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消滅可能性都市 脱却

2024.04.26

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幸手市 10年越し 消滅可能性自治体から脱却!

昨日の新聞、幸手市が消滅可能性都市を脱却したとの報道が。ご覧になりましたか。まちづくりにはいろいろな要素が絡み合っていますので、脱却の要因は一つではないと思いますが、取り敢えず、消滅可能性自治体からの脱却は喜ばしいことです。

全国では前回2014年の分析時に含まれていた自治体の中で239団体が「消滅可能性都市」から脱却。新たに99自治体が該当したとのこと。埼玉県では16団体が該当。前回の21団体からは減ったものの、新たに2団体が対象に。

埼玉県内で消滅可能性自治体から脱却したのは幸手市を含む7自治体で、幸手市のほかは飯能市、北本市、三郷市、嵐山町、三里町、宮代町。唯一、自立持続可能性自治体となったのは滑川町、ブラックホール型自治体となったのは蕨市と毛呂山町でした。(分類の定義は下の♥印に)

ほかの自治体の状況を私たちが勝手に分析することは控えなければなりませんが、新聞によると、三郷市はつくばエキスプレス三郷中央駅周辺の区画整理により人口は増え続けており、また、嵐山町は戸建て住宅の増加を脱却の理由としています。また、滑川町も2002年に東武東上線「つきのわ駅」が開業し、大規模な住宅開発が行われたことが脱却の要因と。やはり、住宅供給は人口を左右するポイントですね。

幸手市も市街化調整区域への戸建て新築が増加し、恐らく子育て世代の流入に貢献していることは確かです。しかし、市街化調整区域の住宅建築の"タネ地"は無尽蔵ではありません。市街化区域、特に中心市街地は人口減少が著しく。この先も消滅可能性自治体を脱却し続け、さらに自立持続可能性自治体にステップアップして行くには、どんな施策が奏功したかをしっかり分析し、人口問題にヒットする"次の一手"を研究し実行して行く必要があります。市街化区域の住宅を空き家にしない。中心市街地の空き店舗の活用、空き地の活用をしっかり進めること。また、一家に複数台の自家用車のあるご家庭も多いので移動に駅を使わないという方も多いかも知れませんが、鉄道駅は社会インフラの大資源であり、円滑なアクセスを可能にするとともに、駅前の楽しさや魅力アップをさらに推進する必要もあると私は考えています。

♥因みに、今回の分析では社人研が公表した「地域別将来推計人口」をもとに、子どもを産む中心世代である20〜39歳の「若年女性人口」に注目し、1729団体を4つに分類しています。
❶2050年までの30年間で若年女性人口が50%以上減る自治体は「消滅可能性自治体」
❷100年後も若い女性が5割近く残り、持続可能性が高い自治体は「自立持続可能性自治体」
❸出生率が低く他地域からの人口流入に依存している地域を「ブラックホール型自治体」
❹いずれにも該該当しないものを「その他」

♥♥日本の人口を吸い続ける東京。東京一極集中は日本の活力の源でありながら、地方疲弊と背中合わせの要素でもあります。地方の生き残りは難しいですが、しかし、幸手市は東京圏に位置する自治体として、まだまだ人口流入のポテンシャルはあるはずです。東京から一時間というロケーションは全国の自治体にしてみれば「お宝」です。消滅可能性自治体からの脱却は町の持続性に直結します。子育て世代に"選ばれる自治体"となるべく更なる魅力(政策)を磨いていかなければなりません。

考察2 人口問題

2021.07.21
多様な働き方が可能な条件が揃う 評価点

先のブログの続きです。新聞に掲載された評価の概要をお知らせいたします。いつも長くなって恐縮です。ご関心のあるところをご高読賜れば。よろしくお願いします。

【評価の概要】
①首位の小松市
○学童を含む保育環境と福祉施設の充実度、住宅の広さ=最高点
製造業が集積するほか、金沢市に近く通勤時間は総じて短い
○職場への出勤、在宅勤務のいずれも選択しやすい環境にある
*なお、小松市経営政策課は「新型コロナ拡大を機に働きやすい環境を一段と整備したい」とする。
*市内企業がテレワーク用の機器・サービスを購入する際、最大100万円を補助
する制度を20年5月に始めた。

