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日本国憲法 第8章 地方自治
明日は憲法記念日。憲法改正の是非が問われる昨今であり、新聞各紙もさまざまな切り口で取り上げていますが、実は、私たちの生活の多くを規定している地方自治法も、憲法と同じく今年は施行70年を迎えます。憲法と地方自治に関する埼玉新聞の記事を参考にこのブログでも取り上げたいと思います。
まず、日本国憲法の地方自治に関する条文です。
「第8章 地方自治」
第92条(地方自治の基本原則)
地方自治体の組織及び運営に関する事項は地方自治の本旨に基づ
いて、法律でこれを定める。
第93条(地方公共団体の機関、その直接選挙)
1.地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関と
して議会を設置する。
2.地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定める吏員は、その
地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
第94条(地方公共団体の権能)
地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を
執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
第95条(特別法の住民投票)
一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところに
より、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を
得なければ、国会は、これを制定することができない。
第92条にいう「地方自治の本旨に基づく」とは、地方における政治と行政を、国から独立した地方公共団体の手にゆだね(=地方自治)、且つ、その地域の住民の意思に基づいて処理させる(=住民自治)という地方自治の原則のことで、日本国憲法では「地方自治の本旨」と称しています。
そして、第93条に議会が「議事機関」として設置されることが規定されています。地方自治では、「自分たちの地域のことは自分たちが責任を持って行う」ことが基本です。例えば、「財政運営」。国の政策を進める呼び水としての補助金は存在しますが、どの事業にどう財源を使うかはその自治体の考え方で決まります。自治を通して住民や地域が理想とする姿を実現する。その住民の意見を反映させやすい環境の1つとして、議会が存在しているわけです。
以下に地方自治法の変遷の一部を記載いたしました。1947年に憲法と同時に施行された「地方自治法」は地方自治に関する基本的なルールを規定。さらに首長と議員を選挙で選ぶ「二元代表制」を基本とし、これまでにも大きな改正がなされてきた経緯があります。
299条に及ぶ全条項を暗記するのは難しいですが、法治国家における地方自治の根幹である地方自治法の各条項を、憲法・地方自治法施行70年のこの節目に当たり、より読み深め、「地方自治の本旨」を、そして、「議事機関」としてのあり方についてより深く考える年としたいと考えます。
【地方自治法の経過】(埼玉新聞より一部掲載)
1945年8月15日 終戦
46年2月 GHQが憲法改正案で地方自治の規定を明記
47年5月3日 日本国憲法と地方自治法が同時施行
56年 政令指定都市制度を創設
93年 衆参両院が地方分権推進を決議
94年 中核市制度を創設
99年 地方分権一括法成立。国の仕事を自治体に
下請けさせる「機関委任事務」制度を廃止
2012年 選択的な通年議会制の導入
17年5月3日 自治法施行から70年
♥さて、明日から本格的な連休(GM)に突入いたします。この間もお仕事をしてくださる皆さまには本当に感謝です。私もいつものことながら、連休中のブログ更新は休止といたします。また連休明けに。よろしくお願いいたします。