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豊洲問題

2017.03.12

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豊洲問題 追筆

 やはり、新聞の後読みでは時事についていけませんね。さらに、3月に入って、一般質問始め、質疑などのまとめをしていた関係であまりテレビも視聴することがなく過ごしておりましたら、豊洲問題はすでに都議会による百条委員会が設置され、東京ガスや副知事、市場長など、当時の関係者を証人とする委員会の尋問の全容がTouTubeにもアップされていて。3/7のブログで少し取り上げましたが、遅ればせながら今朝、その一部を視聴しましたので、その範囲ではありますが追筆したいと思います。

 自治体の仕事は、そのほとんどが条例や法令に基づいた許認可や契約行為です。様々な交渉過程を経たとしても、最終的に法令や条例を根拠としない仕事はほとんどないということであります。それは経営体であればどこも同じであろうと思います。もし、法令に基づかない仕事があれば告訴や訴訟の対象となりますから、どんな場合も必ず、法的根拠は「ある」のです。

 私が視聴した証人尋問は東京ガスが最終的に東京都と結んだ土地売買契約の瑕疵責任除外条項が問われていました。東京ガスの証人からは、瑕疵責任除外は”経緯”であり、売買契約前に国の法令に従った土壌汚染対策費に102億円投入。その後、都が市場としての利用に向けて独自調査をしたところ、さらに土壌汚染対策費用が必要となったということから支出要請があった。当時、東京ガスは国の土壌汚染に関する法令に基づいた処理を終了しており、都の要請は東京ガスとしては法的責任の範囲外ではあるが、市場の公共性も考慮し、さらに78億円という少なからぬ額を都の要請に従って支出した。売買契約では、そのような経緯を以って、土壌汚染に対しての瑕疵はこれ以上問わないとする条項が盛り込まれた、との認識が示されていました。

 この経緯を聞く限り、東京ガスが都との契約でこれ以上瑕疵責任を盛り込むことはできないと判断したのは理解の範疇であり、都も、法的責任以上の支出として78億円を拠出させた経緯の中で、これ以上土壌汚染の瑕疵は問えないと判断した。これも理解の範疇と言えるのではないかと感じます。ここで残るのは売買金額の正当性ということになるのでしょうか。根拠のない地価での取引価格算定は不可かなとは思いますが、土地の評価を巡っては「都知事の安全宣言」の果たした役割が問われそうです。

 さて、豊洲移転は知事就任時の既成路線だったとする石原元知事の発言に対しては、当時の市場長と認識の相違があるようですが、この問題にどのように決着がつけられるのか。新事実は出てくるのか。百条委員会を設置した都議会の力量も問われますね。
 さらに大阪での国有地の売却問題なども浮上する中で、最終的な意思決定者だけでなく、関係者の果たした役割が解明される必要性を強く感じます。

 許認可は公務員の最大の仕事です。自治の根幹は契約や許認可の公正な運用にかかっています。幸手市でも同様であり、情報格差、多大な首長裁量に対していかに議会のチェックが届くか。これが「住みよい、住みたい自治体」の条件であることを肝に銘じ、私も市民の皆さまに説明責任の果たせる議員活動に努めてまいりたいと改めて考えているところです。

 日々、政治や行政を巡っていろいろなことが起きています。それを他山の石とせず、常に勉強材料として分析等に努めることが肝要と考えています。それには、専門的知識などをお持ちな皆さまのご協力、ご助言が不可欠です。これまでもいろいろなことに様々な立場でのご助言を頂戴して参りましたが、皆さまには今後とも是非ご教示のほど心よりお願い申し上げます。