②多様な働き方や生活は大都市でなくても可能
○トップ30(同率23位内の31市)には、中核市への移行に必要な20万人に満たない21市が入った。
○2位の鳥取市、3位の富山県高岡市はいずれも公衆無線LANが整い、相対的に地域内で所得と支出がうまく循環している。

③3世代同居
○上位の自治体は3世代同居が相対的に多く、地域社会の結びつきも強い。
○子育てと仕事を両立しやすい環境にある。

④昼間人口
○コロナ前後の変化を反映。NTTドコモの人流データで平日午後2時の人口を比べると、小松市と高岡市で3%増えた。
○総合点が高い都市で昼間人口の増加率は高い傾向がある。
○自宅周辺で働きやすい環境が整っているようだ。

⑤2位の鳥取市
○旅先で仕事をする「ワーケーション」の需要を掘り起こす。20年度から企業が市内の事業所やシェアオフィスを体験利用した際に交通費や宿泊費の一部を補助する制度を導入した。

が魅力かなと感じるところを太字にしてみました。 幸手市も保育所の待機児童ゼロ、学童は一部大人数なところもあり課題はありますが、現在は各小学校に配置されています。小松市の補助制度、鳥取市、高岡市の公衆無線LAN整備、相対的に地域内で所得と支出がうまく循環しているというのはまちづくりとして魅力ですね。立地環境もあるのでしょうが。

さて、あまり長くなってもいけないので。この号の最後に専門家の意見を。

【専門家の意見】
?公共政策に詳しい京都大教授
「人口増のような単純な発展モデルではなく、職住近接や生活の質の視点で地域を評価することが必要だ」と指摘。10万人の都市が活力を取り戻すことが重要だと訴える。
?共同で調査した東大の教授
「多くの人が大都市の過大な移動距離や待ち時間に気づいた。コロナ収束後も『密』の解消や職住一体化が進み、中堅都市の求心力が高まる」と予測する。

♥まだまだ考察の前にまな板の上に載せたい材料あり。次の号で。「まだ続くのか」とおっしゃるなかれ。ご関心のあるところをお読みいただければ幸いです。

考察 人口問題 自分のまちの現状を知るために

2021.07.21

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多様な働き方ができる自治体ー新型コロナウィルス流行を機に働く場としての中堅都市の潜在力が浮かんできたー 日経新聞朝刊より

今朝の日経新聞に、日経新聞と東京大学が各種都市データを集計し、多様な働き方が可能な特徴を点数化。主要287市区に順位をつけると、人口10万人の石川県小松市が首位となった。トップ30の68%を10万人台の都市が占めたとする記事が載っています。

人口問題に決め手を欠く自治体は少なからずあると思います。同じ地方自治体ながら、中核都市以上の自治体に人口が集まる傾向は否めず。何をまちづくりの目標とするのか、地域の魅力とは…。住みよいまちづくり、選ばれるまちづくりはどの自治体にとっても永遠の課題です。

では、幸手市の未来にどんな可能性があるのか。東京に向かって中核都市がひしめく環境にあり、どんな土俵なら戦えるのか。10万人都市には及ばない、さらに埼玉県の最東部に位置する幸手市。幸手市の位置的条件や現状を洗い直してみることが必要です。私たち自身が気づいていない魅力やお宝はあるはず。私たちのまちの現状を知ることから。
*戦う=住み良さで選ばれる。住民の願いが叶うの意です。人口争奪戦という意味ではありません。

私は6月議会で人口問題を取り上げました。そして、より深い分析を求めました。その議論の中で、今更ながら一つ、共通認識としたのは、幸手市の人口減少の3/4は自然減だということです。社会減は200人弱。さらにその中の転勤など自治体の政策では手が届かない要因を差し引けば、もしかしたら政策によっていくらか食い止めが可能と考えられる人数です。では、どんな魅力を積み増すか。これが今回、私が無謀な考察に取り組むことにした理由です。幸手市の進む方向が見えるのではないかと仮説を立てて。

とは言え、東大と新聞社が行った調査を私が簡単に追えるはずもなし。皆さまの中には分析が得意な方、また、いろいろなソースをお持ちな方もおられるかと思います。是非いっしょにご考察頂ければ幸いです。

■【今回の調査で使われた分析指標・採点方法】
?公衆無線LAN整備状況(スポット数)
?通勤時間
?保育サービス利用率
?生活関連施設がある人口比率
?地区内の経済循環率
?コロナ前後の昼間人口増減率
?住宅面積
?福祉施設の整備状況
*これで仕事と生活を両立できる環境、地域の自立度を把握。それぞれの水準で採点し順位をつけた。

