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議会報告Part3 せめてニーズ調査は自前で

2014.03.10

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総務常任委員会の審議より…② 地域デマンド交通検討委託料

 今議会のようすを前々回は質疑、前回は文教厚生委のいじめ問題対策連絡協議会の設置についてご報告しました。今回は総務委における来年度の一般会計予算の中から審議に時間をかけた案件についてお知らせします。

1.地域デマンド交通検討業務委託料 4、850千円
 今の市内循環バスが帯に短したすきに長し…。使い勝手が悪く、利便性の向上が経年の課題でありました。私も一昨年から一般質問で、利便性の高い地域公共交通として、「デマンド型」などの調査・研究をしていくべきでは、と問うていましたが、その後、他にも取り上げる議員が増え、ついに議会でも3つの常任委員会が合同で宮城県角田市を視察(ブログの2013.10.7付け「常任委員会行政視察@宮城県」をご参照ください)。来年度、調査・検討費用が計上されました。
 
 デマンド交通とは“ドア・トゥー・ドア”サービスを実現する新しい乗り合いタクシーのサービスです。デマンド型はこれから取り組んでいく方向性に間違いはありませんが、計上された4,850千円の委託料について多くの議員から質問がでました。

 委託の内容は、1)現状の把握 2)ニーズ・アンケート調査 3)運行計画の検討 4)地域公共交通会議の業務支援 5)国補助申請 6)報告書作成というこの事業がスタートから最後までのコンサル業務です。
 この委託内容に疑問の声が。これに答えて「コンサル業者からの提案に沿った内容である」との答弁がなされました。これに対して「これでは丸投げでは」との質問が出ましたが、私も同感です。特に、現状把握やニーズ調査は事業の命。自前でやるべきではと思います。

 現状把握やニーズ調査は事業の命です。自分たちで取り組み、わが町の「課題」の抽出と、何に手当てするのか、何の課題を解消するのかという事業の根本の指針を市がきっちりと立てることはできないのでしょうか。「専門の職員が足りない」など言い訳にしていたら職員が育つはずもなし。
 
 今後ますます「委託」される事業は増えていくでしょう。しかし、わが町のウィークポイントの把握すら業者任せで、業者との”かけ引き”に勝てる訳がありません。業務の委託では、コンサルティング業者に現状把握、アンケート調査やニーズ調査が含まれることが時流の如き感もありますが、ここをいかに手放さないか。苦心していただきたい。

 なんにせよ、行政の仕事に投入するのは国民・市民の税金です。この「委託料」だけでなく、「委託業務」は今後も”要チェック”です。

 
 
 

議会報告 Part2 

2014.03.06

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文教厚生常任委員会のご報告

 3/3日の質疑の後、4,5日の2日間をかけて文教厚生常任委員会が開催されました。文教厚生常任委員会で審議する内容は社会福祉関係、教育関係など多岐にわたっており、ここでその全てをお知らせすることは到底できませんが、2日間の審議で私が気になったことに関して、少しずつお知らせしたいと思います。

 まず、1つ目に。市では、今後、いじめ防止等の基本的な方針を定めるため、協議会を設置します。その協議会とは「幸手市いじめ問題対策連絡協議会」です。この協議会、国が定めた「いじめ防止対策推進法」を基に、国の指導により、すでに多くの自治体で設置されているものです。基本法策定のため、26年度は3回程度、その後は年1回の定例的な会合が持たれる予定ということ。この協議会の設置条例を委員会で全委員賛成で可決しました。

 幸手市の場合、会長は副市長で、構成委員はいじめ防止等に関係する機関及び団体の関係者、学識経験者など(具体的には警察署、児童相談所、法務局、学校関係者、人権擁護委員、保護司、PTA関係者)にお願いするとしています。  

 この協議会設置は悪者を見つけることが目的ではありません。協議会の会長となる副市長には、大津市の事件で実態解明をする教育委員会や市長部局の責任体制の曖昧さが強い批判に晒されたことをわが身としながらも、日常生活の中で思い悩む子どもたちに寄り添い、いじめている子どもたちが”大人社会が生んだ被害者”であるかもしれないことを肝に銘じ、運用されるようお願いしたいと思います。
 この協議会以外に各学校には「学校いじめ防止基本方針」を持つことが義務化されています。今までも学校や地域を巻き込んでのいじめ対策は行われてきましたが、より重層的な体制となるようです。

