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AIと共存

2017.01.30

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生活防衛、未来の社会に何を遺すのか

 戦後72年となり、単一の社会の在り方やモデルの崩壊、東西イデオロギー的対立に代わる新たな対立軸などが鮮明になってきました。グローバルとローカルのバランスを取りながら、いかに国民や住民の生活防衛をし、社会の未来図を描いて行けるか。対応力が問われていますね。

 そんな中で、今日の日経新聞「AIと世界」として1面と7面に特集が組まれていますので取り上げてみたいと思います。 
 「第1次産業革命では一般の労働者が機械の登場による失業を恐れた。飛躍的な進化を遂げつつある人工知能(AI)は、法律や医療など高度な専門性を伴う分野でも雇用を奪うリスクをはらむ。反面、AIは人類の能力を広げ、生活水準や生産効率を向上させる可能性も秘める。AI時代到来で不用になる能力が選別されていく脅威を乗り越え、どんな能力を磨くべきかが問われ始めている」と。
 さて、皆さまはこれからの社会でどんな能力が必要でどんな能力が不要となるとお考えでしょうか。私はどちらかというと”アナログ”タイプですが、これからデジタル世代が社会の中枢を担う時代は必ず来ます。ロボットや人工知能と戯れたり、勉強をしたり、さらには様々な苦境をサポートされたり、癒しやホスピスまで人工知能の恩恵を受けるような幼少期を過ごす世代が表れるようになると世の中の価値観が大きく変化することが考えられます。

 日経は、浸食される仕事として、司法・医療など頭脳の領域でエリートも競合、国際化の波で訪日客が増加する温泉旅館の深刻化する従業員不足を解消するのは自動翻訳機。言語の異なる客も従業員も自動翻訳機(AI)がつなぐとしています。
 では、AIが普及する時代の到来に向け人は何を磨くべきかという点については、「AIが普及した社会で一番希薄になるのは、他者に共感する力を持つ人間だ」と、米マイクロソフトのCEO。「医師の仕事は自動化できたとしても、看護師や介護福祉士などは人が足りない」と指摘。この分野はAIでは補えないと。

 AI時代を生きるうえで、カギとなるのが「創造性」「経営・管理」「おもてなし」の3つとの学者説も。AI時代に重要になる能力を総務省が有識者に聞いたところ、主体性、行動力などの「人間的資質」「企画発想力や創造性」が最も高く、コミュニケーション能力などの「対人関係能力」が続き、語学力などの「基礎的素養」との答えは少なく、人ならではの強みを身に着ける必要性が浮かび上がったというのですが。

 では、共存するにはどうしたらいいのか。日本はこれから労働人口が減る。働き方改革も含め、AIにできることはAIに任せてしまえば「業務の総量を減らし、生産性を上げられる」とコンサルタントは指摘。AIとの共存は人にしかない能力にさらに磨きをかけることが求められる、と結んでいます。

 何となく今の思考の延長線上の「当たり前な考察結果」に落ち着いている感ありですが、改めて私たちの身近な環境を考えてみるとどうなるか。様々な窓口業務や事務作業は現在でもどんどん機械化、情報化されています。マイナンバーカードもこのような社会を見越しての導入でしょうから、今後普及が進めば効率化だけではない影響を社会に与えることは間違いありませんよね。さらに自動運転の自動車、癒し系アンドロイド人形などの普及で資格が必要な職業やホスピスの分野まで置き換え可能なモノ・コトが増えていく可能性あり。「鉄腕アトム」がそうですよね。裁判などですら、日本のように判例主義なら裁判官はAIでもOKか。情状酌量もAIの方が公平感があるかも知れないくらいですよね。また、今はスポーツの世界でも「ビデオ判定」花盛りです。蓄積情報量や検索能力、瞬間認知でAIに分がある分野では人間は勝てない。

 これから50年後には現在の多くの仕事がなくなるとも言われています。このような時代が来ていることを、私たちは強く認識すべきではないでしょうか。これからの数年を無為に過ごしてはいけない。個人の生活防衛も然り、自治体の財政運営然りです。今、一体何に投資すべきなのか。未来に何を遺して行くのか。本気で考えていくべき時が来ていますね。

