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松田まさよ一般質問より
9月議会では6項目の質問をいたしました。その内容については、8月24日のブログでお伝えしているところですが、どのような答弁があったのかお知らせいたします。一気にご報告したゆえに、たいへんなボリュームとなってしまい申し訳ございません。
1.埼玉県学力向上パワーアップ事業と市の取り組みについて
この埼玉県事業は、埼玉県によって対象校がすでに選定されていて、幸手市は対象外ということでありました。逆に言えば、幸手市の学力テスト分析は通常通り独自に行うことになります。幸手市の明るくて素直な子どもたちがからこそ、学力面でもしっかりと力をつけてほしい。特にここ数年、中学2年生で学力が失速する原因を早く究明して有効な対策を立てていただくことを要望しました。
2.定住促進・住宅・雇用・活性化対策について
人口減少社会と東京一極集中が続くなか、幸手市は去る7月、ついに白岡市に抜かれ、埼玉県で一番人口の少ない市となってしまいました。人口減少を食い止めるためにどのような事業が成果を上げているのかを問いました。
答弁では幸手市にしかない魅力の発信。人口動態では転出者の微減、圏央道での新規雇用増、西口の土地利用の高度化などが挙げられました。「幸手市まち・ひと・しごと総合戦略」の唯一の若者指標である『婚活によるカップル成立数』について質すと、思わしい成果に結びついていないとのこと。
ある意味、当然です。指定管理者の自主事業に任せるだけで成功するとは思えません。人生の伴侶を見定めるというのはもっと厳かなものです。相手を見定める情報もなく出会いを創出するだけでは一日の出会いでthe Endです。何とかして若い人たちの出会いの機会を作れないか。ということで、私は幸手市の新成人に着目。成人式から数年(5年程度)の期間、中学3年生のクラスを単位に同窓会の開催をサポートすることを提案。成人式の際に、それを新成人にプレゼント(といっても使わなければ空手形ですが)する。市民の皆さまの税金を使うサポート、補助なので幸手市の中学校を卒業しなかった方には申し訳ないのですが、幸手市で育った若者は他の地に出ていく割合が多く、その若者が再会する機会の創出に是非、ご理解をいただけたらと思います。
人口減少や地方創生への施策は地道で愚直で長期の取り組みが功を奏する。一過性のイベントでは成就しない。なお、この件については、わざわざ副市長から「検討します」との答弁をいただきました。小さな事業ですが、新成人自体が今後減少していく中で、少しでも早い予算化に期待。最速で、来年度の予算に反映される可能性も。若者に魅力ある仕組みとなることに期待したいと思っています。
3.空き家対策について
人口減少社会を迎える日本において、今、問題化しつつあるのが空き家問題です。来年度には国の税制改正が強化されるとの新聞報道もあり、幸手市の現況をたずねました。
答弁では、現在、空き家については防災安全課が所管となっており、空き家として認知しているのは358件、所有者不明の空き家は3件ということでありました。空き家の有効活用に資する「空き家バンク」は未設置。幸手市では「空き家条例」において空き家バンクの設置を謳っていますし、私はこの条例制定時にこの空き家バンクに大いに期待をしていたのですが、所管が防災安全課という時点で、有効活用ができる体制にあらず。今後は県と共同で対応していくという事でしたが、私はまず、空き家の有効活用に関して所管の見直しを求めました。まずは体制づくりから。幸手市は高齢化率も高くなっていて、今後、相続などで土地の売買、また、所有者不明空き家が増える可能性が高くなっています。早急に体制を整えて課題にあたっていただきたい。
4.内水被害改善対策について
このところ、切り口を変えて質問を繰り返してきましたが、水害対策は地方創生以前の、市の基盤整備としてしっかり改善を図って行かなければならない重要課題です。現在、幸手市には内水が溜まる場所には強制排水を行う「ポンプ場」が設置されています。今回の質問では市が管理する各ポンプ場への内水の流入経路と主要水路の浚渫施工の履歴(倉松川および大中落流域)、今後の対応をたずねました。
浚渫に関しては、ポンプで水を引っ張ることで堆積土も運ばれ、主要水路に堆積物は少ないということでありました。なお、幸手市では、今後、排水ポンプの設置を増やしていくという事ですが、埼玉県では、倉松川への排水の増量が検討されており、今秋に結果が出るという答弁があり。それがなれば、さらに排水を増やせる可能性も。さらに、幸手市では現在、幸手・五霞線の整備が県によって推進されていますが、この道路は現在、豪雨時に渡辺家さんから大堰橋までの間で2カ所も道路が通行止めとなるなど、交通が分断されます。この解消を目指すことで周辺地域の水害も改善に向かうことが考えられ、この道路冠水への早急な対策を要望いたしました。今後の推移を見守りたいと思います。
また現在、今回の答弁を元に、市内のどの地域からどのポンプ場に水が流れてくるのかを地図に落しています。今後もその中からできることを抽出して、できるだけ早く、少しでも改善がなされるよう質していきたいと思っています。
5.第6次総合振興計画策定事業の推進について
幸手市の最上位計画である「総合振興計画」の更新についての質問です。10年後をどう想定するか。この計画の良し悪しで将来の幸手市の姿が決まる。私たちの責任は重大です。そこで、まずは『5万人アンケート{回答可能な年齢以上の市民全員を対象とするアンケート)』の実施を提案。質問項目の選定は難しいと思いますが、市民との協働や市の魅力発見などに焦点を当てて、市民の皆さんがどんなまちに住みたいと思っているか、どんなことに魅力を感じているか、何を発信していけばいいか、などの項目を老若男女を問わず、抽出ではなく、全員から聞くという、これは市の一大イベントとして実施することが有効と私は考えます。今、考えるとこれこそ、市政30周年のイベントとして行われてもよかったのかもしれませんね。
実は、このアンケートは行政課題のあぶり出しではなく、市民の方に市政に、わがまちに関心を持ってもらうという事も狙いの1つであるとして質しましたが、結果、統計学的観点から、通常このような計画を策定する際の常とう手段としての抽出アンケートしか考えていないとの答弁でありました。誠に残念!
6.緑地を活用した幸手市の魅力アップ構想について
幸手市の魅力の1つとして権現堂公園があります。権現堂公園は先人の努力と現在は県営公園として桜保存会の皆さんが指定管理者として毎日、入念な管理が行われています。この観光資源を結ぶ新たな観光資源の開発は市の命題ともなっています。前回の6月議会で、日光街道幸手宿の起点である志手橋の意匠復元を取り上げましたが、今回は、県営権現堂公園から上吉羽・下吉羽公園、中川を結ぶ散策路という緑地帯の中継地点にある宇和田公園や総合公園を核とする周辺を公共空間としてブラッシュアップして魅力創造を構想するべきではないかと質しました。
特に、今、幸手市が始めた駅前のレンタサイクルを活用した観光の回遊先の開発、あるいは総合公園を中心とした合宿所など、法的規制をクリアすればいろいろできることはあるのではないかと考えます。交流人口、そして、市民の活用に活路を見出すよう、前項の総合振興計画の改正に合せて是非、検討いただきたいと要望しました。
6項目目という事で時間が押して、財源の話しまでできませんでしたが、このような事業をすべて市の税金で賄うのは大変です。私は皆さまからのご寄附やふるさと納税などを使わせていただくなど、財源確保への活路も同時に研究すべきであり、このような研究こそ、これからの幸手市を担う若い職員に頑張ってほしいと願うものです。