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9月議会のまとめ2

2017.10.04

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松田まさよ一般質問より

 9月議会では6項目の質問をいたしました。その内容については、8月24日のブログでお伝えしているところですが、どのような答弁があったのかお知らせいたします。一気にご報告したゆえに、たいへんなボリュームとなってしまい申し訳ございません。

1.埼玉県学力向上パワーアップ事業と市の取り組みについて
 この埼玉県事業は、埼玉県によって対象校がすでに選定されていて、幸手市は対象外ということでありました。逆に言えば、幸手市の学力テスト分析は通常通り独自に行うことになります。幸手市の明るくて素直な子どもたちがからこそ、学力面でもしっかりと力をつけてほしい。特にここ数年、中学2年生で学力が失速する原因を早く究明して有効な対策を立てていただくことを要望しました。

2.定住促進・住宅・雇用・活性化対策について
 人口減少社会と東京一極集中が続くなか、幸手市は去る7月、ついに白岡市に抜かれ、埼玉県で一番人口の少ない市となってしまいました。人口減少を食い止めるためにどのような事業が成果を上げているのかを問いました。
 答弁では幸手市にしかない魅力の発信。人口動態では転出者の微減、圏央道での新規雇用増、西口の土地利用の高度化などが挙げられました。「幸手市まち・ひと・しごと総合戦略」の唯一の若者指標である『婚活によるカップル成立数』について質すと、思わしい成果に結びついていないとのこと。
 ある意味、当然です。指定管理者の自主事業に任せるだけで成功するとは思えません。人生の伴侶を見定めるというのはもっと厳かなものです。相手を見定める情報もなく出会いを創出するだけでは一日の出会いでthe Endです。何とかして若い人たちの出会いの機会を作れないか。ということで、私は幸手市の新成人に着目。成人式から数年(5年程度)の期間、中学3年生のクラスを単位に同窓会の開催をサポートすることを提案。成人式の際に、それを新成人にプレゼント(といっても使わなければ空手形ですが)する。市民の皆さまの税金を使うサポート、補助なので幸手市の中学校を卒業しなかった方には申し訳ないのですが、幸手市で育った若者は他の地に出ていく割合が多く、その若者が再会する機会の創出に是非、ご理解をいただけたらと思います。
 人口減少や地方創生への施策は地道で愚直で長期の取り組みが功を奏する。一過性のイベントでは成就しない。なお、この件については、わざわざ副市長から「検討します」との答弁をいただきました。小さな事業ですが、新成人自体が今後減少していく中で、少しでも早い予算化に期待。最速で、来年度の予算に反映される可能性も。若者に魅力ある仕組みとなることに期待したいと思っています。

3.空き家対策について
 人口減少社会を迎える日本において、今、問題化しつつあるのが空き家問題です。来年度には国の税制改正が強化されるとの新聞報道もあり、幸手市の現況をたずねました。
 答弁では、現在、空き家については防災安全課が所管となっており、空き家として認知しているのは358件、所有者不明の空き家は3件ということでありました。空き家の有効活用に資する「空き家バンク」は未設置。幸手市では「空き家条例」において空き家バンクの設置を謳っていますし、私はこの条例制定時にこの空き家バンクに大いに期待をしていたのですが、所管が防災安全課という時点で、有効活用ができる体制にあらず。今後は県と共同で対応していくという事でしたが、私はまず、空き家の有効活用に関して所管の見直しを求めました。まずは体制づくりから。幸手市は高齢化率も高くなっていて、今後、相続などで土地の売買、また、所有者不明空き家が増える可能性が高くなっています。早急に体制を整えて課題にあたっていただきたい。

4.内水被害改善対策について
 このところ、切り口を変えて質問を繰り返してきましたが、水害対策は地方創生以前の、市の基盤整備としてしっかり改善を図って行かなければならない重要課題です。現在、幸手市には内水が溜まる場所には強制排水を行う「ポンプ場」が設置されています。今回の質問では市が管理する各ポンプ場への内水の流入経路と主要水路の浚渫施工の履歴(倉松川および大中落流域)、今後の対応をたずねました。
 浚渫に関しては、ポンプで水を引っ張ることで堆積土も運ばれ、主要水路に堆積物は少ないということでありました。なお、幸手市では、今後、排水ポンプの設置を増やしていくという事ですが、埼玉県では、倉松川への排水の増量が検討されており、今秋に結果が出るという答弁があり。それがなれば、さらに排水を増やせる可能性も。さらに、幸手市では現在、幸手・五霞線の整備が県によって推進されていますが、この道路は現在、豪雨時に渡辺家さんから大堰橋までの間で2カ所も道路が通行止めとなるなど、交通が分断されます。この解消を目指すことで周辺地域の水害も改善に向かうことが考えられ、この道路冠水への早急な対策を要望いたしました。今後の推移を見守りたいと思います。
 また現在、今回の答弁を元に、市内のどの地域からどのポンプ場に水が流れてくるのかを地図に落しています。今後もその中からできることを抽出して、できるだけ早く、少しでも改善がなされるよう質していきたいと思っています。 

