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整備すれどもすれども…

2014.09.14

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減らない待機児童

 あ、これは幸手市のことではありません。今日の朝日新聞から。

 認可保育所に入れない待機児童が4月1日時点で2万1371人。認可保育所の定員は前年より4万7千人分(2.0%)増えているが、利用希望も右肩上がりで、依然として高水準が続いている。保育環境が整備されたら「働らいてみよう」という女性も増えているようだ、という新聞の記事です。

 待機児童の約8割は0~2歳児です。しかも都市部が圧倒的。今、若いママたちは1年から1年6か月の育休での職場復帰を望んでいます。職場復帰まで2年も3年もかけていられない。子どもが1歳になる頃から保育所探しに必死です。今の若者世代は、そのような状況で、じーじやばーばをあてにできない人もたくさんいます。だからこそ、子どもと過ごす時間や機会は少なくても、若い働く親たちがしっかりと子どもを育てられるよう、世の中の仕組みを整えていくのは社会や自治体の責任だと思うのです。

 幸手市は昨年まで待機児童ゼロ、今年もゼロを更新中です。今後、厚労省によって潜在的待機児童の定義が決まるということで、その定義でみると幸手市の潜在ニーズはどうなるか。待機児童「ゼロ」ではいかなくなるかも知れませんね。本当の市民ニーズの掘り起こしはこれからです。

 そんな状況下、今議会に「子育て支援基金」の設置条例案と、昨年余ったお金の中から3億円をその基金に積むという補正予算が上程されています。「基金」とは目的のために積む自治体の貯金のようなものです。ハード面の財源確保と、「積極的に子育てをするまちというアピールができる」というのも基金設置の狙いの1つらしいですが、”子育て”の定義の説明も何か曖昧模糊としており、「このお金でこのようなサービスを充実させたい」という熱い思いも感じられず…。基金を作るだけでアピールするなら苦労はありません。

 市議会議員の中には「あれは市長の次の選挙用パフォーマンス」と言って憚らない人もあって、「さもありなん」と思わせてしまう所が現市長の人徳のなさということなのですが、しかし、これは笑い事ではなく、そ~んな「市長のパフォーマンス」でなんとかなるような「少子化問題」「人口問題」「子育て支援」ではありません。「引き寄せの法則」。一生懸命にやってこそ、結果は伴うのです。  
 多様な生き方が存在するようになり、特に、若者世代の雇用が細切れとなっている現在、誰もが”安心して家庭生活が営める”世の中にすることが子育て支援の原点であり、終着点です。市長には、本気で全庁あげて子育てサポート策を考えだし、本腰を入れて実行してもらいたいものです。
 
 さて、下の写真は今後、一旦プールした基金を使って新築移転が予定されている第2保育所の移転場所です。同じ栄団地、高台の東埼玉病院の南側にあります(前町田市政時代に、栄中を東埼玉病院に賃貸するにあたって確保されたもので、改めて前市長の機知を感じます)。第2保育所は新築移転のための設計業務が発注されている状況です。
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