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市長の辞書には

2017.09.08

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9月議会で唐突に 6月議会の市長答弁を訂正

 市議会では今、市長の「答弁の虚偽性」が問題となっています。

 6月議会で、市長が休暇と称する休みをとって頻繁に海外に渡航しているのではないかとの疑惑が浮上。大平議員が一般質問で、休暇と称する休み中の所在証明のため、パスポート等の写しの開示を市長自らがするべきではないかと迫りました。それに対し、市長は頑なに公開を拒否。さらに、海外渡航の回数を聞かれて「2回」と強弁し続けました。

 ところが、やはり世の中事情通はいるもの。今議会開会前の8月22日、「市長の議場での答弁と、市民側の把握している事実とのギャップは、あまりに大きい」とする市民から、市議会での市長答弁の虚偽性に対して、幸手市議会に100条委員会での審査を求める「幸手市議会に地方自治法第100条の規定に基づく調査委員会の設置を求める陳情」が提出されました。

【幸手市議会に地方自治法第100条の規定に基づく調査委員会の設置を求める陳情】
 ≪陳情項目≫
 幸手市議会に地方自治法第100条の規定に基づく調査委員会を来たる平成29年9月開催の市議会定例会の会期中に設置し、渡辺邦夫幸手市長の市町在任中の海外旅行の実態、庁内各機関への届け出関係の有無等について、その真実の姿を明らかにしていただきたい。

 そのような経緯の中、因果関係は定かではありませんが、昨日、市長から突然、改めて「6月議会での発言の訂正」の申し出があったのです。

 訂正内容は以下のようなことです。
「6月議会に、平成28年以降の海外渡航は2回と答弁したが5回の間違いであった。平成28,29年の渡航歴は、平成28年は2月、5月、8月。平成29年は2月、5月の2回、各3~4日間の日程で、フィリピン、台湾、ベトナム、タイに行った」というものです。

 陳情には、市長在任中の6年間で延べ16回の渡航を確認しているが、特にフィリピンへの渡航歴の突出した多さに驚きを禁じ得ないとの記述もあります。私も同感です。市長職はタイムカードを刻印するような職種ではありませんので、庁内でも見かけない方が多いわけですが、6年間で16回も海外渡航されていたとは。しかも、近年の渡航が2回か5回かも記憶にない。
 市長が休暇を届け出ていようが無届であろうが、こんなに頻繁に「休暇」をとって海外に行く首長は全国にどれだけいらっしゃるのでしょう。職員もどうして止めないのか。首長不在が問題ない組織ということか。あまりに首長の役割を軽んじた発想です。

 市長や執行部は「ケータイメールで十分指示は可能」としていますが、先日、秋田で豪雨が発生し、国内でゴルフをしていて登庁が遅れた首長が引責辞任をしたケースがありましたね。実は渡辺市長は過去にも職務代理者を置かず渡航し、その時は豪雨で市内に被害が発生。市議会は市長に問責を決議し、猛省を促した経緯があります。市民が心配しているのもそこなのです。 

 市長自らがパスポートの渡航歴の写しを提示すればすべては明白になる。と陳情書は呼びかけています。そして、私たち市議会に対しても、是非、チェック&バランスの機能を十分発揮して審議を尽くしてほしいとの要望も記されています。今回は市議会の審議を待つことなく、市長自らが答弁訂正という異例な方法で、渡航歴の一部を明らかにしましたが、実は市長が反省をしていないと思われる事態として、海外渡航が追及された6月議会後、議会が終るのを待って、6月27日から市長は再び機上の人としてアジアに飛んだことが確認されています。なんという神経か。

 今回の答弁訂正に、「逃げ切り」「不自然な幕引き」のニオイを感じる市民。不信がさらに高まったとの声が聞こえてきます。市長の辞書には「反省」「誠実」という言葉はあるのか。