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首都圏 所得減のドーナツ

2018.09.17

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”太平の眠り”から覚めよ 高齢化の進展を織り込んでどんなまちをめざすか

 昨日の日経新聞一面”限界都市”というコーナーに「首都圏 所得減のドーナツ 始発のまち久喜・青梅、5年で5万円」との題でお隣り久喜市が取り上げられていました。

 かつて栄えたベッドタウンの衰えが際立ってきた。市区町村別に2011~2016年の住民所得を調べると、首都圏の郊外でドーナツ状に減少が続き、働き手が集まり続ける都市部などとの違いが鮮明になっているというもの。

 総務省の「市町村税課税状況等の調」を元に、日経新聞が納税義務のある住民一人あたりの課税対象所得を集計。5年前と比べた結果、所得が減っている自治体がドーナツ状に浮かび、特に鉄道沿線の始発駅があるまちにその状況が顕著だというのです。

 その1つとして挙げられているのが久喜市です。久喜市は5年前と比べて5.4万円減っているという。東武伊勢崎線の久喜駅は東京メトロ半蔵門線と相互乗り入れをする始発駅で、都心まで1時間。市の人口は約15万4千人で、5年前とほぼ同じ。だが、高度経済成長期にマイホームを求めて移ってきた団塊世代が退職。15歳~64歳の生産年齢人口は約8千人減り、65歳以上は約9千人増えた。この住民構造の変化が所得減の大きな要因と。
 人口減少は茨城県取手市や埼玉県飯能市でもみられ、いずれも1960~80年代にかけて公営や民間の団地建設が相次ぎ、人口がふくらんだ「始発のまち」だと日経新聞。

 このまま自治体間の税収差が広がればどうなるか。「いずれ福祉や教育など行政サービスの違いが生まれる」と専門家。さてしかし、今更言うまでもなく、東京一極集中や高齢化は、多くの自治体では当然折り込んで尚、住みやすい町を如何に作って行けるかが問われています。
 サービスが維持できないと若い世代ほどまちを離れ、税収はさらに落ち込む。このような悪循環をどう断ち切るか。特に、都市部近郊のまちが迫られているのは「脱・ベットタウン」です。これこそ、自治体経営の最重要課題です。手を拱いているワケにはいかない。

 行政と住民が一体となって住民誘致の新しいモデルを創る必要がある。と日経新聞は結んでいます。これは幸手市でも同じこと。私も以前より「ベッドタウンの次のモデル」を探すことを提唱してきましたが、市はまだまだ”太平の眠り”の中にいるかのごとき。早く眠りから覚めてまずは意識を変えていかなければ。

 議会は明日から私が所属する総務常任委員会と建設経済常任委員会の審議が続きます。上記、危機感を持って、さまざまな課題はあっても、それを知恵と工夫で乗り越えていく。そんな地道な政策にエールを送りながら、家計と同じく上手なやりくりができているかをしっかり検証し、住民の方が安心して暮らせる市政運営をチェックしていきたいと思います。

 議員は、財政の「やりくり」を検証する=チェックするのが役割です。予算の効率的な運用とは市民の皆さまには見えにくい一見地味なテーマでありますが、市政運営の根幹と心得て頑張りたいと思います。なかなかブログ更新がままなりませんが、日々のご訪問に励まされております。
 本当にありがとうございます。

ただいま「メールはこちらへ!」不調につき

2018.09.08

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ご意見やご感想は下記にご投稿願います。


  
    poplar_mazda@yahoo.co.jp

 よろしくお願いいたします。

一般質問を終えて

2018.09.05

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一般質問反省&感想 ”衝撃”

 昨日は一般質問初日。台風の暴風が吹く午後、一般質問をいたしました。時おり激しく雨が窓を打ちつける中、災害対策本部長、本部要員となる市長始め部課長が列席していることから、台風の状況によっては最後まで行かないかもしれないと覚悟で臨みましたが、取り敢えず、終了できました。傍聴にお越しくださった皆さん、ありがとうございました。

 さて今回は、行政事務が遅延していた(正式にはまだ一部未処理中)問題、小中学校の学力テストの結果分析、市立小中学校で取り組みを進める「コミュニティ・スクール」、シティプロモーションについて、の4項目を質問。

 感想として、学力テストの結果報告にかなり衝撃を受けました。全国平均との差は縮まる傾向にあるとはいうものの、中学校では全国平均との差が著しい問題が多く、学校によって成果の出方に差があること。そして、まだまだ、政策として、学校現場として、家庭として、そして、当然、子どもたちにも克服していかなければならない課題が積み残っていることを強く感じました。

