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駅舎整備 国庫補助26%は予定の半分以下

2016.04.02

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平成28年度 社会資本整備総合交付金の交付決定

 昨日、4月1日付けで、国交省より、全国の「平成28年度 社会資本整備総合交付金の配分」が公表されました。

 全国の自治体が実施する建設事業は、それぞれの事業について計画を作成し、国庫補助(社会資本整備総合交付金等)を申請しながら事業を進めています。国庫補助金には交付基準があり、交付率も定められていますが、これはあくまでMAXの数値で、社会事情や全国の自治体の申請状況等が勘案され、最終的な交付額が決定されます。そして、それら様々な事情を判断して事業(事業規模や予算)を決めるのこそ、それぞれの自治体の首長の責任であり”執行権”です。執行権は絶大な権限です。

 今、幸手市が進めている幸手駅舎・自由通路整備事業もこの補助金55%を見込んで進めている事業です。そして、執行部が常に強気の発言を繰り返してきたこの補助金の配分率が昨年は23%でした。そして、今年度も昨年同様、予定の半分に満たない26%となることが昨日判明しました。
 昨年度は予算ショートを駅舎事業の繰り延べ、さらには土地区画整理事業でも繰り延べるなどして凌ぎましたが、配分率が2年連続で低率となれば、それはトレンドと考え、財政計画の見直しも含め、事業を再検討する局面と言えるのではないでしょうか。今後も国費が低配分率で推移し、このままの事業規模で進めていくなら、5年で10億円も市費負担が増える試算です。
 新年度予算でも「市長・執行部ができるというのだからやれ」という声もありましたが、国庫補助金に関しては当初の危惧が現実問題として突きつけられています。駅の東西を結ぶ自由通路や西口開設が必要な事業であればこそ、機能重視で事業費の圧縮などの手立てが必要との警鐘も鳴らしているのです。事業を大事に進めていただきたいのです。

 駅の東西を結ぶ自由通路は土地区画整理事業とセットとなる必要な事業でありますが、しかし、5年で10億円もの負担増に幸手市は耐えられるのか。事業費の圧縮等を再検討し、市費投入を抑える努力が市長には求められるのではないでしょうか。

 ただ「やる、やる。やりたい」だけでは済まされない。当初の予定を超えて5年で10億円の市費を、しかも一般財源で余分に投入するということは、今後、やるべき事業に予算がつかないなど、他の事業にも見えない形で影響を及ぼすことを懸念します。今でも何かと「予算がない」との口上で市民要望に応えられないことも多いのです。

 この配分を見て市長の判断はいかに。4月の人事異動で担当部長が代わり、どんな判断がなされるのか。財政当局の考えは・・・。

 建設経済常任委員会では、社会資本整備交付金配分の公表後から6月議会までの間に、この件について所管事務調査をすることを決めています。議員有志の中には勉強会を持とうという動きも。この事業を進めていくことを前提にするならば、少し時期が延びても、再度財政計画を立て直し、見直すものは見直していく。市長にしかできない政治判断です。その英断ができるかどうか。市長の判断がいつどのようなかたちで市民の皆さまに伝えられるのか分かりませんが、”最良の解”の在りようについて、我々も勉強しながら待ちたいと思います。

 予定していた事業費内訳(概算)
  橋上駅舎化及び自由通路事業費 28億4500万円(協定金額)
        うち、国庫支出金 13億1100万円
           地方債発行  9億6600万円
           東武鉄道     6000万円
           一般財源   5億 800万円

 今年度国庫補助金配分率で推移すると  ?
    〃     28億4500万円(協定金額) 
    国庫支出金  7億4000万円(▲5億7100万円)
    地方債発行  5億4500万円(▲4億2100万円)
    一般財源  15億円     (9億9200万円増)