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市民は市長の掲げた「駅舎整備」を望んでいる?
先日、ある市民の方からご意見をいただきました。大事な点をご指摘いただき、早速メールでご返信もさせていただきましたが、大事な問題提起ですので、この際、皆さまと問題点を共有すべく、このブログでも取り上げさせていただくことにいたしました。よろしくお願いいたします。
さて、いただいたご意見の骨子は2つです。1つは、市議会は先の議会で市長の問責決議を可決し現市長を拒否したが、その後の市長選で現市長が再選し、民意は市長にある。おそらく市民は市長の掲げた「駅舎整備」を望んでいると。
もう1つは、そもそも拒否された市長と拒否した議会があたかも何事もなかったかのように議会運営していることへの不信(不自然である)。
そして、最後に、選挙を経ていない現議会が何を主張しようと空しいだけと。
おっしゃるように、市議会では昨年9月議会で市長に対する問責決議を可決しました。「昨年(平成26年)8月11日に行われた圏央道建設促進同盟の総会を欠席し、市長の親族が主催するゴルフ大会に出場していたのではないか」という一般質問が発端となり、当初は否定していた市長が一転して認めたため、市議会として「猛省」を求めたものです。それに対し、市長からは反省の弁が述べられました。
さらに遡れば、平成23年6月議会でも、市長が連絡体制を公式に表明しないまま海外に旅行し、その間に豪雨で幸手市内に浸水被害が起きるという事態がありました。この時も、公人として休みをとるなという事ではなく、体制を整えずに市を不在にしたという市長の対応のまずさに対して問責決議が出され、これは否決となっています。
問責決議とは、不信任決議のような法的拘束力はなく、不信任決議が出席議員の3/4必要なのに対して、問責決議は1/2で可決できます。問責は猛省を促すことが目的であり、市長を拒否するまでのものではないことをご理解いただきたいと思います。また、その後10月の市長選挙で現市長が例え61票差でも市民に選ばれて当選されたことは重いことだと考えます。
ただ、市長選挙の論点となったこの駅舎整備計画。3月議会の予算審議で「55%の国費配分は社会情勢を考えても出ないとみるべき」と再三指摘したにも関わらず、強気の説明を繰り返し、市議会も賛成多数で可決。その後、4月1日の国交省発表でやはり国費は半分の26%しかつかないことが明らかに。そこで、市は6月議会前に、今後も国費がでないこと見込んで資金計画を見直し市議会に提示しました。
しかしその資金計画が、他の事業を繰り延べたり延期したり、事業費を削減したり、新たな借金を増やしたり、駅舎のみを不退転で実行するために編まれたとしか考えられない資金計画であり、議員有志が疑問を呈しているというのが現状です。
私たち会派先進は、駅舎・自由通路整備は反対ではありませんが、資金計画が狂った以上、現計画の再検討は必要との立場です。駅舎整備は総額28億4500万円。単純に53000人(0歳の赤ちゃんからすべて)で割ると市民一人当たり54000円の負担となります。2人家族だと10万円超、4人だと20万円超、6人家族だと30万円超の負担です。多くの税金を投入する事業であり、少なくとも市が歳入不足が生じることを認めた今こそ、勇気をもって現行の駅舎整備事業は内容を見直すべきではと考えるものです。
皆さまはそのような実態をご存知でしょうか。しかし、それでもなお、現行の計画推進をという民意が多数であれば、それは私も従わざるを得ないと思っています。9月から始まる議会で関連の補正予算が編まれるでしょう。見直しのラストチャンスなのです。
今回、貴重なご意見をいただいた方に心より御礼申し上げます。私のご説明がまだ不十分であれば、また、是非ご指摘いただきたいと存じます。61票差でも民意とは言え、幸手市の行く末に危惧を感じる市民も半分いらっしゃるということです。市の実態を知っていただきご判断いただきたいというのが私の願いであり、そのための情報提供こそ、議員の役割と考えています。
さて、市長は「市の玄関口である駅舎の整備は、幸手中央地区産業団地の整備とともに、新しい人の流れをつくり、本市の人口減少に歯止めをかけ、市を元気にするためのエンジンとなるもの」と説明しています。皆さまはいかがお考えでしょう。
余談ですが。東武日光線では来春からサクラの時期に特急スペーシアを臨時停止させることが検討(ほぼ確定)されているということ。有難いことであり、現駅舎のままでもこのようなチャンスはあるということです。幸手駅を利用される観桜の皆さまをバスで権現堂に運ぶ案(しかも運行は幸手市?)もあるそうです。街中をまったくお客様が素通りするだけでは淋しい限りです。幸手市の経済を活性化させるために何ができるか。チャンスをどう活かすか。幸手市の活性化にどう結び付けるのか、それこそ、市長の手腕が問われるところです。