のタウンミーティングでの住民発言の一部を掲載したことについて。「『幸手市の財政状況は県内40市中ワースト4だ』と住民から発言があったようだが、数字の出自はどこか」という内容でした。改めて発言者に確認したところ「埼玉県市町村財政力指数を引用した」ということでしたので、少し詳しくお伝えしたいと思います。

 「財政力指数」とは、自治体の財政力を測る指数で、過去3か年の財政力の平均値です。幸手市がワースト4となったのはH24指数(H22~H24年度平均)で、秩父市、行田市、深谷市に次いでワースト4でした。これが、タウンミーティングで住民の方がおっしゃった「ワースト4」の根拠です。ちなみに、H25指数(H23~H25年度平均)では秩父市、行田市に次いでワースト3と悪化しています。詳しくは「埼玉県財政力指数一覧」と検索し、「市町村データ」をご参照ください。

 今回、ご質問をいただいて改めて”ワースト4”ということについて考えてみました。財政力指数が低いとはどういうことかというと、端的に言えば「税収が少ない」ということです。基準財政需要額(必要な自治体運営費用)に対して「地方交付税」を除いた収入額が不足しているということです。

 では、財政力指数が低いとどうなるか。国から「地方交付税」が投入されます。現在の国の交付税制度では、足らなければ足してもらえるのです。ですから、交付税がある限り、私たちの生活が急激に悪化したりすることはないでしょう。しかし、交付税とは、日本国民として最低限の、ナショナルミニマムのサービスが保障されるだけで、市独自の自主的、主体的な事業が十分にできる財源ではありません。

 市はこの状況をどう考えているのか。今まで、渡辺市長からこのことについて「自分の言葉」で語られたことは皆無ですね。市長なら、ご自分の実感として市民に訴えるべきですが、市の財政をどう改善していくといった言葉を聞いた記憶がありません。取りあえず、職員に聞いてみました。職員曰く「税収が少ないということです」と。「改善策は税収を上げること」。正しく…。「では、収入を増やすために市の施策をどう展開するか?」と議論しようと思ったら、今日はこれ以上時間が取れずに、ここまでの話しとなりました。

 幸手市はこれから産業団地の企業誘致が本格的に始まります。市では産業団地の企業誘致に大きな期待を寄せています。しかし、この誘致を成功させるもさせないも現市長の取り組み次第。工場誘致を生かしたまちづくりがいかにできるか。誘致するだけで左団扇になるほど甘くはありません。財政力指数の向上に、確かに産業団地の企業誘致は希望の星ではありますが、それを活かしていけるまちづくりを本気で考えていかなければならないのです。

 幸手市が置かれているワースト4。これから少子高齢化が進む中でサラリーマン世帯の減少と言うダブル、トリプルで税収の縮小方向にあるという”瀬戸際”であることは確かです。今回、ご質問をいただいて改めて危機感が胸に迫ってきました。
 日本全体が人口減少という中で、確かに難しい問題はありますが、しかし、少なくとも首都圏の端くれに位置する幸手市が、下落しててどうするのか。私ももっと勉強して、悪くも幸手市の現状がキープされるよう(向上するまでも下落しない)、市に提言していきたいと思います。

 ご質問いただき本当にありがとうございました。