5.第6次総合振興計画策定事業の推進について
 幸手市の最上位計画である「総合振興計画」の更新についての質問です。10年後をどう想定するか。この計画の良し悪しで将来の幸手市の姿が決まる。私たちの責任は重大です。そこで、まずは『5万人アンケート{回答可能な年齢以上の市民全員を対象とするアンケート)』の実施を提案。質問項目の選定は難しいと思いますが、市民との協働や市の魅力発見などに焦点を当てて、市民の皆さんがどんなまちに住みたいと思っているか、どんなことに魅力を感じているか、何を発信していけばいいか、などの項目を老若男女を問わず、抽出ではなく、全員から聞くという、これは市の一大イベントとして実施することが有効と私は考えます。今、考えるとこれこそ、市政30周年のイベントとして行われてもよかったのかもしれませんね。
 実は、このアンケートは行政課題のあぶり出しではなく、市民の方に市政に、わがまちに関心を持ってもらうという事も狙いの1つであるとして質しましたが、結果、統計学的観点から、通常このような計画を策定する際の常とう手段としての抽出アンケートしか考えていないとの答弁でありました。誠に残念!

6.緑地を活用した幸手市の魅力アップ構想について
 幸手市の魅力の1つとして権現堂公園があります。権現堂公園は先人の努力と現在は県営公園として桜保存会の皆さんが指定管理者として毎日、入念な管理が行われています。この観光資源を結ぶ新たな観光資源の開発は市の命題ともなっています。前回の6月議会で、日光街道幸手宿の起点である志手橋の意匠復元を取り上げましたが、今回は、県営権現堂公園から上吉羽・下吉羽公園、中川を結ぶ散策路という緑地帯の中継地点にある宇和田公園や総合公園を核とする周辺を公共空間としてブラッシュアップして魅力創造を構想するべきではないかと質しました。
 特に、今、幸手市が始めた駅前のレンタサイクルを活用した観光の回遊先の開発、あるいは総合公園を中心とした合宿所など、法的規制をクリアすればいろいろできることはあるのではないかと考えます。交流人口、そして、市民の活用に活路を見出すよう、前項の総合振興計画の改正に合せて是非、検討いただきたいと要望しました。
 6項目目という事で時間が押して、財源の話しまでできませんでしたが、このような事業をすべて市の税金で賄うのは大変です。私は皆さまからのご寄附やふるさと納税などを使わせていただくなど、財源確保への活路も同時に研究すべきであり、このような研究こそ、これからの幸手市を担う若い職員に頑張ってほしいと願うものです。
 

 

9月議会のまとめ

2017.10.03

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平成28年度一般会計決算についてご報告

 9月議会のまとめがなかなかご報告できずにおりましたが、国政が慌ただしくなる前に、市政についてご報告です。

 まず、平成28年度一般会計決算について。
   歳入決算額     181億8574万円
   歳出決算額     168億7878万円
   決算剰余金       9億1059万円
   (うち不用額      5億4140万円)
   予算に対する執行率 91.3%
   財政力指数     0.712   
  ★財政規模は過去最高となりました。

 歳出の構成比の大きな順に、
   民生費(38.7%)
   土木費(14.9%)
   教育費・総務費(10.9%)となっています。
 ★民生費では社会福祉費が約19億円、障がい福祉費は約13億円、生活保護費が約13億円、児童福祉費が20億円で、幸手市においては、高齢者福祉と児童福祉はほぼ同額の支出となっています。土木費では、古川橋架替、下水道事業特別会計への繰出、圏央道関連事業負担金、駅舎整備、西口区画整理特別会計への繰出などに大きな経費を支出しました。また、総務費では職員の退職手当に係る負担金や情報管理システムに係る費用などが、教育費では給食関連費、行幸小学校大規模改修、市立幼稚園への補助金、指定管理料などへの支出が大きくなっています。