チャップリンの「モダン・タイムス」でしたっけ。マシーンに食事を食べさせてもらうシーンを思い出しますね。あのころのマシーンが人の食事リズムを考慮できないベルトコンベアーでしかなかったところに風刺があったのでしょうが、これから先、人の気配や機微、その人ならではのクセや特性などもすべて推し測って情報に置き換えられる能力を持ったAIが出てきたら、風刺にもならない。返って人間同士よりストレスのない関係性が構築される可能性も。そんな世の中が生まれるのでしょうか…。
 

 

東京都 新年度から私立高の無償化

2017.01.19

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世帯年収760万円未満の都内の私立高校生に対して独自の給付型奨学金拡充で授業料を実質無償化

 東京都は新年度から都内の私立高の平均授業料にあたる約44万円を国と都で給付し、教育機会の標準化を図る考えで、都の支出分の総額は今年度分より88億円多い138億円となる。拡充分の原資は予算全体の無駄の見直しなどで捻出し、従来の私立高向けの補助は見直さないということ。(1/17 朝日新聞)

 東京都が無駄の見直しなど自助努力で政策原資を捻出されていることは本当に素晴らしいことだと思いますし、それこそ、自治体のあるべき姿だとは思います。しかし、お隣の久喜市でも東京理科大が都内回帰を進めるなど、地方の創生に水を差すような事柄が多発している現実において、財政力をバックに、都内だけで「機会の標準化」を図るという手法は「国土の均衡ある発展」(少し古い言葉ですが、私はある程度の均衡は必要と考えています)を阻害することにならないのか。

 この施策で東京都が支出する138億円というのは幸手市の一般会計の約3分の2です。教育の1つの政策だけで幸手市の予算の3分の2を計上できる東京都。私学助成などの問題は道府県が対応を考えることになるのでしょうが、埼玉県は一般会計予算が約2兆円、東京都の5分の1です。埼玉県でも現在、私学補助は出されていますが、埼玉県が東京都のこの動きに追従するとなると県内市町村への県の支出金の分配などへの影響も出てくるでしょう。規模しい状況です。

 先日も書きましたが、やっと地域創生のエンジンが温まってきた地方に冷や水を浴びせることにならないか…。私も泣き言は嫌いです。地方は自立に向け、どのような状況でもできることを最大限努力するしかないとの思いはあります。しかし、小池都政のような手法では、地方の多少の努力では水の泡となりかねない。
 私は東京のエネルギーを奪うようなことは日本にとってプラスではないとの考えに立っていますが、しかし、「東京へ東京へと草木はなびく」という状況で、またぞろ「東京一極集中」「東京でなければ」とのマインドを国民の中に再燃させることになれば、地方はどうやって生きていく!?
 今後、地方、特に道府県知事会や全国市長会などはどのような対応をしていくのか。「税源移譲」「地方交付税の算定基準見直し」などを求めていくことになるのでしょうか。

 幸手市も新年度、本気の筋肉質予算を組んでいかなければ、との思いを強くしている次第です。市民の皆さまには幸手市に限らず、どこの自治体でもこのような状況で施策を推進していることを念頭に、新年度以降の予算編成を見守っていただけたらと存じます。 

傍観者でいられない

2017.01.09

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生き馬の目を抜く自治体間競争の幕開け 小池都政に対抗するには

 年始のごあいさつから5日が経ってしまいました。今年はブログの書き込み頻度をアップさせようと思っていたのですが、ここ数日、どうにも体調がすぐれず臥せっておりました。ご勘弁を。

 さて、寝ても覚めても臥せっても頭を過ぎるのは幸手市のこれからの進路です。まちづくりの郊外化政策が終焉した今、東京から50キロ圏にある幸手市にとって恐いのは東京都の政策が充実すればするほど人を吸い取られるストロー現象であり、すでにその兆候は深まっています。
 そういう意味で、今、一番気になるのは小池都政の動向です。

