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松田まさよ一般質問総括③
教育行政についての最後の質問です。
1.幸手市の教育行政について
3)図書館の指定管理者制度導入が検討されているが、図書館の持つ役割について教育長の見解を伺う。
来年度4月からの指定管理者制度の導入を目指して、手続きが進められている市立図書館。前回の3月議会で「幸手市立図書館設置条例の一部を改正する条例」が議案とされ、図書館に指定管理者制度を導入することが”できる”という改正案が可決されました。私も、公共施設への指定管理者制度導入は検討していく案件と考え、賛成しました。しかし、指定管理とする上で一番大事なことは、幸手市が図書館の役割をどう位置付けているかということです。そのことから今回、質問項目として選定しました。
<主な質問・答弁内容>
Q.地域の学習拠点である図書館は、子どもたちの学習だけでなく、大人の生涯学習にも欠かせない施設。現在、指定管理者制度の導入が検討されているが、図書館の担う役割について、教育長の考えを伺う。
A.図書館は生涯学習活動を進める重要拠点施設。幅広い資料の収集と提供、市民の学習支援、多様な情報を積極的に提供し、幼児から高齢者まで広く利用していただきたい。サービスでは、図書資料の閲覧・貸出や資料のレファレンス(情報提供)、子どもたちへの読書活動などを更に充実させていく。また、貸し出しでは香日向分館が今秋開館予定。新たな図書サービスも始まる。指定管理者を充分活かせるよう研究していきたい。
Q.市として管理を残しておきたいこと、学校図書室や市史編纂室との連携は今後どのように考えていくのか。
A.従来の市民サービスは維持、保持する。図書館と学校図書室、市史編纂室との連携については、学校とは、図書館見学や(現在も運用中の)インターネットを使った蔵書検索、必要な書物の収集で連携できると考える。また、行政的・文化的な資料の保存では、図書館と市史編纂室の仕切りは従来通りとし、貴重な幸手市民の資料の保存を進めていく。
Q.購入図書の選定は幸手市に残すべきではないか。
A.図書館担当は教育委員会に置くが、本の選定も含めて指定管理者が行うものとしている。
Q.指定管理者の選定は「公募式プロポーザル方式」を採用する考えに変わりはないか。「1社での随意契約」となることへの懸念は市民の中にもある。複数の応募者がなかった場合、どうするのか。
A.複数の応募があることを前提に進めているが、1社しか応募がなかった場合は「指定管理者検討委員会」(構成メンバー:副市長、各部長と教育委員会次長)で検討する。
など。私は、公立の図書館として、購入図書の選定には市もしっかりと関与していくべきと考えます。購入には指定管理者が持つルートを使った方が安価に購入できるというメリット(業者の)が生かされるかもしれませんが、本の選定については、市に留めることはできないのか。検討を深めるよう要望しました。
また、子育て中の市民から「授乳室」の設置を求める声があることを例として、公共施設として必要なサービスは指定管理者の提案を待つことなく、行政課題として整備をしておくよう求めました。もともと、指定管理者制度導入は、「今の図書館サービス」を向上させることにあるのです。「今のサービス」が高ければ高いほど、指定管理者に高いレベルの提案を求めることができます。
指定管理者制度は、TUTAYAの参入で全国的に有名になった佐賀県武雄市や、近隣では宮代町、八潮市など多くの図書館で導入が進められ、サービスが向上し市民の利用が高まったとされています。幸手市の場合、建物の古さや面積などの条件面で、指定管理者にとっての「魅力(事業展開・利益)」部分に見劣りがあることは否めません。そんな中で、どのような仕様書でどのような募集をしていくのか。何社の応募があるのか。事業者からの提案内容は。仮に1社でのプロポーザル(提案)方式でベストな選考となり得るのか…。
♥今回の答弁から”画期的な”何かが始まるという予感は感じられませんでしたが、指定管理者制度の導入が「人件費の削減」に止まらず、確実に着実に市民サービスの向上が図られ、利用者拡大につながるよう今後を注視していきたいと思います。
<指定管理者制度意向スケジュール(教育委員会)>
5月 募集要項、仕様書作成
6~7月 説明会開催、申請書受付、書類審査等→検討委員会に説明
8~10月 第1次審査、プレゼンテーション審査→候補者の内定
12月議会 指定管理候補者の議案審査→議決
H27.4月 指定管理者による運営