 会派先進は、大型事業が滞りなく執行される一方、厳しい財政状況の中、不用額が増加していること、執行率が低下したことなどについては改善を要求しています。また、繰越金については、道路や水路の刈払や浚渫、そして雨水対策などは十分とは言い難く、予算配分の増額も検討すべきではないかと提言しています。

 また、平成28年度決算では、農地費における市の補助金交付について、不適正な事務処理が大きな議論となりました。これについてはすでに執行部の謝罪と今後の調査が約束され、今後の調査によって返還の手続きが取られることになっていますので、その報告があった時点で詳細をお知らせいたします。

9月議会報告 

2017.09.23

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報告① ~陳情書~

 市議会には全国、また、市内から様々な個人・団体の思いを込めた陳情書が送付されてきます。「請願権」とは、日本国憲法第16条に「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規制の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」と規定される国民の権利です。

 さて、幸手市議会では、「請願・陳情について」として、提出の仕方のほか、陳情書の取り扱い(報告・委員会付託)は議会運営委員会にて決定することを定めています。皆さまには、昨秋、幸手駅舎に対して、財政負担の少ない建設を求める請願が出され、会派先進がその紹介議員となったたことをご記憶の方もいらっしゃると思います。請願は初めから紹介議員がおり、委員会に付託されます。今議会提出された陳情書は6件で、それぞれの取り扱いは委員会への付託はせず、議会開会日の議員への配布のみに。うち、1件はすでにお知らせした通り、渡辺市長の海外旅行の実態、庁内各機関への届け出関係の有無等についてその真実を明らかにするため、百条委員会の設置を求めるものでした。
 これまで、陳情等について皆さまにお知らせすることが少なかったのですが、国民の権利でもあり、今回はまず、6件の陳情について、今、どのようなことが陳情されているのか。タイトルのみではありますが掲載し皆さまにお知らせをいたしたいと思います。併せて、幸手市では過去にどのような請願がなされているのか。過去の審査結果(市議会HPより)も併せて転記いたします。

今議会に提出された陳情
①幸手市議会に地方自治法第100条の規定に基づく調査委員会の
 設置を求める陳情(陳情者…市内在住者連名)
②有効求人倍率の現行の定義の注意喚起等に係る意見書提出を求める陳情
 (杉戸町在住者個人)
③「全国森林環境税の創出に関する意見書採択」に関する陳情について
 (議員連盟事務局)
④核も戦争もない平和な二十一世紀を求める要望書(埼玉 実行委員会)
⑤地球で生き続ける為の地球社会建設希望決議を、今、して頂きたい
 陳情書(横浜市在住者個人)
⑥助けてください。触らないで。お願い、やめて。なりすましへの
 注意喚起を求める陳情(杉戸町在住者個人)

過去(直近)の幸手市議会審査結果
【平成28年】
①財政支出を大幅削減した幸手駅舎・東西自由通路建設を求める件
 ・・・不採択
②市の駅舎建設計画の是非を問う住民投票条例の設置を求める件
 ・・・不採択
【平成27年】
①「集団的自衛権行使」に関する意見書の提出を求める件
 ・・・不採択
【平成26年】
①家賃改定ルール改悪に反対し、安心して住み続けられる家賃制度を
 求める件・・・採択
【平成25年】
①来年4月の継続家賃値上げ中止、高家賃引き下げを求める意見書提出を
 求める件・・・採択
②新聞への消費税軽減税率適用を求める意見書提出を求める件
 ・・・採択

 

9月議会一段落

2017.09.23

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昨日で各常任委員会終了

 9月4日から始まった9月議会。一般質問、質疑、常任委員会(文教厚生・総務・建設経済)とすべての審議が昨日で終了。29日の閉会日の採決を残すのみとなりました。

 一般質問始め、各審議では毎日行政のナマ&リアルタイム情報に接して仕事をしている行政マンに対峙するワケですから、日々、できる限り深く自習をし、できる限り市民の皆さまの目での審議をと心がけて取り組んでいます。
 議会には、議案の議決はもとより、議決に至る審議を通して様々な問題や課題の論点を整理して、よりよい市政が運営されるよう質す(改善を促す)という大事な役割があります。その点において、今議会は全般を通して市政の様々な課題や問題点、また、現状について濃密な審議が行われたのではないかとの印象が。