 特に印象的だったのは子どもたちが持つスマートフォンの問題です。学力テストでは、学力の他に生活面の調査がされますが、幸手市の場合、一日に3時間以上をゲームやSNSに費やす子どもたちが比較的多いという結果。
 どのような事象も十羽一絡げに語ることは危険ですので、自論的意見は控えます。まずはこの事実を一旦飲み込んで、反芻しながら検証していくしかないのですが、これが本当に、学力との相関関係にあるとしたら、これまで以上に本気でこの問題に対峙していかなければなりません。
 その他にも、幸手市は長年、基礎基本の徹底に取り組んできた”はず”ですが、正答率の低い問題に漢字や四則計算問題が入っている。本当に政策の方向が間違っていないのか、正しい政策遂行ができているのかが問われる事態です。教育長からは、「学習に対する意欲は高まっている」と。家庭学習で予習や復習をしている割合が多いにもかかわらず、アフタースクールでフォローアップ体制が取られているのに基礎基本の課題すら問題が克服されない。
 私は、今回は「予習・復習」に焦点を絞り、予習復習の概念をきちっと定着させる取り組みを要望しました。

 学力向上は長期戦ですが、幸手市の義務教育を終えた子どもたちが毎年巣立っていくことを考えると、呑気に(それぞれは頑張っていたとしても、です)構えている時間はありません。このほかにも相関を為す因果関係を早急に洗い出して、早急に”対処”ではなく、”対応”していく必要を強く感じました。

 私は点数至上主義ではありませんが、しかし、一定の学力と学習力が無ければ「学び」を深めることが難しい。「一億総活躍社会」「人生100年」「AI社会」を生き抜く力を備えさせて義務教育9年間を終えさせる責任は私たち大人にあります。今回、教育長が答弁された内容は、公開の場で語れるギリギリのものであり、ここから先は教育委員会の仕事です。この後の頑張りに期待したいと思います。

 そして、今回セットで質問項目に選んだコミュニティ・スクールでは、制度に対する取り組み意識に少なからずギャップを感じました。これまでの学校応援団や学校評議員制度との大きな違いは、「学校運営協議会」という地域の協議体が学校・校長とともに”合議”して学校運営がなされるということです。幸手市でも東中校区で始まっています。
 この協議体は、学校運営に地域の一員として責任をもつことになり、制限された権限ながら、教職員の人事に対して意見を述べることも許されます。学校応援団のように学校にご協力をいただく方たちの集まりという仕組みの延長線として考えていたら大きな間違い。全く異なるもので、例えば、今回の学力テストの結果なども地域で情報を共有しなければならないでしょう。
 今は上澄みや概要をお知らせするにとどまっている学校も多いと思いますが、協議会ではもっと詳細な情報を求められるかも知れない。そして、一緒に対策を考えていく場面では、人事的な側面から改善を求める意見も出てくる可能性がある。ここでの勝負は、きちんと意見の言える方に委員を委嘱できるかどうか。”事なかれ”主義では正しい評価も建設的な議論もできず地域は浮かばれない。そのような厳しい制度であると心得て取り組んでいただくよう申し上げました。

 国の狙いはまさにそこにあるのかもしれません。教育長は”骨太な学校運営”と表現されましたが、地域によって資源も問題も様々ななかで、画一的な指導に収まらない分を地域で考えなさいと言うことか。これからの時代、何にしても携わる人の”本気度”が試されるということです。

 長くなりました&今日も一般質問2日目ということで議会に参ります。後は後日。

9月議会一般質問 

2018.08.25

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9月議会一般質問の概要

 先日、”第六感”という話しをいたしました。年に4回、しかも時間制限がある中で市政を質す「一般質問」も、議員はいかにタイムリーな事項を質問するか、議員はみな、自分のひらめきや時流を読む勘をもとに質問事項の選定をしているものと思います。さて、今議会の一般質問、通告をしたのは私を含め11名だったようです。私が選んだテーマは以下の4点です。

【松田まさよ9月議会一般質問通告 要旨】

1.事務処理の遅滞について
2.全国学力・学習状況調査結果分析について
3.コミュニティ・スクールの取り組みについて
4.さってしシティプロモーション事業の推進について

