*幸手市教育講演会 「スマホと脳を科学する?スマホとの付き合い方?」講師 川島隆太東北大学加齢医学研究所所長 @アスカル
昨日の午後はアスカルで、上記講演会がありました。ご案内を頂いていたので行ってきました。川島先生は知る人ぞ知る、幸手市とは縁薄からぬ先生です。脳トレでも有名ですね。
スマホと学力、脳との関係を科学的データを示してお話いただきました。ご存じの通り、スマホやゲームが子どもたちに与える最大の打撃は脳の発達へ影響です。これは実証されているそうです。
昨日は多くの中学生が参加。居心地悪そうな後ろ姿に、子どもたちが「ヤバイ」という気持ちになっているのがよくわかりました。子どもたちだって薄々、スマホやゲーム依存の良くないことはわかっているのです。でも良くないと分かっていても行動を変えることができない。指摘されても自分を御せる子どもはわずかでしょう。
なぜ、子どもたちは長時間スマホやゲームをしてしまうのか。何が子どもたちをスマホに向かわせるのかという、スマホを長時間使ってしまう子どもたちの生活環境や背景への寄り添いなくしてこの問題は解決しない。私はそう感じています。
私は9月議会の一般質問ではそんな方向で学力問題を取り上げました。幸手市の子どもたちの学力は、数字的には少しずつ向上していますが、しかし、教育委員会が課題としているのはやはりスマホ問題です。何でもスマホのせいにしてはいけませんが、やはり深刻です。
埼玉県の調査の中のアンケート
Q. 1日に3時間以上スマホゲーム、テレビゲームをしていますか
A.小学4年生27.1% 中学2年生30% 中学3年生34.5%
ゲームやスマホを毎日3時間以上やるという子どもたちの割合。小学5年生、6年生に比して小学4年生が多いという結果です。私は少なからず衝撃でした。小学4年生とは前年の3年生です。小学3年生がすでに毎日3時間もゲーム漬けになっている。外で元気に遊んでいて当然の年齢です。ショックではありませんか?学校の授業や下校時間との相関はどうか。幸手市の安全な遊び場の問題なのか。とても気になるところです。
教育委員会は「スマホ使用時間が増加すると家庭学習の時間がそれに伴い減少してしている。さらに家庭学習をしない児童生徒は学習の習熟の時間が少なく、平均正答率も低迷している。中学1年生から中学2年生にかけて家庭学習がおろそかになっている」としていますが、本当に家庭学習をしない子の平均正答率が例外なく低いのか。スマホやゲーム時間と学力に相関関係はあるのか。
私は子どもたちの生活環境を細かにマトリックスにして、いろいろな因子を掛け合わせてさらに詳細な分析を試みるべきだと訴えています。
さて、毎日3時間以上ゲームやスマホをするという実態について。先程の割合を実数に置き換えるとさらに問題が見えます。幸手市において中学3年生のうち125人、中学2年生のうち105人、小学4年生のうち110人もの子どもたちがYesと答えている。決して少くない数です。全国平均と比べてどうこう言う類ではありません。特に小学4年生いや3年生は外界のことに興味や関心を持つ年齢です。それが幸手市の110人も子どもたちが、どこの学校に分布するのかは分かりませんが、幼い頃からゲームやスマホにのめり込んでいる。他の経験をする時間が圧倒的に少ない。この現状認識に立てば問題の大きさは明らかです。さらに深く広い検証、分析を早急に進めていただきたい。
まず、調べたいのは学力とスマホゲームの長時間化と放課後の過ごし方パターンとの相関です。学校では、家庭に向け家庭学習や家読書を啓発していますが、子どもたちの放課後の過ごし方は 実に多様化しており、宿題(家庭学習)を子どもたちはどこでやっているのか。これを是非、チェックしていただきたい。そうすると自ずとなぜ、3時間もゲームやスマホをやってしまう環境が生まれるのかが見えてくるはず。総合的に検証することで幸手市のまちづくりの課題も見えてくるはず。
子どもたちの放課後の居場所は塾、自宅、学童、アフタースクールと千差万別であり、そのような環境因子も含め、学校は学校教育や家庭学習を通してその子が頑張るべきポイントを的確に助言すること。これこそ、これから求められる「個に応じた教育」の究極のあるべき姿ではないかと。子どもの個性以前、将来の夢を語るための素地そのものの育成です。
この改善連鎖を作動させる仕掛けは、学校教育の中にもまだ実践すべき領域ありだと私は考えます。これについては12月議会までに考察を深めたいと思います。
最後に。いろいろ述べてきましたが、スマホの脳への影響、脳の発達への影響を軽く見てはいけません。昨日の講演会は幸手市の学力の現状に危機感を持つ医師会の先生方も共催で実施されました。見えた問題には即対応です。今年度はまずは「3時間もネットに依存してしまう」小学4年生のチェックです。
働く親が増えています。学校教育と家庭の教育力は次元の違うもの。宿題は本来学校の範疇です。親に家庭学習の見届けをさせるには時代は過酷です。スマホは与える親に最大の責任があります。しかし、スマホやゲームの面白さに勝る教育を考えていくのは教育の仕事です。みんなが自分の役割を認識しながらお互いを補完しあって、子どもたちを守って行きましょう。
つい力が入ってしまい長文お許し下さい。子どもは未来からの預かりもの。未来を生き抜く力の修得は今の教育が担っているのです。どんな問題も、大人の正しい現状認識と先見と人間の変わらぬ本性への洞察力が日々試されています。