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9月議会が終って

2016.10.02

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請願・陳情の願意は「不採択」「否決」に

 久しぶりの書き込みです。毎日慌ただしく過ごしているうちに、めっきり秋らしくなり、キンモクセイが香り、そして、日の暮れるのが早くなりました。今日は10月2日。皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。

 昨日はアスカルにて、「幸手市制施行30周年記念式典」が挙行され、私も参加いたしました。表彰を受けられた多くの皆さま、受賞おめでとうございます。敬意を持って感謝申し上げます。まちとはいろいろな意見を持った人の集合体であり、先人によって紡がれた歴史の上に今があります。その時代の民意を吸い上げ、できるだけ多くの市民の合意を形成する努力は、今後も続けていかなければならないということを改めて感じた次第であります。

 さて、一昨日、9月議会が終りました。いろいろ考えることの多い、判断の難しい事案があり、本当に長いと感じた1か月でしたが、まず、一番に皆さまにお伝えしなければならないことは、今議会に提出された「財政支出を大幅削減した幸手駅舎・東西自由通路建設を求める請願」署名の結果です。
 この請願は、総工費28億4500万円(98%市負担)で市が進める幸手駅の橋上化及び自由通路建設について、市の中長期財政状況への懸念から、支出を大幅削減して見直すことを市議会として市に要請してほしいという趣旨の訴えです。
 建設経済常任委員会では審議に先立ち、請願共同代表の1名により意見陳述が行われ、質疑応答がなされました。陳述人からは「私どもは2841名の署名者のご協力を得増してこの請願を出しております。市内49町丁にわたりまして、幅広く率直なご意見を頂戴しております」との前置きの後、
 ①市が国の交付金の補助率を大きく見誤ったこと
 ②他の重要事業に及ぼす影響
 ③請願駅であることにかかわる問題、
 ④市の中長期財政状況の深刻さ
などの観点からの分析を踏まえ、懸命な意見陳述がなされました。その後の審議の結果、委員会の結論は「不採択」。そして、本会議でも「否決」となりました。本会議の採決結果は以下のとおりです。
 賛成:大平・大山・中村・武藤・松田
 反対:青木・小河原・木村・小林啓・小林順・藤沼・本田・宮杉
                       (敬称略) 
 反対討論では、「請願の内容では削減効果がない」、「西口の人も東口の人も公平に使える橋上駅舎ありきと考える」との意見のほかに、「財政をいうなら、区画整理の見直しを」「現在のホームは狭く点字ブロックが柱に重なっており是正のためにも橋上駅舎は必要」と、西口整備の本体事業である区画整理の見直し、鉄道会社に第一義的責任のある事象にまで広げて市の負担とする認識・見識が表明されると、傍聴席からざわめきが起きる一幕も。

 請願署名者数2841名、同様の主旨による陳情を併せると6574人、市長への要望を併せると7500余名の署名で表された民意は潰えました。

「幸手市と鉄道会社との間で協定が結ばれていると言うが、重大なことは、その協定が結ばれた経緯が市民に全く知らされていないことであります。請願駅というのは、市そして市民にとって大きな債務を負う事であって、巨額な債務が納税者である市民に情報開示されないまま今日に至っていることは、極めて重大であると言わざるを得ません。自由通路の効用は大きく認めるものですが、居住人口、都心気の就業者がどんどん減って行く厳しい現実の中、駅というハコモノで人が吸い寄せられるほど、世間は甘くはないと思います。これだけの巨額を注ぎ込んで駅舎建設が活性化につながらなかったら、最終的に攻めを負うのは市長ではなく、納税者である一般市民なのです」という陳述人の訴えは多くの市民の皆さまに共通する思いではないでしょうか。

 そして、実は、今議会に明らかになったのが市の「予算調製力」です。予算調製は自治体の仕事の中でも最大級に重要な仕事であり、自治体予算の編成には「予算編成にあたっては、歳入はより正確かつ現実の経済状況により、予算を計上しなければならない」という原則があるのです。
 そこで、私は一般質問の中でその責任の所在を訊ねましたところ、「交付金の配分については、国が定める予算の範囲内で行われるため予測は困難である」と自ら組織の能力を否定するかの市長答弁をいただきました。「国の動向は予測困難」?
 「国費が予測できなかった」など、本来は自らの能力を否定するあるまじき理屈であり答弁です。私は「予測した職員はいる」と思いますし、上層部にも情報は挙げられていたと思います。それが組織というものですよ。東京都の「豊洲問題」同様、幸手市でも責任体制についてはさらに検証が必要と感じています。

 さて、9月議会が終ると来年度の予算編成に向けた調製が始まります。2か年に亘り財源を見誤った責任の所在も明らかにされないままであり、来年度も厳しい国費配分がすでに予測されるなか、今回の署名・陳情を通して市民が求めた願意を、市長、執行部には十分肝に据えて、来年度の予算調製に着手いただきたい。そして、市民に知らせるべきことは正しく説明を。この点については、私は今後もしつこくチェックしていく所存です。市民の皆さまにも是非関心を失わず市政ウォッチを続けていただきたいと存じます。

願意の「不採択」「否決」という市議会の結果はありましたが、市はこれまでのタウンミーティングの手法を見直し、これまでは区単位での要望しか受け付けていませんでしたが、グループや団体で申請をすれば、市はタウンミーティングを開催することにしたようです。私の一般質問に副市長が答えました。皆さまには事業に賛成・反対というだけでなく、市と市民の合意形成の場として、市政を理解する機会として、是非、この機会をご活用くださいますように。

 請願や陳情の提出は市民に与えられた権利ではあり、その活動を遂行するには多大なエネルギーが必要です。また、労苦が伴います。この度の請願・陳情・要望活動に尽力された市民団体、市民の皆さまには本当に亜疲れ様でした。今後とも市政に関心をお持ちくださいますようお願いいたします。