 大問は上記のとおりです。ほかにも質問したいテーマはたくさんあるのですが、今回はこの4つで。なぜ、この4つを選んだかというと、
1.については、
 幸手市は4月から新しい課を新設するなど大型の組織改正が行われていますが、それに付随する事務処理が滞っていることが判明。本来ルーティンワークと思しき事務です。しかも管理部門という市の中枢で起きている。そして、組織として「放置されたまま」という事態。「こんなくらい」「まあまあ」などという考えでは済まないとの一部職員の声も耳にしています。不適正な補助金交付問題で、副市長は今の組織を「職場の風土に問題あり」と表現したばかり。1つ1つの仕事の進め方をチェックできない体制がまた1つ露呈。いかにも残念な質問ですが、このような仕事で市民を守れるのか。襟を正していただきたい思いです。

2.については
 毎年同様の質問をしています。質問と言うより経年の変化の確認というべきか。特に正答率の高い問題、低い問題、無回答の状況、子どもたちの生活や学習意欲の変容の有無などを確認します。全国的には学力差が縮まっていると新聞は報道しています。私は「点数至上主義」ではありませんが、幸手市の義務教育の成果を確認することで少しでも課題をなくすことは大事な作業です。
 ただし、学力テストの結果は子どもたちの能力の一部であるといううことも皆さまにはご理解賜ればと思います。幸手市の子どもたちはみんな頑張っています。

3.について
 コミュニティ・スクールについては先日このブログでも取り上げました。何もかもが大きく変わって行く日本にあって、コミュティ・スクールの取り組み・運用は教育界においてこれまでの制度の焼き直しでは済まない大きな変化ではないか、と私の”第六感”が訴えています。今後、幸手市ではどのように取り組んでいくのか。今年は618千円という予算がついているので何かしら始まっていることは確かです。教育長の事業ビジョン含め、今後の取り組みへの意識を確認したいと思っています。

4.について
 今年度から新たに「シティプロモーション課」を新設。職員を配置して取り組みが始まりました。職員不足の中、新設して臨むわけですが、幸手市は、2年前に人員不足を押して公民館に中堅職員を置いて、その真価を発揮、評価する間もなく2年で引き上げるという「行き当たりばったり人事」が行われたばかりです。それはさておいても、初年度は推進体制の構築と戦略を練る重要な1年です。今年度も半年が過ぎ、秋からは来年度に向けて新年度予算の査定も始まります。この機に、市が考える「シティプロモーション」がどのように進められているのか。効果を出す体制が構築されているかを確認しておきたいと思っています。

 

9月議会近づく

2018.08.24

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私の”第六感”が暗示する9月議会の重要性

 変なことを言うなあと思わないでください。私は人の第六感、いわゆる”ピンときた”という感覚はとても大事だと思っています。第六感はその人の全身全霊が感じるもので、その人の知識や経験が全部詰まったセンス(感覚)です。

 来る8月27日に全員協議会が開催され、平成29年度決算、平成30年度補正予算などの資料が配布されますが、それを目前に、私の第六感が「今回の議会はいつも以上に重要」と強く私に訴えかけています。市議会議員となって8回目の決算審議ですが、こんなに力んだというか、責任感や重要性を強く感じるのは初めてです。不謹慎ながら、また、大業でもなく、議案に向かう気持ちは戦場の兵士さながらの心境です。

 幸手市は大型公共事業によって市債発行が膨らみ、結果、財政健全化計画のもと、緊縮財政が断行された過去があります。戦後右肩上がりの経済成長を謳歌していたのが一転、突然三位一体改革路線で奈落の底に突き落とされたわけです。その時は例えば、補助金の一律カットや利用者負担などの政策がとられたり、小中学校の統廃合や公民館から職員引き上げ、市債発行の抑止(投資的経費の抑制)などの対策がとられました。

 市民の皆さまとともに苦しい時期を乗り越え、やっと一息ついたと思いきや現市政になってまた、わずか7年で緊縮財政を強いられるかもしれない。計画的な財政運営ができているか。今9月議会はその見極めをする大事な議会である。過去の再来を許してはならない。私の第六感がそう感じているのです。

 まるで「尺取虫」のような市政運営は正しいのか。私の疑問の原点です。時代性を勘案せずに過去の施策を批判することは慎まなければなりませんが、同じことを繰り返すことはあってはならないことです。まずは実態がどうなっているのか。すべては議案の中に。

 9月議会は幸手市の将来にとって重要な議会となる。長嶋茂雄さんは「カンピューター」の異名で呼ばれていました。私も自分の”勘”を信じ、「おカネがないからやらない」「おカネがなくても必要なものは必要」という二者択一ではなく、「おカネをどう工夫して使うか。有効に使うか」。この視点に立って出来る限りの準備をして臨みたいと思っています。
 議案が配布される27日以降はこの議案の読み解きに集中です。

 

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