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4世代が同時代に生きることの幸せを感じられるまちづくり

2017.08.07

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選ばれるまちづくり

 8月号市報が届き、じりじりと人口減少が進んでいる状況に危機感をお持ちの方も多いのではないかと思います。日本国では移動の自由が保障されている以上、国民は選択の自由を以って居住地を選ぶことができます。この視点からみると、「選ばれる」ということがいかにまちづくりに大事であるかということが分かります。

 さて、このブログを見てくださっている皆さんは移住の経験がおありでしょうか。私は25年ほど前に幸手市に移住しました。その前は奈良、東京と転居しましたが、人生設計において居住地を決めるというのは大きな選択ですね。

 私の人生を振り返ると、幼少時に一度転居をし、今の実家に移り住みました。そして、結婚して大和郡山市で3年、夫の転勤で東京に来て3年、そして、念願のマイホームを求めて幸手市に来て25年。この間、住む場所に関して、自分の意思が全く働かない転居は幼少期の転居のみ(両親の人生設計に組み込まれていた)。夫の転勤はもっと大きな意味で、人生設計に組み込まれていたことですし、奈良、東京は人生における”仮住まい”という気持ちもありました。いろいろ移り住んで、住んで良かったかどうかは後でしみじみ感じるものなのかなと。かく言う私は今の生活に満足していますよ。

 私たち家族が幸手市に引っ越してきた決め手は、一番は私の育った環境と感じく、農の緑があることでした。山や清流はありませんが、私の原風景に近い風景がありました。サケが大洋を泳いで故郷に遡上するように、私は自然のある環境に同じニオイを感じ、子どもたちをその中で育てたかった。東京にも公園はたくさんありますが、その自然ではなく。また、人生設計においては住宅価格も大きな要素ですね。東京から50キロ圏を輪切りにしていろいろ見て回りましたが、街並みの美しさ、勢い、小学校が近い、同年代も多いことで子育てへの期待感やこれからの生活スタイルが想像しやすかったことなどが決め手となりました。
 思い起こせば、引っ越しの前に幸手駅も利用しましたが、庁舎が遠いなど、子ども連れでの移動には困りましたが、幸手駅の古さなんて眼中にも無し。家族の人生設計と照らし合わせた条件設定で、唯一、東京から1時間というロケーションは夫にとっては厳しい条件だったかもしれませんが耐えてくれました。夫にとっても幸手に住む(通勤時間1時間という制限)ことで働き方への考え方も変化したかもしれません。
 結論として、私にとっての移住のキーワードは「自然」「子育て」「街並み」でした。また、今しみじみと、幸手という地域に子どもたちを育ててもらった感も強く残っています。

 さて、本題に戻って。今、幸手市の人口が減り続けているのはなぜか。若い人たちが東京に出ていくのは、東京一極集中が続く限り止められるものではないでしょう。今回、人口動向を研究していて思うのは、実は若者の転出以上に、両親世代やおばあちゃん、おじいちゃん世代が出ていく、いなくなるというのは、実は大きなインパクトがあるのではないかということです。地縁や血縁の切れ目が若者の幸手市との無縁状態を作り、地元回帰を促すきっかけを失うことにならないか(仮設です)。実家が無くなるともうそこはよほどの”マブタチ”がいるか生業がない限り「地元」ではなくなる。さらに、これからの大相続時代を迎えるに当たって、地元への愛着の無い土地は負の財産となる可能性が高い。地元への愛着があればこその資産運用です。愛着形成のありなしはどん詰まりで出てくる大事な大事な要素です。

 そして、新規で幸手市を選択して移住してくる人たちのキーワードは何か。東京から50キロ圏にある幸手市への期待感はどこにあるのか。卵が先かニワトリが先かではなく、サイクルとして確立すべきはまず、どんな資源があって、どんなまちづくりをして、どんな人に住んでもらいたいのか。それをビジョンとしてしっかり打ちだすことです。
 人生設計のそれぞれのタイミングで選択肢となりうる条件をいかに提供するのか。この見える化こそ計画であり、自治体の役割であり、そうして集まった住民と共にさらにまちの個性を磨く。これは住みやすさや満足度を高めることに繋がります。

 私は再三申し上げてきましたが、幸手市は決して資源の無いまちではないと思っています。ただ、残念ながら、現在はその資源を磨くための”砥石”の効きがどうも甘い。ほんとうに残念なことです。なぜ甘いのか。どうすればまちづくりが、政策が砥ぎ澄まされていくのか。日夜、その答えを求めていろいろ仮説を立てながら、その検証に励んでおりますが、移動の自由が保障され、国策としてナショナル・ミニマムなサービスはどこにいても同じように受けることができる今の日本で、「住んで良かった」という実感をいつまでも持ち続けてもらえるまちづくりの追及が欠かせません。
 私は、自分の親世代、自分たち、子どもたち、孫世代と今は4世代が同じ時代を過ごすという長寿国ニッポン。中にはひ孫や玄孫(やしゃご)がいらっしゃるという方もあるでしょう。こんな幸せな社会に生きている。これを”幸せ”と感じられることは大事な要素であろうと思います。

 そして、”仮住まい”ではなく、人生設計の中にしっかりと組み込まれたまちを作って行く。こんな気概が行政や政治に求められているのではないでしょうか。
 
 時代の潮流激しき昨今、幸手市の航海図と羅針盤(政策、特に都市計画と政治)がより砥ぎ澄まされるためには、「お友だち」の意見を聞くだけではだめですね。「八つ耳の王子」として名高い聖徳太子。いくら耳が八つあっても八つとも仲間であったり同じ方しか向いていなかったら偉業は成し遂げられなかったでしょう。広聴が必要な根拠です。
 まずはビジョンを示す。賛同者が集う。さらにみんなで研磨(為政者は八つ耳をそばだてて)する。そこには戦略が必須です。戦略には広く知ることが不可欠。戦略のない戦いは不毛です。

 最後に。そして一番大事なのは照準をを決めたら物事を動かす実行力です。私たち議員は15名という合議制の意思決定機関です。15名がそれぞれの背景を以って議論をし、決定していく。市長(首長)は独任制の執行機関の長です。市長には議案の提出権がありますが、基本的には議会の議決に従って執行するのが市長です。この構図の中でそれぞれが市民に対してどんな責任を果たすべきなのか。皆さまにもそのような視点で市の動き、市議会の動きをウォッチ・評価いただければと思います。

 

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