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平成30年度より国保税制度改正

2018.01.13

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国民健康保険制度が改正、広域化されます

 県と市町村は、国保制度の見直しに向けここ数年検討を重ねてきましたが、いよいよ平成30年度より、改正が実施され、財政運営が市区町村から都道府県に移行します。12月議会で説明がありました。

【なぜ、制度改正が必要か】
 市町村国保には保険者の構成・市町村規模の格差など構造的な課題があり。埼玉県でも毎年300億円を超える法定外繰入れが実施され、実質的な収支は赤字が続いている状況です。そのため、運営のやり方を見直し、県と市町村が協働運営で改善を図ります。

【どのように変わるの?】
 選択肢は3つ。①②は埼玉県の試算、③は幸手市の改正案です。
 ①現行税率のまま適用を続ける
 ③標準税率(埼玉県提示)を適用する
 ③激変緩和のために上昇幅を抑えた保険税率を適用する
 
 ①の現行税率をそのまま適用した場合は、平成32年度に基金を全額投入しても財源不足が見込まれ、その後も毎年2億円程度の不足が発生します。
 ②標準税率を適用した場合、国保特別会計の財政は歳入歳出が均衡し、維持できますが、国保税は現行税率を適用した場合よりも増加が見込まれ、国保加入世帯中約70%の世帯で1万円超の増額となります(一世帯当たりの平均増加額=19、301円)。
 ③の幸手市案では、激変緩和のため基金を投入しつつ、毎年3%程度の増額を複数年行います。その結果、5年後には基金は1億円程度になり、毎年保険税は上がりますが、国保加入世帯中約90%の世帯は増額1万円以下であり、減額となる世帯もあります。この場合の一世帯当たりの平均増加額は3827円となります。

【私たちが支払う保険税率はどうなるの?】
 ①の場合 税率は変わらず
 ②の場合 H30年度から15.04%に増率
 ③の場合 H30年度に2.98%、
      H31年度以降34年度まで各年度3.00%ずつ増率 
 ※なお、幸手市では2年前に税徴収区分を4方式から2方式に改正するとともに、税率低減改正した経緯あり。

【幸手市の一人当たり保険税の県内比較(県試算)はどんな感じ?】
    H28一人当たり保険税 → H30一人当たり保険税   
 県平均   89,747円     102,785円 
 幸手市   82,784円      95,217円 

【今後の動向は?】
 県は、各市町村の収納率向上に向けた取り組みを支援するとともに、市町村国保における医療費適正化の一層の取り組み促進を図り、市町村と共に赤字の解消・削減に取り組んでいきます。
 幸手市の国保制度をめぐる特徴は、医療費総額が高いことと、高齢化等も含め所得水準が低い傾向にあることです。医療費総額が高いことは税率を押し上げる要因です。また、低所得者数にはその数に応じた保険者支援があるほか、医療費適正化の努力を行う自治体への支援により財政基盤強化が図られることになっています。

【私たちにできることは】
  日々、良く食べ、よく笑い、体を動かして健康長寿を維持する。
  医療機関で余分な薬をもらわない。 

 幸手市では前述の3つの選択肢のうち、③が採用されることになろうかと思いますが、今後、幸手市国保運営委員会に諮られた後、3月議会で制度改正にかかる条例案等が上程されることになっています。