 9月に入ってずいぶん秋めいてきました。来週あたりからさくらファームに幸手産新米が並ぶとの情報もあり。権現堂堤の彼岸花の赤い絨毯も楽しみですね。食欲の秋、文化の秋、スポーツの秋と楽しみ事が目白押しの秋。しかし、先般の台風による被害を始め、国政では衆議院の解散が、国際情勢では北朝鮮のミサイル問題など、新たな問題も浮上。景気、社会保障、働き方などなど、社会情勢が刻一刻変化している中、わが幸手市はどのような状況にあるのか。議会の振り返りを通して論点を整理しながら、本日以降、また掲載していきたいと思いますので、皆さまには引き続きブログへのお立ち寄り、よろしくお願いいたします。

 いつもありがとうございます。

市長の辞書には

2017.09.08

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9月議会で唐突に 6月議会の市長答弁を訂正

 市議会では今、市長の「答弁の虚偽性」が問題となっています。

 6月議会で、市長が休暇と称する休みをとって頻繁に海外に渡航しているのではないかとの疑惑が浮上。大平議員が一般質問で、休暇と称する休み中の所在証明のため、パスポート等の写しの開示を市長自らがするべきではないかと迫りました。それに対し、市長は頑なに公開を拒否。さらに、海外渡航の回数を聞かれて「2回」と強弁し続けました。

 ところが、やはり世の中事情通はいるもの。今議会開会前の8月22日、「市長の議場での答弁と、市民側の把握している事実とのギャップは、あまりに大きい」とする市民から、市議会での市長答弁の虚偽性に対して、幸手市議会に100条委員会での審査を求める「幸手市議会に地方自治法第100条の規定に基づく調査委員会の設置を求める陳情」が提出されました。

【幸手市議会に地方自治法第100条の規定に基づく調査委員会の設置を求める陳情】
 ≪陳情項目≫
 幸手市議会に地方自治法第100条の規定に基づく調査委員会を来たる平成29年9月開催の市議会定例会の会期中に設置し、渡辺邦夫幸手市長の市町在任中の海外旅行の実態、庁内各機関への届け出関係の有無等について、その真実の姿を明らかにしていただきたい。

 そのような経緯の中、因果関係は定かではありませんが、昨日、市長から突然、改めて「6月議会での発言の訂正」の申し出があったのです。

 訂正内容は以下のようなことです。
「6月議会に、平成28年以降の海外渡航は2回と答弁したが5回の間違いであった。平成28,29年の渡航歴は、平成28年は2月、5月、8月。平成29年は2月、5月の2回、各3~4日間の日程で、フィリピン、台湾、ベトナム、タイに行った」というものです。

 陳情には、市長在任中の6年間で延べ16回の渡航を確認しているが、特にフィリピンへの渡航歴の突出した多さに驚きを禁じ得ないとの記述もあります。私も同感です。市長職はタイムカードを刻印するような職種ではありませんので、庁内でも見かけない方が多いわけですが、6年間で16回も海外渡航されていたとは。しかも、近年の渡航が2回か5回かも記憶にない。
 市長が休暇を届け出ていようが無届であろうが、こんなに頻繁に「休暇」をとって海外に行く首長は全国にどれだけいらっしゃるのでしょう。職員もどうして止めないのか。首長不在が問題ない組織ということか。あまりに首長の役割を軽んじた発想です。

 市長や執行部は「ケータイメールで十分指示は可能」としていますが、先日、秋田で豪雨が発生し、国内でゴルフをしていて登庁が遅れた首長が引責辞任をしたケースがありましたね。実は渡辺市長は過去にも職務代理者を置かず渡航し、その時は豪雨で市内に被害が発生。市議会は市長に問責を決議し、猛省を促した経緯があります。市民が心配しているのもそこなのです。 

 市長自らがパスポートの渡航歴の写しを提示すればすべては明白になる。と陳情書は呼びかけています。そして、私たち市議会に対しても、是非、チェック&バランスの機能を十分発揮して審議を尽くしてほしいとの要望も記されています。今回は市議会の審議を待つことなく、市長自らが答弁訂正という異例な方法で、渡航歴の一部を明らかにしましたが、実は市長が反省をしていないと思われる事態として、海外渡航が追及された6月議会後、議会が終るのを待って、6月27日から市長は再び機上の人としてアジアに飛んだことが確認されています。なんという神経か。

 今回の答弁訂正に、「逃げ切り」「不自然な幕引き」のニオイを感じる市民。不信がさらに高まったとの声が聞こえてきます。市長の辞書には「反省」「誠実」という言葉はあるのか。

 

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