■【多様な働き方が可能な条件が揃うトップ10】
1.石川県小松市 10万8265人 67.0点
2.鳥取市 18万6960人 66.0点
3.富山県高岡市 17万0493人 65.5点
4.愛媛県西条市 10万8961人 64.5点
5.長野県飯田市 10万0702人 64.0点
6.青森市 28万1232人 63.5点
7.金沢市 45万2220人 62.5点
8.福井市 26万3152人 62.5点
9.新潟県上越市 19万1197人 62.0点
 滋賀県彦根市 11万2975人 62.0点
 福島県会津若松市 11万8322人 62.0点
*総合点は80点満点。

上記結果に埼玉県に数多ある10万人都市が入っていないのは特徴的ですね。トップ10の都市は中核都市と言いながら、県庁所在地も含まれるなど立地条件は様々ですが、多様な働き方を考えた時、もしかしたら、私たちがモデルとする都市像は埼玉以外にあるのか。そんな仮説も成り立ちそうです(さりとて、幸手市は埼玉県の都市計画に含まれている。これは前提です)。
今回は最後に、埼玉県の10万人都市を列記しておきたいと思います。

■参考資料 埼玉県10万都市
*2020.4月調査(外国人住民を含む)
○10万人以上 熊谷市 加須市 狭山市 鴻巣市 
 深谷市 戸田市 入間市 朝霞市 新座市  
 久喜市 富士見市 三郷市 坂戸市 
 ふじみ野市
○20万人以上 春日部市 上尾市 草加市
○30万人以上 川越市 所沢市 越谷市
○50万人以上 川口市
○100万人以上 さいたま市
*さいたま市は10区。それぞれ約10万人
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♥ 姿の見えない敵とは戦えません。この考察は一朝一夕にはいかないと思いますが、粘り強く考察する中で何かが見えて来ることに期待。?時間は残されていませんが、しかし、考察を楽しみながら次の一手を捻り出したいと思います。

♥♥考察にはいろいろな切り口があると思います。皆さまもこれにご自身のご関心のあるテーマをクロスして考えてみてください。

♥♥♥ この調査の評価概要が新聞に掲載されています。内容は次のブログで。

考察 人口問題

2021.07.04

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幸手市の人口 ついに5万人を割る

毎月の広報紙裏面に人口増減が掲載されています。
7月号の数字は
人口 50,022人
世帯数 22,919世帯
前月比人口は▲71人、世帯数も▲16世帯。

辛うじて5万人をキープしました。人口の変動を人口動態と言いますが、前月比▲71人の中には自然減と社会減があり、自然減の中でも死亡数はまず、受け止めるべき数字です。

少し考察すると、その死亡数を差し引いた上で、人口動態を見たとき、ポイントは社会減数と世帯平均人員と地域別の増減数だと私は考えています。毎月の広報紙の人口数から転出者転入者の数はチェック出来ませんが、社会減の過去の統計では、幸手市では毎年、2000人弱の方が転出し転入され、その差は200人弱で推移しています。

幸手市が人口増減の戦略ターゲットとすべき数字は、実はこの200人減であり、幸手市の施策を総動員して、±0を目指す。こうして数字を分解してみると、決して諦める数字でないことがお分かりいただけると思います。
また、世帯平均人員は独居数・率の割り出しと対策が重要で、どの年齢層でも一人暮らしの方はいらっしゃいますが、高齢化の現状として、夫婦二人が一人になることの不便さや困難さや孤独が生活のQOLを左右していないかがチェックポイントです。
また、地域別増減数はコミュニティ維持の適正規模との関係性の把握に繋げて、地域に必要なサービスを提供する体制や環境を、地域の担い手づくりも含めて整備して行くためのチェックポイントと考えます。
さらに、今日は取り上げませんが、生業としての商工農業や雇用、地域経済も人口動態が与えるインパクトの大きな領域と考えています。

上記のような数字で課題を絞り、市民の生活をしっかり把握する。そのためには分析と、地域に分け入って話を聞くことが重要です。私が行政に対して様々な情報のクロス分析と地域マネジメントの練度と精度を求めるのはこのような市民の生活の質の現状を知り課題を抽出するに不可欠だからです。そして、並行して必要なことは実践力です。今後、2060年に幸手市の人口は約34,000人になるとの推測の中、今から将来を見越した対策をきちんと実行することが求められます。計画倒れや研究や検討に時間を費やしてばかりはいられない。

