2014.12.07

幸手市の財政運営 「財政は、あります!」…?
衆議院選挙の告示以降、毎日、慌ただしく、ブログの更新ができなくて申し訳ございません。昨日は、枝久保県議の県政報告会及び三ツ林ひろみ氏の個人演説会に参加する機会があり、そこで感じたことをお伝えいたします。
政治は市民の皆さまや国民の皆さまの日々の生活が安心で安全、そして安定して営まれるための装置であり、「争点」はあっていいのですが、「かぜ」や「雰囲気」に流されてはいけないものなのではという気がしています。その点で言うと、今回の選挙は「無風」とされ、マスコミ報道も比較的冷静な報道がなされているのではないかという印象です。
さて、そんな今回の選挙の「争点」の1つは「アベノミクスの成果をどうみるか」という点かと思います。ある政党は「アベノミクス解散」と銘々しているくらいです。しかし、経済の好循環が地方に及んでいないことで消費再増税が延期されましたが、経済の好循環が地方に巡ってこないのは、本当にアベノミクスだけのせいなのでしょうか。
幸手市に限って考えてみると、幸手市はここ3年、連続で多額の繰越金が発生しています。国がない袖を振って地方にお金を配っても、交付税の半分にも及ぶ金額が「貯金」されていては地域に”余剰に”お金が回るはずなし。安倍さんがいくら頑張っても地方にお金は回りません。
そのようにして貯めたお金を何に使うか。市長の「公約」だからという1点で、「橋上駅舎」の建設です。多くの市民の方にご不便をかけながら進める区画整理事業という超長期な事業が全くまだ緒にもつかない段階で、事業の全容も不明なままに、貯めたお金は橋上駅舎に一気に吐き出します。
橋上駅舎はないよりはあったほうがいいかも知れません。しかし、それをどう活かしていくのかという経済波及の具体的見立てもなく、ただ、橋上駅舎ができれば活性化するなどと”お題目”を唱えるだけの財政支出でいいのか。
時は折しも「地方再生」に突入。自治体が「いかに稼ぐか」という発想と「わがまちらしさ」で価値を見出す時期にあるのです。
「経済の恩恵」を地方に循環させるのは地方であり、地方創生は地方の創意工夫に委ねる。それが今般成立した「地方創生法」の主旨です。地方創生のカギを握るのは何より首長の経営マインドである。そのような厳しさをもった「地域創生法」を自民党が成立させたのは、今のような地方の財政運営では行き詰まりを解消できないということも底流にあったのではないかと推測します。
長年「鳴かず飛ばず」と言われた幸手市ですが、否、否。実は今、幸手市はダイナミックに変貌できるチャンスを掴んでいます。幸手市は決して資源のないまちではありませんよ。お宝はぎっしり埋まっているのです。
例えば、県内でも有数の観光地となった県営権現堂公園はもとより、圏央道開通、産業団地の優良企業誘致、東埼玉道路の拡幅延伸、また、南地区では組合施行の土地区画整理事業が準備を加速させていると聞きます。幸手総合病院の移転後、すぐに開院した東埼玉病院や、日本保険医療大学が幸手高校跡地で学部を増やす計画を発表するなど、医療や教育の充実も実現しています。ひばりが丘工業団地の事業所をはじめ、頑張っている個人事業主も数多くあり。
それぞれ”点”として開発される事業には多額の国費や県費、当然民間資金が投入されています。それらをどう結んでどう発展させていくのか。そのことにお金が使われることで経済効果は必ず倍増するはず。
「幸手市の資源は日光街道、宿場町」とする市長が、市民の意見も聞かないで、幸手駅を橋上化させようとしています。しかし、このまま作ればまるで「金太郎あめ」。幸手駅の顔となる駅舎の外観は、一番安く仕上げるとこれ、という外観で、「幸手宿」の風情もなく、他の駅を模して計画されています。こんな個性のない駅でいいのか。
駅舎は一度作ったら50年、100年モノ。まちづくりとして全く「ちぐはぐ」なまま、橋上駅舎化を推し進めても、確かに機能的にはよくなるのかもしれないが、「まちの印象破壊」は取り返しがつきません。3年間、貯め込んだお金を駅舎建設のために、一気に吐き出す。駅舎ができたころには基金(市の積立金)はほぼカラの状態となります。
それでも「将来も、お金はあります」「財政とは余るようになっているのです」と言い切る行政。その元で、市民が不便している小さな「修理」は置き去りです。一体何を削ってそんなに多額のへそくりを生み出したのか。
財政は市長や行政のポケットマネーではないのですよ。駅舎建設は一度立ち止まっても大丈夫。地域創生を本気で考えるなら、一度立ち止まって、市民に問うてみてはいかがでしょう。
さて、幸手市の事情はさておいて、どんな政策もタネを蒔いて花を咲かせるには一定の時間がかかります。安倍政権が2年で信を問うたのは、2年前に蒔いたタネに花を咲かせるために水をやり続けるには後4年は必要との判断もあったのではと私は感じています。6年で成果を見せる、というリーダーの覚悟というべきか。
今、ようやく動き出した経済の好循環を確実なものにするには、消費税再増税の延期期間となる約2年をどう過ごすかが勝負だと。消費税再増税後も2年は政策の成果を見定めたい。そういうリーダーの決意、責任感があったものと私は感じています。
長々と書きましたが、お伝えしたかったのはアベノミクスの経済好循環が地方に及ぶためには、地方の本気の財政運営が不可欠だという事です。幸手市もここ5年が勝負です。無為に過ごすわけにはいきません。