  

議会報告

2014.03.05

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市長提出議案に対する質疑より(3/3)

 議会では、2月20,21,24日に一般質問が終わり、3月3日は市長の提出議案について内容や不明な点を聞く「質疑」が行われました。私も来年度一般会計予算(案)より5つの質疑をいたしましたのでご報告いたします。報告量が多くなってしまいましたので、ご興味のある項目だけでも見てください。

1.農業費<農業振興費> 
  特産品(幸手ブランド)販売促進業務委託料 600千円について
 幸手市は農産物生産振興事業として、平成24年度にはJAみずほの農産物直売所「さくらファーム」の開設を補助し、平成25年度からは直売所を核とした幸手米のブランド化の推進を支援しています。幸手でつくられるお米の中でも特に減農薬・有機栽培され、食味が良く粒の大きなプレミアムな”特別栽培米”を25年度から特産品としてブランド化し、その販売促進業務をJAみずほに委託しています。そして、26年度予算でも販売促進を支援していくため委託料を計上。その内容、事業計画について問いました。

質問:PRの手応え、価格の安定、流通量の変化は?
答弁:直売所での販売量は若干ながら伸びている。手間のかかる栽培だが、1キロ500円という価格が安定し、「幸手のコシヒカリ」のブランド力は着実に進んでいる。目標は安定した価格で販売量が増え、栽培農家数の増、若いては農家の収入増につなげること。25年度は「まずは知ってもらう」ことから始めたが、来年度も商工農連携事業として直売所での販売、包袋するビニール袋の作製費などを支援していく。

2.商工費<商工振興費> 
  商工振興協議会委員報酬 102千円について

質問:この協議会は市長の諮問があって開催される仕組み。しかし、報酬はここ数年の決算では常に「不用額」として計上され続けている。商工振興は幸手市にとって喫緊の課題であり、テーマは本当にないのか。問題意識を持って諮問してほしい。来年度、市長の諮問の予定はあるのか。
答弁:この協議会は大型店対策として発足した経緯がある。改めて調べてみて平成9年以降諮問はなく、今年も諮問の予定はない。しかし、条例で定められた協議会であり、急な諮問案件が出た場合など勘案し、来年度予算でも計上は継続していきたい。

3.都市計画費<講演管理費>
  公園愛護活動謝礼 451千円について

質問:公園愛護活動とはどのような活動なのか。例規集で内容を確認しようとしたが、この報酬の支払いを規定する要綱が見当たらなかった。また、幸手市は公園管理に高額な指定管理料を支払っているが、同じ公園が二重管理され、二重に市民の税金が投入されることはないのか。
答弁:報酬は自治会や住民・市民の団体の方による清掃や花づくりに支払っている。地域住民に身近な公園整備に関わっていただくことで、公園に人の目が届くことも狙いの1つ。現在活動団体は10団体で、来年度は2団体増やしたいと考えている。要綱については確かに現在、不整備な状態であり、只今整備を進めているところ。今年度末までには整備する。
 指定管理者の管理業務の対象となる公園では、愛護会活動と重複しないように調整をしている。

4.都市整備費<駅舎整備事業費>
  駅橋上化建設検証設計業務委託料 12,280千円について

質問:委託内容、委託先、検証方法は。また、昨年配布された幸手市の重大プロジェクトの資金計画では、平成26年度の駅舎に関する支出は1122千円となっている。この委託料は資金計画に織り込まれていたものか、それとも新たに発生した支出か。
答弁:橋上駅の設計は専門性の高いもので、設計は鉄道会社の系列業者に委託している。その設計の妥当性を設計段階で検証をかけるもの。委託先は設計業者とは別の業者になる。他自治体では検証によって計画が見直され、支出の大幅な圧縮が図れた例もある。この委託業務は重点プロジェクトの資金計画では予定されていなかった新規の支出である。

