記事一覧

フェルメール光の王国展

2012.07.09

アイコン

福岡伸一監修 フェルメール光の王国展より

 少し長い文章が続いたので、ブレイク・タイム。

ファイル 37-1.jpg 先日、上記展覧会に行ってきました。この展覧会は、フェルメール作品を最新のデジタルマスタリング技術によって、彼が描いた当時の色調とテクスチャーを推測して、原寸大で、所蔵美術館と同じ額装を施して一堂に展示するというもの。フェルメール作品37点の複製画を「re create」した作品はフラッシュなしなら撮影OKなんです。

ファイル 37-3.jpg ファイル 37-4.jpg

 監修の福岡伸一氏は最近時折新聞などでも見る生命科学が専門の科学者です。生物遺伝子や分子・原子の専門家が、デジタル粒子の総体であるこのようなアートを監修されたのが面白いですよね。

ファイル 37-2.jpg ファイル 37-5.jpg

社会保障の行方

2012.07.09

アイコン

生活保護&国民年金&民間生命保険

 今、社会保障制度がとても見えにくくなっている気がします。7/5付の日経新聞に3つの記事が並んで載っていましたので、少し考えたいと思います。

 それぞれの記事の内容をみると、
1)生活保護 
受給者過去最多に対して、厚労省は不正受給の横行が給付の拡大に拍車をかけているとみて適正化を目指す。

2)国民年金
収入が低く年金制度への不信感が強い若者の未納に歯止めがかからない。国民年金加入者に最近はパートなど非正規労働者も増えており、月額約1万5千円の保険料を払えない人が目立つ。

3)生命保険 生命保険各社が介護保険や医療保険の分野を伸ばしている。医療・介護分野を新たな成長市場とみて、付属するサービスで違いを打ち出す動きが活発に。医療分野では「先進医療」をめぐる動きが活発化。

というもの。

 生活保護に関しては、確かに不正は是正されなければならないと思います。でも、どうなんでしょうか。国民年金の納付率然り、生活保護然り、少子高齢化や雇用形態・家族観の変容など、生活そのものが、社会保障制度が始まった当時と様変わりする現在に、今までの制度を小手先で改正してみても今の国民の生活を支えるモデルとなりえない気がするのです。「張りぼて状態」で本当の姿が見えにくいというか・・・。

 今、私たちの生活は、労働力もサービスもすべて「市場化」という大きな流れの中にいることを忘れてはいけないと思います。「サービス」は受けるものではなく、買うものになったということなのですよね。
 そして、戦後の経済成長を支えた、「大都市偏重、人口集中」「核家族化」、企業戦士を支える「専業主婦」などの国策で、労働は「美徳」という感覚からはかけ離れ、「過疎と過密」で人や家族のつながりを断ち切ってきたのが歴史であることも。

 個人レベルでは仕事に生きがいや遣りがいを見出すことはあります。でも、国の政策として労働力を「人件費」から「物件費」へとシフトさせてきた日本の歩みの中で生まれた歪みは、社会保障制度いや、物事の見方を根本から再構築することでしか是正できないのではないかと思いますが、皆さんはどう思われますか。

 第2次大戦の戦中・戦後の日本を支えてきた人たちを「高齢者サービスの消費者」と一括りにするのではなく、そして、これからの日本を託す若者を「雇用の調整弁」にすることなく、みんなが夢を語れる時代になってほしいと思います。

 さて、翻って。市議レベルで何ができるのか。何を改革し、何を再生していくのか。財政事情など、もう、他の自治体と横並びとはいかない時代に、「幸手市に住んでよかった」というまちであり続けるには・・・。
 私は何にも増して、人への尊厳と敬いの気持ちを持って考え、活動していかねばと思います。そして、これからの時代を担う子どもたちをしっかりと育む環境づくりに頑張っていきたいと思っています。