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アジアで干ばつ猛威

2016.05.24

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農業のできる国 日本は農業を大切に

 今日、3本目の書き込みです。ムラがあって申し訳ございませんが、どうしても皆さまと共有したい話題があると書き込んでしまいます。お許しを。ということで、昨日の日経新聞夕刊一面、「アジアで干ばつ猛威 農産物減産 経済に逆風」を取り上げて考えてみたいと思います。

 記事によると、アジアやオセアニアで干ばつが猛威を振るい、農産物の減産が広がっているということ。ベトナムではコメの生産量が減り、オーストラリアでも小麦生産量が約3割減る見通し。ベトナム南部ではメコン川が干上がり、海水が逆流。メコンデルタ周辺の農業用地約170万ヘクタールのうち、41%に当たる約70万ヘクタールに塩害が広がっているそうです。また、オーストラリアやニュージーランドの畜産農家は餌の牧草が不足し、牛や羊を前倒しで処分しているという状況が報じられています。

 干ばつの原因は南米沖の海域の水温が上昇する「エルニーニョ現象」です。コメや小麦は在庫が十分あるため、今のところ国際価格は減産の形状は出ていないが、米海洋大気局(NOAA)はエルニーニョが北半球の夏ごろまでに収束するとの見方を示している。ただ、農業生産はすぐには回復しないと見られているということでした。

 さて、この記事を読んで皆さんはどうお感じですか。今、日本では、「農地集約」が農業政策として打ち出されています。背景には、国際競争力の強化とともに、農業経営者の高齢化や後継者不足という問題があります。その反面、日本の農業、特にコメは生産技術により、収穫高は高く、しかし、消費が縮小していることで、消費を上回る収穫=コメ余りが問題となっている現状があります。

 実に勿体ない状況と思われませんか。今日、私が訴えたいのは、雨が降り、四季があり、様々な作物がとれる日本は、世界の食糧基地としての本領をもっと戦略的に発揮すべきではないかという事です。日本ではいくら集約してもアメリカやオセアニアのように広大な土地を整備することはできません。私は集約化も致し方ない部分はあると思っています。集約化で採算の取れる農家さんにはそれでやっていただくしかない。しかし、急峻な山地に降る雨を貯えながら、世界的規模では小さすぎる=効率の悪さを克服しながら、緑の国土を維持して、食料の多様性を軸に、世界の食糧基地となるというのはあながち間違った方向性ではないと思うのです。多様性ある産物をどう生産していくのか。日本食のブームの陰には、日本の山海の多種多様な食材の果たす役割が大きいものと思います。

 農のある暮らしに私たちは牧歌的な安らぎや原風景として懐かしさを感じますが、そのような風情の他に、もっと戦略的な「食糧基地」として日本の農業を位置づける必要があるように思います。農業は「生業」ですから。

 地方はこれから、人口減少との戦いですが、人は少なくても豊かな生活ができる基盤を構築していく必要があります。逆に東京は日本の中心として、日本をけん引する原動力としてのエネルギーが枯渇しないしくみを維持していかなければなりません。
 ただ、のんべんダラリと都会も田舎も同じ、ではなく、その地域に合った豊かさや幸福を求めていく。このような発想が、地方から発信されることが重要です。今、なんとなく、国が地方を大きく主導しているように感じますが、実は、これは”卵が先かニワトリが先か”論で、私は国が「笛吹けど」地方は「踊らず」の歴史が作り上げた日本の政治のなれの果てと感じています。
 
 だから、私は地方創生に拘っているのです。国の補助金があるからやるのではなく、それをステップとしてどのような自立した地方自治を確立できるかが本当の勝負なのです。農業は今、緊急オペが必要なほど問題が悪化していて、しばらくは激動期が続く可能性もあります。激変緩和策を十分に打ちながら、しかし、最後は緑の国、瑞穂の国としての強みを発揮できる環境を整備していく。さらに、四方を海に囲まれた日本は世界の安全保障を維持し、細長い国土を均衡をもって維持していかなければなりません。それには農業による国土の隅々までの利用が不可欠と思います。
 田舎に高速道路の要不要論もありますが、辺境にも人が住み、国土を利用するためには必要な投資だと私は思います。これは、以前自己研さんの一環で稚内の太陽光発電の視察に行った時に感じました。国土お維持は人が住んでこそです。幸手市は首都圏から50キロという地理的条件をどう活かしていこうとしているのか。中途半端な田舎ですが、私、まずは幸手市は近郊農業の一層の充実にしっかり取り組むべきだと思いますね。国の補助をうまく利用して、営農者の目指す農業が自立的に経営される後押しをすることが大事です。

♥♥そのためにも、まずは皆さんが幸手の産物の消費者となってください。みんなで幸手市の農業を盛り立てていきましょう。アジア、オセアニアの干ばつから、お話しはこんな結末となってしまいましたが、とにかく、皆さま、地産地消です。地産地消に、是非、ご協力をお願いいたします。

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(5月の田植え再掲です。今、苗は青く力強く育っています。8月の終わりには新米の季節を迎えます。お楽しみに!!)