![]()
治水対策推進に新たな一歩 常任委員会でまとめた『意見書』を本会議で可決
なかなかリアルタイムに議会のようすをお伝えできないまま、昨日、議会が終了いたしました。
さて、前回のブログでは、9月の豪雨で市内に甚大な被害が発生していることを受け、一般質問で多くの議員が治水対策を質したことをお伝えいたしました。水害対策は幸手市が取り組むべき最重要課題です。市独自の対策は元より、幸手市の排水・雨水の多くが集まる倉松川や、その水の貯留調整を担う大島新田調節池(ともに埼玉県管理)は市の水害被害の改善に外せない公共施設です。
そこで建設経済常任委員会では、「今年9月の水害が甚大であった、その実情を県に訴えて、早急に対策を講じていただきたい」旨を意見書としてまとめ、議会の総意として埼玉県に提出しようとの発案があり、委員会でとりまとめをいたしました。昨日はその意見書案を本議会に諮り、議員全員で可決いたしました。今後はこの意見書を議長が県に届けることになります。
意見書は以下のとおりです。
意見書案第2号
『幸手市内浸水被害の改善を求める意見書』
幸手市内倉松川流域の浸水被害は、県事業の大島新田調節池の
完成、さらに国の首都圏外郭放水路の完成が完成したことにより
改善されてきてはいるが、雨量30mm/h程度の雨量が限界で、
住宅地への浸水の被害を解消するには至ってない。
本年9月の関東・東北豪雨では、累積降雨量312.5mm、
時間当たり最大降雨量43.0mmを記録し、倒壊建物1棟・床
上浸水88棟・床下浸水376棟・店舗内浸水32棟・市内全域
道路冠水・道路交通止め12個所と甚大な被害が発生した。
幸手市議会では、倉松川の改修の完了及び大島新田調節池の保
水・遊水機能向上は、当市の浸水被害の改善に有効であると考える。
今後、当市に於いても、市民の安全安心の確保のため、調整池の
設置など、新たな治水対策に取り組む検討を始めたところである。
よって、県においては、倉松川流域の浸水被害の改善のため、
以下の事項を促進いただきたく強く要望する。
記
1.倉松川の改修整備の促進
2.大島新田調節池の保水・遊水機能の向上
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年12月18日
幸手市議会議長 手 島 幸 成
埼 玉 県 知 事 様
9月の市内の水害被害の甚大さは市でも同じ認識を持ち、同様の主旨の要望を県に提出する予定もあるようです。もちろん、この意見書ですべてが解決できるものではありませんが、検討の余地のあることは改善を目指すのは当然のこと。
市議会の今回の意見書提出が、幸手市の水害対策を一歩前進させ、実りあるものとするためには、今後、議会は責任をもってこの意見書の内容の推進状況や効果の検証をしていかなければなりませんし、また市長に対しても市独自の「治水対策の促進」を強く要望していかなければならないものと私は考ています。
♥なお、一般質問で「大島新田調節池は暫定計画84万トン、計画貯留量は完成時には135万トンとなる」との市の答弁に端を発した今回の意見書提出でありましたが、県事業の大島新田調節池の整備はすでに84万トンで完了していることが今回の調整の中で判明(県に確認)。一気に期待が萎んでしまった感も否めませんが、しかし、このような機会を通して、これからも積極的に市内の浸水被害の軽減事業の促進を県に働きかけてまいる所存です。