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小松弥生氏に県議会文教委が同意 25日の埼玉新聞より
県議会2月定例会で継続審査となり、4月1日から空席となっていた県教育長に小松弥生氏を任命する人事案件に、文教委員会が24日、全会一致で同意したという記事です。
同意に至るまでにはいろいろあったようですが、それは置いて、小松氏とはどういう方か。新聞によると、同氏は東京都出身。1981年に旧文部省に入省し、90年から3年間、県教育局に出向した経験あり。仙台市や静岡県掛川市の教育長を務め、文科省研究振興局長を最後に16年12月に退官した、という経歴の持ち主で、御年58歳。私より1歳年下です。
小松氏は文教委での所信表明で「いじめや不登校、高校中退防止などに力を尽くす」と決意を示し、教育だけでなく、文化や学術、化学技術の分野にも携わってきた文科省時代の知恵を活かしながら、「県の教育行政の課題に取り組んでいく」と述べたと。
幼少年期の教育は学力だけでなく、教養なども含め、その後の人生を左右する全人格形成の重要な時期であり、女性の視点で様々な課題に取り組んでいただくことに大いに期待をしたいと思います。が、さりとて学力はとても大事な要素の1つで、学校教育において全国比較可能な分野です。各市町村が全国学力調査の結果をHP等で公表していますので少し比較してみます。子どもたちの点数そのものではなく、教育行政の課題を考えるヒント、新教育長の背景としてご覧ください。
小松氏が歴任された市の平成28年度全国学力調査結果は、掛川市は各教科の平均正答率が全国比小学校、中学校ともにすべての教科において全国平均以上。仙台市も中学生の平均回答率はすべての教科で、全国・宮城県・大都市を上回っているという結果であったようです。
埼玉県全体の平均回答率が全国平均を下回ることから埼玉県自体が課題県と言えるかもしれませんが、その中で、幸手市の結果は「小学校では全国平均比▲2.7~▲5.1ポイント。中学校は▲4.3~▲11.9ポイントで、数学A・B問題ともに10ポイント前後の差があり大きな課題である」(市教委まとめ)となっています。
平成28年度の調査結果と歴代教育長の一人である小松氏の実績との因果関係までは調べが及びませんが、少なくとも現在の両市の結果から、就任中、子どもたちの学力定着を確実に進めてこられたであろうことが推測され、その手腕への期待が高まります。
特に、今回、私が一般質問で取り上げるように、中学2年生になるとがくんと平均回答率が低下する今の幸手市。どこの市町村にも同様の課題を抱える学校はあると思います。このような課題にどのように対応して来られたのか。まずは幸手市教育委員会が頑張るのは当然ですが、なかなか浮上できない原因究明と課題解決に向け、新教育長のご指導にも期待するばかりです。
♥県教育長人事というと自分たちとほど遠い感がありますが、実は教員人事・研修、教育方針など、県下の教育行政の総元締めとして絶対的影響を与える存在です。この人事案件は県議会6月19日の本会議でも同意される見通し。