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ついに決定 新国立A案採用

2015.12.23

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2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場の設計決まる

 紆余曲折を経て、新国立競技場の設計・施工・デザインが選定されました。

 審査委員会の評価は980点満点中、A案(大成建設)が610点、B案(竹中工務店・清水建設・大林組 3社JV)602点と僅差でA案が勝ったということ。日本の建築の粋を集めて建設される新国立競技場。大会時の収容人数は2つの陣営とも6万8000人で、A案では観客席を勾配を急にした3層にしてフィールドとの距離を近くしたのが特徴。最下段の1層目は簡易な工事で座席を継ぎ足すことができ、低コストで8万人収容が可能になるということ。
 また、外観の大きな特徴の1つが外側に貼り出す5層の「軒ひさし」で、法隆寺の五重塔をの「垂木(たるき)」を連想させるとされています。そのひさしの上にはプランターを置き、日本の野草を植えて四季を感じさせる工夫がされるそうです。
 私たちの”常識”として、大きな建物には木よりコンクリートや鉄骨が勝ると思い込んでいましたが、確かに、日本には1000年以上も昔から今なお実存する木造建築が遺産として残っているのです。木や竹などの自然素材を生かした巨大建設の提案とは「目からうろこ」です。

 プランターの野草の管理など手間はかかりそうですが、日本の野草を愛でるという、スポーツとは別の楽しみも味わえそうですね。

 さて、気になる「お値段」ですが、政府は8月に整備費の上限を1550億円とする整備計画を公表。今回のA案は整備費が1489億円です。その財源ですが、サッカーくじ「TOTO」に大きく依存しているとの報道です。東京都にも約450億円の負担が求められています。また、年間のランニングコストは毎年、数十億円かかるとの試算もあり。ビジネスプランを考えることなく「ハコモノ案」を先立って決定した点が問題だ、など政府の中にも様々異論や意見はあるようですが…。

 若いアスリートたちにとって2020年はきっと特別な年となるでしょうし、これから多くのスポーツイベントも開催されていくことでしょう。私たちロートルも新国立競技場に応援に行く体力を今からしっかり蓄えていきましょう(笑)