5.河川費<河川改修費>
  ①大中落改修設計業務委託料 1800千円について
  ②大中落河川改修工事請負費 45,000千円について

質問:それぞれの内容、工期について伺う。
答弁:①は西中学校から下流、牛村橋までの水害に対して対策を検討するための調査費である。調査の結果をみて、今後の対策を考えていきたい。
②は今、河川改修している箇所の2期目として、上流100mの護岸工事を行う工事費である。着工は1期目と同じく、流水量の少ない秋―冬の時期となる。橋梁の改修もやらなければならないので来年度内の工事終了は厳しいかも知れないが、河川の護岸工事はできるだけ年度内に完了したいと考えている。

以上です。ここまで読み進めていただけた皆さま、有難うございました&お疲れ様でした。市の仕事は大きなものから小さな事まで、ハードもソフトもいろいろあって、市民生活を支えています。全部に目が行き届くまでにはまだまだ”勉強&修行”が必要ですが、できることから税金の使われ方をチェックしていきたいと思います。そして、情報量は多くても、できる限り皆さまに市政の様子をお知らせしていきたいと思っています。

さて、今日は文教厚生常任委員会の2日目です。行って来ます。

教育長が退任?

2014.02.26

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先ほど、議長よりFAXにて以下の連絡がありました


議員各位

 本日、渡辺幸手市長より「戸田教育長が4月8日付けをもって退任したい旨の申し入れがあり、2月19日受理することと致しました」との報告を受けましたので議員各位にご連絡申し上げます。

教育長には、任期を残しての突然の退任です。驚く以外にまだ、何も分かりませんが、市の教育に少なからぬ影響のあること故、取り敢えず事実のみをアップいたします。

大いなる勘違い

2014.02.25

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あまりの勘違い発言…

 先日、香日向小学校問題を「沈黙を破ってお伝えする」という旨の某議員のチラシが少なくとも香日向地区に戸別配布されました。まあ、それぞれの議員の考え方の相違は論外としても、勘違い発言が散見され、これについては訂正方、真実をお伝えしておきたいと思います。

 チラシを引用すると、「平成25年3月議会で、旧香日向小学校の土地と校舎の一部を減額貸付け(年額247万6462円)が、全員一致で可決されたが、実は、退席者が4人いた」とし、「退席は賛成でも反対でもない。退席者以外、議場にいる議員は全員”賛成”であった。退席者の中には、会派で決めていても”わからない”と退席した議員もいるようだが、議決は議会の意思決定、それだけ重いのです」と書いてありました。

 その退席議員とは、私と中村議員と、公明党議員2人の4人です。当然です。あのような審議だけでどんな判断ができるものでしょうか。少なくとも私は、あの議案を市民の皆さまに説明できないと感じました。しかも、地元香日向の住民に何の説明もなされていない中で、住民の方の意志を確認する機会もなく、地元議員が諸手を挙げて賛成できるはずがありません。私は反対に問いたい。「あなたはなぜ、賛成できたのですか」と。

 香日向小学校のような市の大切な財産の運用を、あのように拙速、早計に、しかも住民になんの説明もない状態で決めるなどありえません。その後の経緯も含め、「議員の議決は重いのです」という言葉は、申し訳ありませんが、そっくりそのままお戻しします。

 そして、他の会派(私の会派です)のことに言及されていますが、”This is not your buisness”。それを言うならご自分たちだって、胸に覚えはあるのではありませんか。まあ、私には関わりないことですが。

 「やっとこぎつけた住民説明会」もあまりに勘違い発言ですよ。あの”怒涛”の会場にいた方ならどなたもご承知のことです。11月、12月の住民説明会開催が、10月のタウンミーティングの不調から発して、住民が会場で、直接市長に要望して約束されたものであることを。議員のお手柄など、とんでもないことです。
 
 他にもいくつか指摘したい部分はありますが、ここではここまでに止めます。3月議会の一般質問で、私は香日向小問題について公けに質問をいたしました。それらについてはブログにも書きましたが、近日、チラシにしてお伝えできればと考えております。

 最近感じることは、市長の裁量権、決裁権の前に、行政職員がいかに無力であるかということです。いろいろな職員と話していて、「最後は市長決裁ですから」という職員の悲痛な叫びを暗に感じることがあります。市長決裁の次に重いのは議会の議決です。香日向小学校問題に限らず、二元代表制の一翼を担う議員のジャッジ(監視機能)の重さを痛感せざるをえません。 

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