幸手市が一時期6万人のまちを目指すまちづくりをしてきた経緯を考えれば、今後は様々な縮小も余儀なく、上手な縮小も視野に入れたまちづくりが求められるのは必然です。今のまちの規模をそのままキープするのは不可能と言えます。そして、今後の断捨離と効率化には市民の皆さまのご理解と知恵と共汗、協働が不可欠です。市がやってくれないと言う前に。自分に何ができるかと考えて。皆んなで一緒に乗り切って行きましょう。

6月25日、令和2年度の国勢調査の速報値が公表されました。全国で人口が増えている地域は限られています。東京圏の埼玉県という人口増加県にある幸手市の人口減少は悩ましいところですが、諦める必要はありません。コツコツ、どのような時代になっても住みやすく、生活のQOLが維持されたまちづくりを目指す。これしかありません。

財政が厳しい中で引き継がれた木村市政は、今年の秋で丸2年を経過します。コロナ対応で多くの職員が割かれる中、まずは市政一新。幸手市行政の建設的破壊と再構築という最難関の課題に取り組まれています。一筋縄ではいきません。100年に一度の変革期に、時間はありませんが一足飛びとはいかない中、着実で誠実な課題解決を私も期待しながら見守っているところです。

♥最後に。
6月初めには辛うじて5万人をキープしていた幸手市の人口は、6月末に5万人を割りました。
人口 49,957人 高齢化率 35.2%

この現実をしっかり受け止め、しかし、前述のように、決して悲観することなく怖れることなく、皆んなで粛々と必要なことを紡いで行きましょう??

♥♥私はそんな覚悟です。皆さまには生活の中で感じる小さな困りごとを是非、お知らせ下さい。自分にとって小さな出来事でも、地域や個人の環境を超えて普遍的な課題が潜んでいることはあるはずです。できる限りの対応に努める所存です。今後ともよろしくお願いいたします。

総人口7年連続減

2018.04.15

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続きましては日経新聞から 

 昨日の日経新聞。総務省が2017年10月1日時点での人口推計を発表した、という記事から。

 ◎外国人純流入 最多14.7万人
   総人口7年連続減 1億2670万人

 外国人を含む総人口は16年と比べて22万7000人減少。外国人の純流入人数は過去最多の14万7000人で、人口減の加速を外国人の増加が緩和する構図が明らかになった。
 1年間の出生数から死亡者数を差し引いた人口の自然増減は37万7000人の自然減だった。外国人の純流入は5年連続増加。若者層の目減りで年々不足する労働力を補おうと、高度人材や外国人技能研修生の流入が拡大している。国交省によると、建設分野では外国人労働者が11年以降の5年間で3倍以上の4万人超に急拡大。20年の東京オリ・パラもあり、この流れはしばらく続くと見られている。というのですが。

 海外から人材を呼び込むには生活環境面の整備も重要で、外国人医師が原則として自国の患者しか診断できないなどの制度のカベや、水害など非常時の多言語対応も課題になるそうです。

 皆さんは新聞折り込みで配布される求人広告をご覧になりますか。私は毎週できるだけ目を通すようにしていますが、コンビニやスーパーの店員、給食調理員、介護スタッフ、トラック運転手、製造ラインスタッフ、医療事務等、様々な職種で、しかも長期にわたり広告が出ているケースも見られます。事業拡大で人手が欲しいという前向きな求人なら問題はありませんが、企業が地域で人材を確保できない状況であるとしたら問題です。幸手市には「ふるさとハローワーク」が開設されていますので、機会を見て幸手市の雇用環境について確かめたいと思っています。

 高齢化は日本を筆頭に、今度、アジアやヨーロッパでも顕著となる課題で、世界が日本の乗り切り方に注目しています。
 そのような中で、国会では何だかいろいろなことが噴出し、収拾のつかない状況となっています。野党の皆さん、与党の皆さん、それぞれに主張はあると思いますが、問題は問題として何が問題なのかを整理してほしい。おもちゃ箱をひっくり返すことより、その後の整理が重要です。大事な法案や国際的な課題にも十分審議時間を割いていただきたい。そう思うのは私だけでしょうか。

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