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内閣府試算 財政基礎収支、黒字化遠のく
19日の日経新聞より
まず1面。内閣府の中長期的な財政に関する試算で、2020年度時点の国・地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字額が5兆円台になることが分かった。物価低迷で年金などの国の歳出がやや抑えられ、従来見通しより赤字は減るが、20年度までの黒字化達成に向け一段の歳出抑制などの対応を迫られる。ということ。
さらに、5面では、経済底上げにつながる構造改革や歳出抑制に取り組む本気度が問われる、と。安倍首相は「成長の投資は思い切って行う」と石原伸晃経済財政・再生相に指示したということですが、国際社会との関係や国内の諸課題への対応など、本当に今、国の舵取りは半端なく難しくなっています。一瞬でも気を抜けば途端にバランスを失ってしまう。日経は、財政健全化を巡る市場の懸念を払しょくするには、成長底上げの青写真を固め、メリハリの効いた予算配分に努めるべきだ。と結んでいます。
また、4面では経済同友会が2045年度までの日本経済の成長に向けた提言をまとめたことを取り上げています。提言は、生産性を向上するため、企業は赤字事業の再編や買収に積極的に乗り出す『創造的破壊者』になるべきと強調。日銀のマイナス金利政策を利用した財政投融資の拡大や赤字国債の発行は「将来の国民負担の増大を招く。現に慎むべきだ」とし、企業統治の強化を通じて縁故やしがらみにとらわれない事業再編を急ぐべきだ、としたということ。
さて、このような国レベルでの動きが私たち末端の地方自治体にどんな影響を与えるか。そして、時流はどの方向に流れているのか。この予測こそ、自治体経営で最注視すべき事柄です。
翻って幸手市では。今年4月1日に、駅舎整備に関する社会資本整備総合交付金が2年連続の低配分となりました。このような事態は予測できたものです。さらに、今後も低配分が予測されることは必至で、ここにきてやっと、それを組み込んだ資金計画が出されました。しかし、それはあくまで駅舎を「不退転でやる」ための資金計画で、2020年に上記のような国の財政を見込んだものではありません。
駅舎整備は「不退転でやる」という市長。今のままでは単なる「破壊者」です。30億円を注ぎ込む駅舎整備を幸手市活性化の”エンジン”とする政策思考を改め、真の活性化に向けて、本気の種まき、さらに短期での刈り取りまで視野に政策の優先順位を見直すべきでは。
これまでの惰性やしがらみを断ち、「創造的破壊」をする。それが地方創生の本旨のはずが、地方創生予算獲得で敗北を期し(国の補助金申請するも不採択)、さらに、駅舎に30億円をかけて、一体幸手市はどこに向かって船を進めているのか。
企業や市民が血のにじむ努力で生み出した利益から支払われている税金の重みを私たちは再認識する必要があるのでは。