2025.01.23

時事問題 NTTデータグループ 電通グループ 他
21日付け日経新聞より 備忘録方。時代を映す記事を4つ。雑感を含めて。ご関心がありましたらお目通しを。
【1.企業向けシステム開発に生成AIを活用 NTTデータグループ】
NTTデータグループは、2025年度に、企業向けシステムの開発工程全てで生成AIの活用を始めるとの記事。何のこっちゃと私などは置いてけ堀になる記事ですが、私も自治体の議会末席にあって子どもたちの将来を左右する教育に発言できる立場として、分からなくても分かる努力をしなければならない分野です。
NTTデータGの狙いはITエンジニアの不足やシステム老朽化に伴う損失が懸念される「25年の崖」への対応です。"壁"ではなく"崖"です。2025年問題はシステムエンジニアだけでなく、運輸など様々な分野で社会現象となっています。問題の根源は団塊世代の後期高齢者域突入です。知識も経験もある高齢者には社会でいつまでも活躍いただきたいところですが、やはり、体力や健康面でリタイアが余儀なくされる。そのような中で効率化や技術改良にAIは欠かせないツールに。特に生成AIの活用は加速。生成AIのキーワードは"自律"です。システム会社は投入人員と開発時間を掛け合わせて料金が決まるとされていますが、その作業時間を減らすことに繋げる。システム開発は顧客企業の要望に合わせての要件設定や構造設計に生成AIを活用するのが難しかったそうですが、この度のNTTデータGの効率化への舵取りは業界のビジネスモデルの転換点となる可能性もあるそうです。
♥幸手市においてもプログラミングなどの授業で子どもたちのICT教育を推進していますが、これからの"人=エンジニア"の仕事は、生成AIが自律的に組み合わせた新技術を修正し、品質を確保することだそうで。どんな世界が待ち受けているのか。また、どんな資質を身につけていたらエンジニアとして面白い仕事ができるのか。幸手市においても今後の社会の変遷に負けない教育=カリキュラムが発効されるよう勉強し、見守って行きたいと思う次第です。
【2.1億円過大請求 電通グループ会社】
厚労省から新型コロナウイルスの感染拡大に対応するシステム開発を受注した電通G会社が、人件費を水増しするなどして約1億1千万円を過大に請求していたことが会計監査院の調査で分かったというもの。こちらもシステム関連です。内容は、各医療機関の稼働状況、機器や資材の確保状況などの情報を一元的に地方自治体に提供するシステムを開発する契約を厚労省が発注。電通G会社に支払われたコールセンターの運用費などを含めた約8億6千万円は、コールセンター業務などを別の会社に再委託。さらにその一部が別の会社に再々委託され、検査院が契約内容を調べたところ、電通G会社が勤務実態のない人数分の人件費まで計上していたことが判明したのだとか。また、クラウドサービスの費用にも誤りが。同社への適正な支払いは約7億5千万円だったとして差額を不当と認定。会社は謝罪し、速やかに返納するとしているとのこと。
♥コロナ禍という混乱の中で、全国の自治体が厚労省の情報を一元的に受信できたことは自治体職員のみならず、医療現場や市民の安心と社会の安定に寄与したと私は認識しています。次々と解決しなければならない問題に対応する中で、システム仕様を起案した厚労省職員、構築したエンジニアの方も立派です。また、あの状況下で悪意なく実体以上の経費を見積もることは会社としてもある程度致し方ない側面もあったかと思いますが、最後の砦として会計検査院のチェックが抜け道を塞いだ。素晴らしいです。
【3.兵庫県 元県議死亡 立花氏虚偽発信謝罪】
兵庫県の元県議が亡くなられた理由にまで私の推測の余地はありませんし、何が引き金となったかも我々が憶測で語るものでもありません。ご無念の中で亡くなられたであろう元県議さんにはいずれ安らかにとご冥福を祈るばかりです。しかし、この件では、政治団体の党首や党員がSNS上で虚偽の発信を繰り返し、再生拡散されていたのは私も見ていました。虚偽のことをあたかも事実のように発信し、後で虚偽だったと謝罪して落着?兵庫県警本部長も全くの事実無根とし、明白な虚偽がSNSで拡散されたことは極めて遺憾と。兵庫県知事は、SNSでの誹謗中傷を防止する条例の制定を準備していくとしています。
♥虚偽投稿の主は社会の裏側をえぐる感覚が一定の信頼を得ておられた方かと認識します。私はこのブログ以外、SNS上に情報を拡散させる手段は持ち合わせていませんが、改めて、情報の渦に溺れることなく真実を見極めることの大事さを意識させられた思いです。皆さまも情報拡散を安易に考えず、SNSなどは慎重に活用されますようお願いしたします。
【4.東京女子医大 背任事件】
同医大を巡る背任事件は元理事長による不正蓄財が疑われています。1強の権限で虚偽の稟議を通し、大学が支出した資金を自身へ環流させた疑いがあると。1強の理事長に対して理事会は異論なし、業務内容の精査なしで通過。ある大学幹部は「理事長による事実上のワンマン経営で、理事会は反論できる雰囲気ではなかった」と証言。実際の業務内容に実態はなく、捜査幹部は稟議全体が虚偽だったと。こと左様なやり方で環流された資金はこれ以外にも多額になると。
♥問題の根源は何か。それは組織のチェック機能が働かなかったことです。人事権を握るトップにモノが言えない。組織にありがちな構図ですが、言うべき人が言わなければ裸の王様を作り出す。事なかれや議論不在で良しとする周りがモンスターを作る。メスの入りにくいところではありますが、日本の首都にあって大切な日本の医療資源を司る大学病院です。組織体制を改めて出直していただきたいですね。
長々とした私の備忘録と独り言的つぶやきにお付き合いありがとうございました。共感いただけるところはあったでしょうか。皆さまも社会のいろいろなお立場で未来を見通しながら活動されているものと思います。未来の子どもたちが明るく自信を持って社会に参画してくれるために、機会がありましたらいろいろな場面でご意見をお出しいただきたいと思います。物言わぬ当事者の問題は4.の通りです。