 昨年7月の東京都知事選で誕生した小池知事にエールを贈る皆さまも多いと思います。旧習に風穴を開けるという大変なことに果敢に挑まれている小池氏には私も敬意を表する次第ですが、東京都の新年度予算編成に関する新聞報道を見る限りではありますが、これまでの東京都とは明らかに質の違う競争が仕掛けられたということを強く感じます。
 これまでは東京都と言えども後手後手感のあった待機児童対策、介護施策。小池知事の「都民ファースト」を旗印に「先手」「体力(財政力)勝負」がこれまでとは全く違うスピード感で仕掛けられている。すべてが実行されたら若者だけでなく、高齢者だって都内回帰する可能性あり。さらに小池知事は500に及ぶ政策目標を列挙し、特区の活用や業界慣行や税制の見直しなど、あの手この手を繰り出し、企業をも東京に釘づける構えのようです。

 知事が東京都の政策課題の解消に努められるのは当然のことではありますが、しかし資本も人もすべてを東京に囲い込むようなことになれば、やっと温まりかけた地方の創生エンジンはどうなるのか。若干バランスを欠きはしないか。東京一極集中を分散させることを狙いとする今の国の方針である地方創生を逆行させ、東京への集中をより強固にすることにならないか。東京は日本の首都であり、様々な機能が集中することが東京の魅力や活力であることは認めますが、あまりの独り勝ちでは地方は浮かばれない。国はどうする…。

 幸手市のように東京から50キロ圏の弱小自治体ほどストロー現象は脅威です。幸手市がいくら筋肉質な財政運営をしたとしても財政規模の大きな東京都に180億円の財政規模で立ち向かうのはほぼ不可能。東京に限らず、東京と幸手市の間にも並居る大規模自治体あり。では幸手市はどう生きるべきか。

 来る22日、午後に開催予定の『松田まさよ議会活動報告会』では、これからの幸手市の進路について皆さまのご意見などを是非お聞かせいただきたいと思っています。若い方や女性の方が普段感じていることなどを是非お聞かせいただけたらと。
 体調不良で詳細のご報告が遅れて申し訳ございません。近日、開催の詳細を改めてご連絡いたしますが、皆さまには22日の午後(多分2時より)として是非、ご予定くださいますようお願い申し上げます。

富山市議補選

2016.10.28

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1か月で市議12人が辞職 ⇒ 30日告示

 昨日の産経新聞より

 富山市議会(定数40)の政務活動費の不正問題は市議12人が辞職する事態に発展。欠員が6分の1を超え、補欠選挙が実施されることになったようです。白紙領収書の水増し、領収書の自作など、全国で発覚する地方議員の規範意識の低さとともにチェック体制の欠如が浮き彫りになったと同紙は伝えています。

 さて、富山市の政務活動費は市条例で1人当たり月15万円が支給され、3か月ごとに会派講座に振り込まれるようになっているそうです。7日の市議会検討会の傍聴者からは「公職者としての自覚がゼロ。冗談じゃない」「補選は実施せず、議員定数を減らしてほしい」との厳しい意見も出ていると。

 その議員定数ですが、富山市は、面積約1242?、人口40万人を超える県庁所在市です。面積33?、人口約53000人の幸手市とは面積で40倍、人口で8倍となる県内の経済の中心地であり、多様な民意を議会に反映させるためにはある程度の定数は必要であろうと思います。
 富山市の議員定数が多いか、少ないかは外部の私たちでは判断できませんが、少なくとも「議員代表制民主主義」における議員定数は、その地域において多様な民意を掬い取る最良の人数を設定すべきであり、多様な民意を反映するという場合、何人程度が望ましいのかは、拙速な不要論や財政支出カットという側面からだけで判断をされないよう老婆心ながら祈念いたします。

 いずれにせよ、社会の潮流として、「公職者」は市民に見えにくいことほど馴れ合うことなく、誠実に、そして自浄作用の働く組織たらんと努力していくことが求められる世の中となっていることを、まずは構成員自らが自覚しなければなりません。記事の大見出し「政務活動費 変わるか議員意識」にもその世相が如実に表れているのではないでしょうか。

 ちなみに、幸手市の現在の議員定数は15です。市民の皆さまの多様な民意を反映するに多いか少ないかと言われれば、議論の余地はあるかもしれません。そして、幸手市の政務活動費は1人当たり月1万円。先進は会派活動として、報告書作成等に使わせていただいておりますが、残金が出た時は返納しています。市民の皆さまにはさらなるご指導とご意見をよろしくお願いいたします。
 

小池氏 圧勝

2016.08.01

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都知事選 政党推薦なし小池氏ダントツで増田氏・鳥越氏破る

