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首都圏の安全・安心を守り続ける巨大地下放水路
さて、午前中の県政出前講座の後、午後は春日部市にある『首都圏外郭放水路』の見学へ。![]()
大雨のたびに浸水被害を繰り返してきた中川・綾瀬川流域。県政出前講座でも話がありましたが、私たちが住んでいる地域は、地盤が低く、水が溜まりやすい「皿」のような低平地で、急速に都市化が進展した地域です。
洪水被害を防ぐための河道整備や下水道整備が追いつかず、今後さらに都市化が進めば、過去とは比較できないほど甚大な被害を受ける恐れがあります。
そこで水害から地域を守るため、地域全体が一丸となって水害に強い街づくりを目指す「中川・綾瀬川総合治水対策」の大きな柱として期待され、整備されたのが『首都圏外郭放水路』なのです。
国道16号線の地底50mを流れる全長6.3㎞にもおよぶ世界最大級の地下放水路で、庄和排水機場に設置された第1立坑(たてこう)から東京湾に向かって左(西)に4つの河川に立坑が掘られています。その立坑に設置された取水口から雨水を取り込みます。
全体のイメージとしては、一番西端の大落古利根川(第5立坑)-幸松川(第4立坑)-倉松川・中川(第3立坑)-第18号水路(第2立坑)-庄和排水機場内にある第1立坑⇒江戸川に排水 となります。5つの立坑のうち、倉松川の第3立坑が一番取水量が多く設定されています。中川からは最大毎秒25?を、倉松川からは最大毎秒100?を取り込みます。
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さて、左写真の左のコンクリート施設が地下への入り口。芝生の奥はサッカー場で市民に貸し出しされています。右の写真、地下調整水槽には100段の階段を降ります。
首都圏外郭放水路は、日本が世界に誇る最先端の土木技術を結集し、平成5年3月に工事に着工、およそ13年の歳月をかけて平成18年6月完成した”地下の川です。地下の調圧水槽ははまるで巨大な”地下神殿”のようです。長さ177m、幅78m、高さ18mで、重さ50tの大きな柱59本が天井を支えます。地下神殿の”パルテノンぶり”が皆さまにお伝えできているでしょうか?
ちなみに、この施設の心臓の操作室は円卓が宇宙的?未来的?なフォルムを持つことから、「ウルトラマン」の撮影に使われたとか。確かに強さとは美しさを兼ね備えてこそ、と思わせる美しい操作室でした。![]()