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行政視察@富山市&小松市

2016.11.12

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富山型デイサービスと小松市レンタサイクル事業

 9日、10日は市議会の議員全員で富山市と小松市へ行政視察に行って参りました。北陸新幹線が金沢まで開通したことで、北陸が本当に近くなりましたね。乗り換えなしという便利さからか、車内はほぼ満席です。そして、朝、9時46分発の北陸新幹線「かがやき507号」は2時間弱で富山駅に到着。
 うちは家人が過去に2年間、富山市に単身赴任をしていた時期がありました。大宮から新幹線で越後湯沢まで行き、はくたかに乗り換えていた頃とは隔世の感あり。北陸本線沿線への影響は様々あったことと思いますが、新幹線は来年春には福井・敦賀にも延伸されるということで、さらに北陸への鉄道での移動に便利さが増すようです。

 さて、幸手市議会では常任委員会の複数制を取り入れており、1人の議員が2つの常任委員会に所属しています。その関係で、行政視察は3つの常任委員会が合同で年に1回、開催させていただいております。ホテル代は議員持ちですが、交通費等については議会費から支出させていただいております。よろしくご了解のほどお願いいたします。
 視察の概要をお知らせいたします。

 今回の行政視察は、デイケアサービスの先進地である富山市と、幸手市で市内観光の手段としてこれから社会実験を実施することになっているレンタサイクル事業の先進地として石川県小松市を訪問。

 富山型デイサービスは、所管課は障害福祉課で、デイサービスの利用者を高齢者や障害者と限定するのではなく、1つの施設で赤ちゃんからお年寄りまで、障がいのあるなしに関わらず利用できる複合的サービスを提供しているのが特徴です。富山赤十字病院を退職した3人の看護師さんによって平成5年に開設されたデイケアハウスが始まりですが、当時の国の制度では高齢者=老人福祉法、身体障害者=身体障害者福祉法、知的障害者=知的障害者福祉法、障害児=児童福祉法とバラバラな法によって施設の配置・人員の基準が定められていて、このような複合的な福祉サービスには行政からの支援はなかったということ。その後、平成15年の「富山型デイサービス推進特区」の認定で、初期投資の軽減・経営の安定・スタッフの確保が容易などのメリットが受けられる支援費制度が導入され、今では富山市の登録事業所は55施設を数えるまでになったそうです。
 
 富山型デイサービスの支援(ソフト面)として、富山県厚生企画課が中心となって進める人材育成制度の効果が大きいようです。この人材育成制度の画期的なところは、職員を対象に、高齢者、障害者、児童などの分野を横断する総合的な職員研修を実施するほか、起業家を対象に、仕組みの理念や税理士による実務面での講座、ビジネスプランなどの講習が受けられる点です。人材育成制度により起業家も含めて、地域の人材が次々と育成されていくことで、仕組みの安定化が図られますね。県のリーダーシップと県・市の連携の取組が本当に素晴らしいと感じました。

 さて、もう1つの小松市のレンタサイクル事業は建設経済常任委員会の所管として、いくつか事前に出させていただいていた質問に答えるかたちで説明をご用意してくださいました。小松市は世界的企業の小松製作所の本拠地として、また、小松空港を活用して香港や台湾などとの国際交流を深める人口10万人、幸手市の10倍の面積を持つ都市です。街並みが美しく、紅葉のカエデが赤く色づく市役所も広々とした美しいたたずまいでした。

 市の所管課は『まちデザイン第1課』。聞きなれないですが、幸手市で言う所の都市計画課をそう呼んでいるそうです。名は体を表す。「いいネーミングですね~」と思わず感嘆してしまいました。担当の方からは丁寧な説明をしていただきました。もともとこの事業は駅前の放置自転車問題の解消という課題もあったようですが、現在は観光向けの貸し出しなどを含め、約70万円の年間経費で、市内の観光旅館や駅前の物産館などによって管理運営されているということでありました。
 幸手市でもこれから市内観光の手段としてサンタサイクルの社会実験を実施し、運用について検証することになっています。しかし、小松市との大きな違いは、小松市はすでに主要な幹線道路の整備が済んでいることです。この点、幸手市の場合は未だ危険な市内道路が多く、観光の皆さまにレンタサイクルを安全に使っていただけるためには、まずは道路環境の整備をどうするのか。課題と言えるかも知れません。

 以上、行政視察のご報告でした。