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税金の使い方に関心を持って

2016.12.18

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昨日の緊急集会のご報告

 先日来、ご案内しておりました市民グループによる緊急集会「市政の現状報告会」が昨日、北公民館で開催されました。私も現状報告者として15分の時間をいただいてお話をさせていただきましたが、15分というのは思うより短く、取り敢えず、人口減少、財政規模、財政力等から見た幸手市の現状はお話ししたのですが、用意していた半分も皆さまにお話しすることができませんでした。

 議員代表制民主主義という仕組みの中で、今の幸手市では市民活動の難しさもある中、勇気をもって集会の開催にご尽力された皆さまには本当にお疲れ様でした。

 市民の皆さまの中には、「なんでいつまでも駅舎反対と言っているの?」と思っておられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この集会を企画された皆さまも、そして、少なくとも私も、駅舎建設反対ではありません。ただ、国費が55%出ていればここまで心配することはなかったかのかも知れませんが、国費が55%出ない現実の中で、幸手市の「財政力に見合った駅舎建設のための見直し」の必要性は、これから実感を帯びてくる可能性が高いのは事実です。
 市は、国費が出なくなった分を様々な方法で調整しました。他の事業費を削り、工期を延期しても駅舎整備のみが現行のまま実施。しかも、国費不足分を一般財源(基金を含め)や一般単独事業債を発行して賄った場合、他の事業への手当が薄くなることは皆さまにもご想像いただけると思います。

 財政的問題の一例として、市が示す平成35年までの財政収支の予測では駅舎整備が完了する平成31年度までは投資的経費がH29年度から22.54億円、31.2億円、19.96億円計上されていますが、32年度からは8.89億円、14.34億円、6.2億円、7.54億円と大幅に少ない数字が計上されています。財政収支では、平成29年度から31年度までは基金を投入して年度予算の赤字を埋めますが、32年度からは投資的経費を削減してなんとか、黒字化するとなっているのです。

 幸手市がこれから取り組まなければならない公共施設の老朽化対策には、市内の公共施設(学校や公民館など)を40年間で修理・改修・建替する計画ですが、600億円=年間15億円の資金が必要というのが市の試算です。現在、幸手市が老朽化対策費として投入しているのは2~3億円です。この金額では毎年学校(1校)の大規模改修をするのが精いっぱいです。それすら、国の補助金の補助採択が厳しいのが現実です。このような事業を先送りすることは後年度の負担を増大させることになりますが、人口減少に歯止めがかからない幸手市で誰が負担をしていくことになるのか。

 幸手市は178億円という、埼玉県40市の中では白岡市に次いで小さな財政規模の自治体です。町村の中には確かに幸手市より小さな財政規模のまちもありますが、その比較をしても仕方ありません。少なくとも幸手市はこれからも178億円の予算規模で、近隣では久喜市が約400億円、越谷市は900億円という財政規模の自治体と肩を並べて、さらには、若者対策の充実を図る東京都などと綱引きをしながらやっていかなければならないのです。
 本当に必要なことすら投資が難しいなかで、「最小の経費で最大の効果」を得る努力が欠かせませんが、市長が市民負担の増大をなんとか減らそうという努力をした形跡なし。
 私は駅舎整備に反対ではありません。しかし、「財政力に見合った」見直しをして本当に必要な機能のみを市民に負担していただくべく経費を見直すのは大事なことだと思います。

 東武鉄道のいくつかの近隣駅を見て参りました。越谷市の大袋駅は立派でした。さすがに30万人都市であり、900億円の財政規模のまちでは20億円の事業費も幸手市の負担感とは大違いです。大宮公園駅も見てきました。東武鉄道が出資しての駅舎建設では古い跨線橋はそのままに、新駅は仮設駅のいらない場所に平屋で作っていました。

 しかし、幸手駅はもう、今からこの工事が見直されることは余程のことが無い限りないものと思いますし、私達議員は議会の議決に背いて現実を動かすことはできません。駅舎工事が進む中で、この緊急性をなかなかご理解いただきにくい環境となってきたのは確かです。

 今、まさに新年度予算の編成期にあって、注目すべきは来年度予算の編成です。今年度は、国費補助割れで市民の皆さまに大きな財政負担となる資金計画の見直しや、更に、時限性のある国の施策である「地方創生」に関しても地方創生交付金の申請4事業のうち、3事業1億円の獲得がなりませんでした。交付金の目的に合わない事業はいくら申請しても採択はされません。
 そのような問題や課題をしっかりと検証して、新年度予算編成に臨むよう12月議会で要望しています。1万人署名で示された願意に応える来年度予算が提示されるか、市民の皆さまにも引き続きご関心をお寄せくださいますようお願いいたします。