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大将の急所を突く

2017.09.16

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北朝鮮情勢より ”ミサイル再び日本通過”に考える

 北朝鮮が15日午前6時57分ごろ、弾道ミサイル1発を発射したことについて。

 北朝鮮のねらいがどこにあるのかは専門家の間でも想像の域を出ない中でのミサイル発射。これ以上事態を悪化させないために何ができるのか。何が有効か…。私が国政を、外交を語るのは100年早いワケでありますが、しかし、一国民として、なんとか今の事態に終止符が打てないものかと思案しています。
 以前も書きましたが、国際社会や歴史のひだの奥深いところは私たち庶民にはなかなか見えないものです。しかし、戦争に結び付くような脅威は排除しなければいけない。相手の”狙い”が分からないなら尚のこと慎重に対応をしていかなければなりません。国連安保理では11日にこれよりも強力な新たな対北朝鮮制裁が決議されたということ。しかし、制裁の実効性に疑問が呈されているともされています。

 これまでの制裁は、北朝鮮からの石炭輸出を禁じたり、新しい制裁では石油を制裁対象にするなどされていますが、北朝鮮はダミー企業などを使った取引で世界中に抜け道を作っていて、実効性は乏しいし、そのネットワークは中国やロシア、アジアやアフリカ、そして日本にもあるというのです。
 太平洋戦争では、国際社会のABCD包囲網で石油を絶たれたことが日本が戦争に向かう大きな引き金となったと言われています。今回、北朝鮮がどのような出方をするかは分かりませんが、そのような愚かな判断に繋がらないことを祈るばかりです。

 それにしても、国連の制裁は北朝鮮の”急所”を突いているのでしょうか。もっと突くべき急所があるのではないかと、稚拙ながら考えてみました。北朝鮮の急所って何だろう。1つ考えついたのが「指導者幹部の個人資産」です。北朝鮮は大将が一人の独裁国家です。そして取り巻きの一部指導者幹部が国を牛耳っている。国民の貧困を顧みず財産も一部に集中している。自分、若しくは一族だけで分配しているいわゆる「隠し財産」の存在は指導者たちにとって絶対に国民に知られてはならないものでしょうから、そこが急所になる。
 国連決議のような表舞台だけでなく、海外にある個人資産に秘密裡にアプローチをかける。実際に凍結まで行わなくても、交渉カードとして個人資産の凍結を暗示すること自体が結構有効なカードとなり得るのでは。

 ただ、気を付けないといけないのは「窮鼠猫を噛む」ということです。あまり「きゅー」っと締め上げ過ぎると暴発もあり得ることを想定し、ほどほどでありながら急所を突く。そんな対応を冷静に粛々と行う。言うは易しですし、もちろん、水面下ではすでにそのようなことはやっているかも知れませんが。

 とにかく、武力での解決は絶対に避けなければなりません。武力による解決では誰も幸せにはなれない。然るに、土俵の違う相手と相撲は取れないからこそ、自分の土俵に引き込む。外交努力とはこの交渉に尽きますね。