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3月議会最終日の報告

2018.03.22

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問題の本質と私の活動信条

 国会が公文書を巡って混乱状況にある中、幸手市議会は大きな混乱なく3月議会が20日、終了しました。

 市(行政)の仕事には国策等に合せて毎年行うルーティンワーク(=ナショナルミニマムな事業)のほかに、市が横出し(自治体の例規に定めて、国策以外の補助や事業をブラスするもの)、上乗せ(国の制度に上乗せして行う補助など)があり、多くの事業は毎年繰り返されています。そのおかげで私たちは時代や社会の波に直接飲み込まれることなく、安定した生活を送ることができるとも言えるわけです。
 ですから、何から何まで「改革!!」と言うのは返って不安定さを誘発することが考えられ、自治体独自の事業はより慎重に運用していかなければならないのです。
 特に昨今は、地域の多様性への対応が求められるなど、日本全体で同じ歩みをする時代ではなくなってきました。その結果、地方自治体が自治体自治に責任を持つ「地方分権」が拡大しています。
 言い換えれば、自分たちのまちのことは自分たちで決める。その”自分たち”を代表するのが選挙で選ばれる市長であり、市議会議員です。市長と市議会は車の両輪であると言われます。市長の執行を議会がチェックする。首長と議会の健全な関係性を保ち、その執行を支える行政が公正な事務を取り扱うことで私たちの税金が有効に使われる。このような巡りが理想です。

 幸手市では、今年度、不適正な補助金交付が問題となったことは既に新聞報道、そして、このブログでもお伝えしてきましたが、この件については市が二重交付となった額の返還を求めている段階ですが、これもまだ解決までには時間がかかるでしょう。
 市は議会最終日に、この件を受けて事務を見直すとして「補助金交付事務に係る取り組み状況について」を議員に配布・報告。内容は、①部課長、主幹主席主幹への研修実施、②幸手市決済規則の一部改正、③指摘事項に関する報告書、④補助金事務処理チェックリストに関するものです。
 私は、不適正な事務を抑止する方策として、③④の必要書類の様式等を定めて共通の項目をチェックすることは良いことだと思います。公文書に関わらず、各種書類、特に契約や交付など相手のある書類の書式はとても重要で、書類に記入項目がしっかりと定められることで不適正な事務処理が起きない環境は大きく飛躍すると思います。
 しかし、私が問題性を感じるのは②の決済規則の一部改正です。今回の見直しでは、従前の決済金額を専決権者それぞれ、課長=100万円→なし、部長=100万円~500万円→100万円、副市長=500万円~3000万円→100万円~500万円、市長=3000万円→500万円とするものです。
 これは例えて言えば、いたずらで羽目をはずした子供に罰としてお小遣いをあげない、若しくは減額する程度の意味しかなく、逆に、親の権限が強まることを意味します。部課の権限を縮小することが問題を解決するというのは非常に短絡的であり、一種、失望を感じるところです。
 実際に、補助金額が100万円以上、500万円以上の補助がどの程度あるのかは今後調査をしてみたいと思いますが、天下の部長級に100万円の決裁権しか付与できない、委任できないというのは全国に伍する団体のあるべき姿として、私は貧弱感が否めませんが皆さまはいかがでしょう。

 実は、補助金問題を受けて、私は3月議会の委員会質疑で、気になる補助金について執行状況を質疑したのですが、その中で、補助金交付のための個別の要綱を作成することなく交付している補助金の存在を指摘したところであります。補助金要綱の定めなく補助金を交付することは違法ではありませんが、しかし、詳細な補助要綱を定めずに交付することは、時の決裁者の裁量が大きくなることを意味し、最近は多くの自治体で「行政改革」の一環として補助交付が見直され、要綱の整備が進められています。そして、要綱無しの交付では何より透明性を担保できません。
 この問題に全く言及せず、ただ、決裁権の縮小で済ませるというのは安直であり、根本問題の解決・改善とは言い難い。この問題性については、今後研究していきたいと思います。

 さて、3月は予算を決める議会です。私は、
①これまでの事業をワンランクアップさせる予算となっているか。
②幸手市の課題を解決する予算となっているか。
③将来を見越した予算となっているか。
④道理、原則、慎重さはあるか。

などを主な観点とし、「説得性」「納得性」を求めて各種活動、質疑等に取り組んできました。説得性、納得性を求めるとは、「ああ、これなら大丈夫だね」と思えるということです。
 このブログでは、3月議会最終日の採決の様子をお知らせするつもりでしたが、他のご報告に思わず行を割いたことから、ここでは私の活動信条を申し述べるに留め、後日のご報告といたします。いつも長々とすみません。
 
 先にも述べましたが、まだまだ幸手市でも解決しなければならない課題が山積しています。