![]()
世間知らず狙った・・・by元営業マン
「家賃は保証」などと誘われてアパート経営に乗り出した大家から、業者とのトラブルの訴えが相次いでいる。というニュースより
08年秋のリーマン・ショック後は、大家らからの相談が頻発しているということ。社宅として多くの部屋を借り上げていた企業のリストラの影響などで、賃貸住宅管理業者が相次いで契約解除などに踏み切ったことなどによるそうですが、サブリースは資産運用の一環と、地方に有力な貸出先のない金融市場でだぶついた資金が回っている形だというのです。
私も以前、リースの初めは社員を店子に仕立てて、その後店子を引き上げる=家賃は入らないのにローン返済、管理費を負わなければならない、というケースもあるやに聞いたことがありますね。
賃貸住宅管理管理会社の元営業マン曰く、「世間知らずでプライドが高く、人に相談しない人」が狙い目だそうですよ。特にねらい目だったのは教員や医者、公務員らだということ。
まとまった広さの土地が比較的多い埼玉や千葉などで集中的に営業。「相続対策」や「老後資金の確保」などのメリットを語り、契約の際は大家を本社に招き、役員らと一緒に食事をするなど最大限の歓待。「催眠商法」に近いものだったと。
さて、さまざまな事情で「持ち家が資産から負債へ」と言われて久しくなりましたが、よくよく考えてみると、終いの住み家ならまだしも、資産として土地や建物を運用するというのは余程の知識が必要です。
始めに資金調達した後は、家賃も管理もすべてやってもらって、ただ家賃収入で儲かるというのは、うますぎる話しです。業者は慈善事業ではありませんから利益は狙います。余程、眉に唾してしっかりと誠実な業者を見定め、さらに業者と互角の知識で手綱をさばく意識がなければ、業者に太刀打ちなどできません。
以前、今は「契約の時代」だということを書きました。ケータイも介護も、その他、生活のあらゆる場面で「契約」という行為が求められ、印鑑を押した段階で立派な事業者として扱われるのですから。自分がしっかりしないと、思わぬトラブルに巻き込まれる機会も増えています。この件では国も規制を強化する方向のようですが、全国の業者の1割程度への対応以上は難しそうです。
ヒトや事象を疑うことを忌避する方もいらっしゃいますが、いえいえ、まずは何事も疑う事から。そして、信頼に値するという確信を得れば信じればよいのです。これは決して卑しい行為ではありません。ここで一句、
「狙うのは世間知らずのお人よし」 さらに一句、
「眉に唾 うまい話にご用心」
営業マンだってノルマがあるのです。世知辛いなどと言うなかれ。みんな必死に生きている。みなさん、自分を守るのは自分ですよ。人任せではなく。