 昨夜は、開票後、まだほとんど得票されていない段階で小池氏の当選が確定していましたね。私は、市民の皆さま、家族も含め、次々入ってくる情報が気になりながら、幸手市の市民運動の関係等で忙しくしておりまして十分テレビを観ることができなかったので、今朝、朝刊で改めて確認いたしました。

 小池氏233万票、増田氏150万票、鳥越氏108万票、その他の候補者の最高が10万票とは随分な得票差でしたね。小池さんは立候補時の顔に気迫がありました。そのままゴールまで完走されましたね。

 方や、増田氏は消滅可能性都市というショッキングなリポートで日本中を震撼させ、いや、危機感に目覚めさせた方であり、もし、都知事になられたら「東京一極集中」にどんな処方箋を描かれたのか。期待と共にみてみたかったと少し残念な思いが残ります。しかし、小池氏の地力はすごかった。この勢いで、東京が子育てにも高齢者福祉施策にも加速・邁進するようになれば、ますます東京の独り勝ちもあり得る。そうなると地方は恐ろしいですよ。小池氏はその点どのような施策を打ち出すのか。地方はどうする…。「風が吹けば桶屋が儲かる」「東京がくしゃみをすれば地方が風邪をひく」。こんな関係性のなかで、小池氏の施策展開に注目です。
 市長は当選お祝い、表敬訪問に行ったのかな…。

 さて、今までの常識にとらわれないとする怖さを秘めた小池氏は、2020年東京五輪・パラリンピックについても、開催費用が膨張し、増えた分の費用負担の在り方が問題になっていることについては、「積算根拠を改めて出していただく」としています。大規模事業をそのまま行うのではなく、現状をよく吟味してみようという事。小池氏の交渉力あっての発言と受け止めます。

 いままでのしがらみを断ち切り、如何に根拠のある数字が示せるか。市民の皆さまの、都民の、県民の、国民の目が光っています。根拠ある説明を責任を持って行っていくことこそ求められており、十分な説明責任を果たさない首長は信任に値しない。そう住民が判断する。そんな時代が到来しています。

 幸手市の場合、幸手駅舎整備事業が然りです。整備に約30億円の費用をかけるに当たり、その積算根拠がいかにも不透明なままここまで来て、見直しを訴えてきた私たち議員に呼応する市民の皆さまの運動がここにきて活発化しています。

 駅舎問題の根幹は財政です。国費補助が半減し、幸手市の厳しい財政状況をさらに厳しくすることが明白になった今、大規模事業、しかも、他の事業に影響を与えてまで、この事業だけを”不退転”で強行するという市長には、姿勢を改めていただくしかないのです。幸手市の市長選挙はまだまだ先ですから。

 小池氏は都知事となって、これからナマの数字を見られることになります。今後、どのような判断があるのか。方や、私たちはどう頑張っても市長が持つ数字をすべて共有することはできません。如何に「根拠」を示させるか。9月議会はこの戦いになりそうです。

 さて、先日の市政報告会で会場の皆さまからご意見をいただき、預からせていただいている問題を解決し、今後、私も更に新たな活動を進めてまいりたいと思いますので、その節はご協力よろしくお願いいたします。

新聞では、小池氏に対して「女性初」との見出しがついていました。確かに事実でありますが、「女性初」は小池氏には不似合で相応しくない表現と感じます。小池氏は、男性社会を相手取って戦える、反対に小池氏は男性張りの剛腕をお持ちな方であり、この度の小池氏は女性が持つ本来のチカラと、本人が持つ力チカラを十分発揮されたという感想を持ちます。

 神話の時代の天照大神、飛鳥時代の卑弥呼、奈良時代の女帝、平安時代の紫式部や清少納言など女性が活躍する時代が日本にはあったことが今さらながらに誇りに思えます。仮にも、女性が男性の3歩後ろを歩いていた時代も、政略結婚などが横行していた時代も、銃後の守りと言われた時代も女性は強かったが、その表現は時代に合わせて心得ていたんですね。
 元来、女性は粘り強く生命力が強いのです。先立の女性たちの活躍に敬意を表するとともに、女性の世紀と言われる21世紀に生きる私も頑張らないといけないと改めて心に刻む都知事選の結果でした。(笑)

 

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