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いじめ訴訟を考える

2015.01.16

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3DSで裸撮影 いじめ訴訟和解 @水戸地裁竜ヶ崎支部

 14日付け朝日新聞より。少し長くなりますがお許しを。

 報道概要
 携帯ゲーム機で裸を撮影されるなどのいじめを受けたとして、小学6年の男児(当時)が同級生と保護者らに1千万円の損害賠償を求めた訴訟で和解が成立した。被告が解決金28万円を原告に支払うなどの内容。
 男児側は1年以上いじめを受けたうえ、ゲーム機で下半身を撮影され、インターネットで流されたと主張。一方、被告側は「遊びの意識の中での行為で、いじめではない」と反論していた。
 原告側、被告側双方は「こちらの主張が認められた内容と受け止めた」、「訴状内容のほとんどが事実でないという我々の主張が理解された」との談話を出した。

という報道です。賠償請求額1千万円と賠償額28万円という和解金のギャップも気になりますし、和解内容の「など」に何が含まれているのか。私は、下半身を撮影しインターネットで流すという行為は「遊び」の域を超えたものとして厳しく戒めるべき行為であろうと感じます。その点がどのように対応されたのか、記事に詳細はなく、記者には取材してほしかったと感じますが、それはそれとして。

 さて、「いじめ」については、これまでも痛ましい事件が続いてきました。子どもたちだけでなく、保護者も身近に感じている学校生活の大きな不安材料である「いじめ」は、関係する大人にとってもその対応は大きな課題ですが、平成25年9月28日、国の「いじめ防止対策推進法」が施行されたのを受け、全国の教育委員会はその対策を定めることが義務付けられ、幸手市でも昨年8月「幸手市いじめの防止等のための基本方針」が定められました。

 市の基本方針より、「いじめの定義」「いじめに対する基本認識」を以下に抜粋いたしますので、ご関心のある方はご確認ください。

     「幸手市いじめ防止等のための基本方針」より
■いじめの定義
「いじめ」とは、児童生徒に対して、当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
 具体的にないじめの態様には、以下のようなものがある。
①冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、イヤなことを言われる
②仲間はずれ、集団による無視をされる
③軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする
④金品をたかられたり、隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする
⑤嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする
⑥パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる 等

■いじめに対する基本認識
 子どもたちのいじめを防止するためには、子どもを取り囲む大人一人一人が、以下のような意識をもち、それぞれの役割と責任を自覚することが必要である。
①いじめは絶対に許さない
②いじめは卑怯な行為である
③いじめはどの子どもにも、その学校でも、起こりうる
 いじめ問題は、心豊かで安全・安心な社会をいかにしてつくるかという、学校を含めた市全体の課題である

 このほか、全12ページにわたっていじめ対策の基本方針が定められています。詳しく知りたいという方は市のHPの各課案内⇒「学校教育課」をご覧ください。

 それにしても、この報道で感じるのは、ゲーム機やケータイなどを持つことの功罪にもっと大人は配慮すべきであり、インターネット環境が整えば整うほど、技術革新が起これば起こるほど、身近になればなるほど「落とし穴」も大きくなることをユーザーの私たちが肝に銘じないといけないということです。ゲームが世界中の子どもや大人の「時間」を奪っている現状を考えると、今のままで、ゲーム会社を「成長分野」「クール・ジャパンのメンバー」と言いたくないというのも実は本音です。

最後に1つだけ付け加えさせていただくなら、「いじめ」対策は必要ですが、成長過程の子どもから過度に「争う機会」を奪わないこと。「いじめ」と「ケンカ」は明らかに性質が異なりますし、「議論」はあえてさせなければならないものです。子どもの世界から「いじめ」は撲滅しても「けんか」「議論」まで奪ってはいけない。身体的な危険のない範囲で、いかに上手に「けんか」「議論」させるか。見守るか。ここが、先生を始め、保護者や地域の大人の”度量”が試されるのかなと。
 皆さまいかがお感じでしょうか。